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脳筋君、初めての戦闘

龍視点

熊がこっちに気付いて俺らを威嚇しながら近付いてくる。

こっちに来てから初めての戦いだが、やる事はいつもと変わらねぇ。

ただ相手をぶっ飛ばすだけだ!


『龍Lv1

直感

防御無視

動体視力向上』


頭の中にまた訳の分からんものが浮かんだが今は無視だ。

熊が俺の前で立ち上がり、腕を振り下ろそうとしてきている。

でけぇなおい!3mぐらいあんじゃねぇか?

俺は振り下ろされた腕を回避し、奴の土手っ腹目掛けて思いっきり蹴りを入れた。


「グオオ...!」


奴は呻きながら後退した。

効いたのか?

だが後退したならチャンスだぜ!

奴は警戒しつつも俺に飛び掛ろうとして様子を見ている。

おかげで四足歩行に戻って顔面に届くようになった。

立ち上がられるとデカすぎて攻撃が届かねぇんだよ!

また立たれる前に1発くれてやるぜ!

俺は熊に向かってダッシュしたんだが、自分でも驚くぐらいの速さで攻撃が当たる間合いまで詰めることが出来た。

俺は特に疑問に思わず、そのまま熊の眉間に向けて渾身のストレートを放った。


グシャッ


そんな音と共に熊の顔面が弾け飛び、夥しい量の血が吹き出す。


『龍Lv1→5』


また頭の中に訳の分からんものが浮かぶ。

俺は暫く状況が理解できなかった。

そもそも熊って素手で倒せるもんなのか?とか殴って頭が吹っ飛ぶってどんなパンチ力だよ、とか自問自答していると


竜「お前素手で熊倒すの夢だったじゃねぇか。夢が叶って良かったな。普通は勝負にすらならねぇけどな。人間卒業おめでとう。」


相棒が失礼極まりないことを言ってきやがった。

その隣ではヒカルの親父が口をパクパクさせてやがる。


龍「おい、とりあえずこの返り血何とかしてぇんだけど。」

父親「あ、あぁ。『クリーナー』」


親父がそう言うと俺の足元が光り、一瞬のうちに返り血が綺麗になった。


龍「おおーすげー。手品みてぇだ。」

父親「い、いや、ワイルドグリズリーを素手で...しかもたった2発で殺してしまった君の方が遥かに凄いのだが...」

竜「龍。お前の動き、異常に速かったし、熊公の頭が消し飛んでるのを見るに力も異常だよ。多分だけど転移させられた時にアイツになんかされてるな。」


そういう事か。

そうだよな、普通は素手じゃ熊に勝てねぇし頭も吹っ飛ばねぇよな。

これは加減ってもんをしねぇと色々とヤベぇ事になりそうだ。


龍「竜、次はお前がやってみろよ。お前もなんか変化があるかもしれねぇだろ?」

竜「そうだな。本命をやる前に把握しておきてぇから次は俺がやるよ。ところで龍、お前おっさんの名前見えるか?」


相棒に聞かれて親父の方を見る。


『オルトLv15』


俺よりLv高ぇじゃねぇか。


龍「なんか見えたわ。結局これはなんなんだ?戦う前に俺自身のやつも見えたぞ?」

竜「予想でしかねぇけどこれも転移の時になんかされたんだろ。俺達にしか見えてないっぽいしな。」


あの神とかいうやつ、人の体によく分からねぇことしやがって。

まぁしかしそのおかげで普通じゃ喧嘩にならねぇような相手でも通用するようになったなら別にいいか。

熊と戦ってからこの世界での生活が一気に楽しみになってきた。

俺達が話している傍らで親父は俺が倒した熊を解体している。

肉は持ち帰れないが毛皮は持ち帰るらしい。

それに、キンググリズリーは異様に鼻が利くらしいから匂い消しにも使えるんだと。

近くに小川があったからそこまで熊の死体を引き摺ったんだが、俺一人で楽々と引き摺ることができた。

やっぱどう考えてもおかしいよなぁ。


竜「死体の匂いにつられて来たか?」


相棒が見ている方を見ると、そこにはもう1頭熊がいた。

俺が倒したのと同じぐらいのデカさだ。


竜「じゃあちょっとやってくるわ。」


コンビニに行ってくるわ、みたいなテンションで相棒が熊の方に歩いていく。

相棒がどんな戦いをするのか楽しみだぜ。

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