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(3)流動的

 物事が固定せず、流動的だと雑念が湧きやすい。

 この男、北岡も、そんな男の一人だった。

「今日は混んでるわね。北岡さん、まだ当分、かかるわよ、この調子だと…」

 社員食堂で並んでいた北岡は、同じ課のキャリア・ウーマン南尾明代に後ろから声をかけられ、ギクッ! として振り返った。

「なんだ、南尾さんか…。いつもは外で食べてるから分からないんだよ。どれくらいかかるの?」

「そうね…。これくらいの並びなら20分ってとこね」

「そんなに?」

「ええ、急いでるの?」

「ああ、まあ…」

 北岡は昼食を早く済ませ、部長の東山にヨイショ! しようと雑念を湧かせていたのだ。ヨイショ! するとは、東山がするゴルフの自慢話を聞くだけだったが、これがどうしてどうして、結構な効果があり、北岡はこの春の人事異動で課長代理代行に昇格したのである。それまでは課長代理代行補佐だった北岡にとって、なんとも(うれ)しい出世だった。この次は課長代理だな…というのが北岡が目論む雑念だった。どうなるとも分からぬ先々の出世の雑念なら、別に急がなくてもいいようなものなのだが北岡は急いでいた。

 その後がどうなったか? をお知りになりたいだろうが、残念ながら流動的なことなので私は、よく知りません。^^


                  完

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