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(39)鳥インフルエンザ

 鳥インフルエンザが猛威を振るい、二十三道県で五十六例もの発生か…。寺崎は新聞を読みながら、困ったものだ…と、さも自分が、国のトップ役人にでもなった気分で雑念を湧かせた。^^

 その夜、寺崎は夢を見た。

━ 養鶏場のニワトリがバタバタと死んでいく。そのニワトリが人の姿になった。バタバタと倒れていくのはニワトリではなく人だ。━

 余りにも悲惨な夢の進行に、寺崎はハッ! と目覚めた。冷や汗で顔や背筋がビッショリと濡れていた。昨日観た映画が悪かった…と、寺崎は思った。ところが、その映画のラストがどうしても思い出せない。観たのは昨日である。それが思い出せないのである。寺崎は自分はどうかしている…と、ベッドに横たわりながらまた雑念に沈んだ。鳥インフルエンザはニワトリが感染しただけで死に至る病気である。それがもし、人になれば…。寺崎はゾォ~っとして半身を起こすとベッドから下り、キッチンの冷蔵庫へと向かった。冷蔵庫を開けた寺崎は缶チューハイのプルトップを開け、小缶をグイ飲みした。美味(うま)いと思う間もなくべッドへと戻った寺崎は、ブルブルと恐怖に怯(おび)えながら毛布に身を包(くる)んだ。酒が弱い寺崎に睡魔が一気に襲ってきた。寺崎は、いつしか深い眠りへと沈んでいった。鳥インフルエンザが気の小さい寺崎の雑念を増幅させた結果だった。

 なんとか、悪性微生物の治療法確立、治療薬の発明、発見により、寺崎さんを安眠させてやって下さい。関係諸氏、ご努力をお願い致します。^^


                  完

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