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(27)麦踏み

 (たちばな)(ひさし)は雑念を浮かべていた。

『そういや、あの頃は麦踏みをしていたなあ…』

 麦踏みとは稲の刈り入れのあと、秋に田畑をふたたび耕して麦を植え、その麦が冬の雪害でダメにならないよう、麦の茎を(わざ)と踏みつけて伸ばさないようにする作業のことである。死語に近くなったこの言葉が悠の心にふと、浮かんだのである。

『そういや、この辺りも今や一毛作になったな…』

 二毛作とは一年に二度、田畑に作物を植えることを意味する。二度作る稲の場合だと二期作と呼ばれる。悠の家は非農家で悠自身も公務員だったから、農業の詳しい知識は分からなかったが、四季の移り行く田園風景を見ながら育っただけに、(おぼろ)げながらも最小限の理解はしていた。

『菜種の黄色い花畑…胡麻…休耕地にもレンゲの花が色鮮やかに咲いていたなぁ~』

 悠の雑念は益々、増幅していった。

『麦踏み…そういや、牛が尻を叩かれながら鋤いていたぞ…』

 耕運機がなかった時代の記憶が、鮮明に悠の心に(よみがえ)った。

『あの牛、今、どうしてるかな…』

 麦踏みの雑念が、有り得ない疑問を悠の心に浮かばせた。

 麦踏みという長閑(のどか)な風景の雑念は、有り得ない疑問を浮かばせるようです。^^


                  完

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