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(72)右往左往(うおうさおう)

 人は前後不覚に(おちい)ったとき、右往左往(うおうさおう)する。この女性、坂山朋美も右往左往していた。事の発端は上司の副部長、静川の陰謀によるものだった。その理由は、キャリア・ウーマンの朋美が何かにつけて部長の大凧(おおだこ)に告げ口していたのを知り、その腹いせを画策したのだ。

『フフフ…これで、あいつも部長に告げ口は出来ないだろう』

 静川はニヒルに(わら)い捨てた。長年の恨みを晴らしたかのような悪辣(あくらつ)な陰謀だった。その陰謀とはトイレの紙を密かに持ち去り、生理的欲求が果たせないようにしたのである。静川は密かに一人のメンテナンスの作業者に多額の金を渡し、陰謀に加担させたのだった。

「…か、紙がないわっ!」

 朋美は雑念を湧かす間もなくトイレの便座に座り続けねばならなかった。その頃、すでにタイム・リミットとなり管理職を一堂に会した部長会議は始まっていた。邪魔者がいない部長会議は副部長、静川の言うがままに進行した。その結果、朋美が立案した企画は立ち消え、静川の案が採用されたのである。ただ、静川が巡らした悪辣な陰謀は、結果として静川を降格させる方向へと進んだのだから悪いことは出来ない。後釜の副部長に就任した朋美は静川を哀れに思ったのか、ピタリと大凧への告げ口をやめた。どのような雑念が朋美に告げ口をさせたのか? は、定かでない。^^


                  完

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