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(33)どうするっ!

 国営放送の大河ドラマではないが、人は予想もしていなかったことが突発して起こったとき、さて弱ったぞ…どうするっ! と、瞬時の解決策を求められることがある。

「長考に入られましたね…」

 囲碁の対局が大盤解説で進んでいる。[先手番・黒]の将羽(しょうう)九段が(きょ)十段[後手番・白]に大悪手を打ってしまったところだ。解説者の(しん)九段はそれが分かっているから、心配そうな声で小さく言った。

「どうなんですか?」

 女性の解説助手をする月会(つきあい)二段は打たれた手が妙手か悪手か? を確かめるべく、朴訥(ぼくとつ)(たず)ねた。

「何がです?」

「今の手です…」

 シカトされたのが少し(しゃく)(さわ)ったのか、月会二段は怒りぎみの声で返した。それでも、『それを()くっ!』とはテレビ中継もあってか、絶対に言えないから、グッ! と我慢した。

 一方、対局場である。将羽九段は内心で、『やっちゃったか…』とは思ったが、そうとも言えず、態度にも出せないから、思わず準備されたお茶を、ガブリッ! と、ひと口飲んだ。そして次に浮かんだのが『さて弱ったぞ…どうするっ! アア伸びればコウなるか…。ではソウ切ればナニか…』という雑念だった。

 その後、どうなったか? ヨセ勝負に持ち込み最善を尽くした将羽九段だったが、残念ながら(わず)かな差で敗れ去ったのである。ただ、さて、どうするっ! となった場面で、雑念を湧かせるだけ湧かせて最善を尽くせれば、敗れてもいいように私には思えます。^^ 皆さんは、どうのようにお思いでしょうか?^^ 


                  完

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