(35)待ち時間
待ち時間をどう過ごすか? は、人によって異なる。神経質に考える人は、大してすることもないのにアレコレと雑念を浮かべ、イライラするに違いない。またある人は、混んでるな…などと、右から左へ受け流し、前もって持参した本を広げ、読み始めることだろう。要するに、性格による差異を露呈するのである。これだけは、生まれ持った性分だけに仕方がない。ただ、のんびり構えた人の方が得をする傾向にある・・という結論は導ける。この男、釜岡も、混んだとあるファミレスへ入り、雑念を浮かべた。というより、混んだとあるファミレスへ踏み込んだ・・と表現した方がいいかも知れない。^^
『ここは、突入だなっ!』
釜岡は、サッカーのカウンター攻撃へ打って出た。ロングパスのボールを的確に受け、相手ディフェンス陣が戻る前にゴールめざしてひた走ったのである。相手ゴールとは、言うまでもなく開いている席である。前の客の片付けられていない食器がテーブルに置いてあろうと、釜岡は全然、気にしなかった。堂々と座ったのである。それが功を奏したのか、呼びベルを押すと、係の女性従業員がスゥーっと愛想よく現れ、食事はスンナリと進行していったのである。
「今、お下げしますので…。おしぼりを、お持ち致します…」
女性従業員に前もって考えていた注文メニューを言い、スンナリと食べ終わると、スンナリと支払って釜岡は店を出た。
待ち時間があることを前もって予想して雑念を纏めておけば、スンナリとコトは運ぶ・・というお話でした。^^
完




