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37歳のリサイクル人生  作者: 朝霧名月
40/50

37歳と離島の病院

ニュースを晩ご飯食べながら見ていたら

みかんの「はるか」が出荷ピークってやっててさ。


あ、みかんって書いたけど

はるかって、レモンに近いよね


まあ、それは置いといて

はるかっておいしいけど

あま~い蜜柑が好きな人にはイマイチ評価高くないよね

先に書いたけどどうしてもレモンに近いから、蜜柑を求めてる人には需要が合わないんだろうね


さて、蜜柑と言えばさ

瀬戸内海のあの島だよね


俺、実は看護学校はあそこの県に行っててさ

当時、二十歳で准看の免許をもってアパート借りて学校に行ってたの


んで、その学校、全日制でさ

って言うのも准看の学校は定時制だったんよ。

すると、病院に住み込みで働きながら学校行く様になるんだけど

それが本当にしんどくてね


正看ではもう本当無理ってなって

わざわざ全日制を選んで、別県にまでわざわざ進学したんよ


だのに、何かクラスの9割8分の子ら、病院に勤めながら通っていたのよ

これにはたまげたよね。

学校は朝の9時から17時までなんよ?

普通に皆、准看免許はあるから

夜勤をツーオペとかしてから登校してくんのよ


そんなん、俺とか働いてない子らはマジで肩身せまいよね

睡眠時間、充分だもん。

赤点なんざとれば、切腹ものだよ


そして学校には看護師のバイト募集が掛かって

先述の理由から、それを受けれる生徒ってのも限られててさ。

まあ、俺が9割受け持つ事になるよね


熟女のソフトボール全国大会の救護班とか

マラソン大会の救護班とか

単発ものがほとんどだったけど

たった一つだけ、連発もののバイトがあった。

それが、離島の中型病院の夜勤バイト。


病院と言っても、ほぼ施設みたいなもので

手術等は、そこではもう行っておらず、延命処置は一切なし。


その時の患者さんやスタッフの人達とも結構小説みたいなイベントもあったけど、今回は置いとくね。


その離島がさ。

てか、離島ってさ。

すっげえんだ。

バス停近くにスーパーとコンビニがあるんだけど

夜7時には閉まるの。

んで、8時には島内放送が掛かって

町の灯りが消えるんだ。

だから、真っ暗になるの

そんな中、ぼんやりと灯りを照らすんが

バイト先の病院


だからさ、23時と3時に全病室見回りと、一階外来室の見回りがあんだけどさ

酔っぱらって、お家にまで帰れなかった島民のおっさんが

時々忍び込んで、受付のソファで寝てんのよ。

これ、めっちゃ怖いからね。

俺も悲鳴あげたし

俺の代わりに見に行った介護士さんも悲鳴上げたし

その悲鳴が4階の病室見てた俺の耳に届いた時も、息止まったよ。マジで


そんな事もありつつさ。

まあ、時々お化けにも出会ったりして


それでも、週一で、そこは1年以上バイトさせてもらえたんよ。

一緒にコンビ組んでくれてたおばあさんの介護士さんが、バイト最後の日にはナイキの靴を買ってくれてさ。

すごい、良い所だった。

あの介護士さん、今も元気だといいけど、多分もう仕事は引退してるだろうな。


さて、そろそろこのお話のまとめなんだけど


その離島に降り立った時さ。

道を歩いてるだけで、通りすがりの人が蜜柑をくれるんよ。

多分、土地柄か

俺が、他所から来た看護師って知ってるのか


その時貰ったのが「はるみ」って蜜柑でさ。

すげーうまかったよ。

今もはるみはあるけど

この時のは、別物だった。

巨峰より甘かったんよ。


「はるか」の話でそれを思い出してね。

まあ


37歳のおっさんにも確かにあった

若い頃の

アオハル話ですよ。

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