(22)お金
お金とは生き物じみていて、欲しい貧乏人のところからは離れ、お金などどうでもいいような大富豪のところへ舞い込む・・といった性格を持つ得体が知れない存在だ。
鶏冠は年越しを前に、コケコッコォ~![クック ドゥ~ドゥ~ドゥ~!]と、お金の支払いに苦しむ貧乏人の一人であった。^^
『鶏冠さん、これが最後ですよっ! 次、寄せてもらったとき、半年分のお金、支払っていただかないと出ていってもらいますからねっ!』
三日前、アパートの管理人に渋面でそう言われた言葉が、鶏冠の脳裏を駆け巡っていた。いくら気長な人でも半年も待たされた日にゃ、渋面になるのも当然なのだが…。
管理人が出て行ったあと、しばらくして鶏冠に雑念が湧いた。昨日、ネット記事で読んだ記憶がふと、残り毛が少ない鶏冠の頭に甦らなくてもいいのに甦ったからである。^^
『競馬で数億、馬券買ったヤツがいたな…』
鶏冠の雑念は、『どうして数億もお金が賭けられる? + そんなギャンブル好きな人物に、どうしてそんなお金があるのか?』という二つの疑問が合わさったものだった。
『俺なら、馬券一枚、買うお金がありゃ、インスタント・ラーメンとタコ焼き買うがなぁ~』
これが、ネット記事を読んだときの鶏冠の心境である。
お金とは、時折り、妙な雑念を湧かせる生き物のようです。^^
完




