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(37)年
年が暮れ、そしてまた年が明けようとしていた。その瞬間を見つめながら、桧山は考えていた。『いったい、どこが違うんだ?』と。静かに除夜の鐘が撞かれる中、深々と夜が更けていった。この光景は前年も、そしてその前年も同じ感覚で迎えていたが、何の変化もなかった…。桧山は正月を迎えた喜びなど欠片も感じなかったが、それでも条件反射のように今まで繰り返してきた動きを見せていた。桧山は思った。『ああしろっ! こうしろっ! と命じる雑念より、新たな年を迎えようとする慣性の動きは強い…』と。テレビ画面には、とある局の、とある有名歌手によるニューイヤー・ライブ・コンサートの中継が映し出されていた。桧山はまた、思った。『有名になればなるで、大変なんだな…』と。そして桧山は、またまた思った。『俺はのんびりと毎年、気楽に年越しさせてもらっている。お節の出し巻きも去年の味よりは,程よく作れたから、味わうのが楽しみだな…』とニンマリと哂いながら。^^
このように、その年が暮れ、翌年が明けるときに湧く雑念は、膨らみこそすれ同じように繰り返される慣性の動きには勝てないようです。^^
完




