37歳、観たくなる
実家の引っ越しの際
子どもの頃から家にとりあえず置いてたものを全て処分した。
ビデオテープやら、CD、漫画がほとんどで、これが結構な重さになった。
んで、事故に遭って
今度は新居の実家に俺が引っ越す事になった時、その時に選別して持って帰っていたそのコレクションの一部も処分する事になる。
今度はDVDが主になる。
連続ドラマやアニメのそれは巻数が多く、真っ先に処分の対象になった。
俺は、高校生くらいの時から
とにかく映画を観る様になった。
邦画、洋画
月に一度、3本3000円のTSUTAYAのDVDを買う事を恒例にして
時に、中古でワンコインのも買いあさって
それはそれはすごい量になっており
全て処分して4万円程の資金になった
まあ、費やした金額はそれの10倍以上だろうな。
ぽっかりと空いた本棚を、今度は細かく細かく破壊している時の喪失感と虚無感といったら。
そうして、何日にも分けて映画のDVDを処分していたある時。
一本だけ。どうしても手放せないDVDがあった。
その洋画は
俺が小学4年生くらいの正月の深夜にテレビ放送されていた作品で
始めて兄や父親と日を跨いで夜更かしして観た映画。
一人の殺し屋がひょんなことから少女と暮らす事になり
やがて、彼女を好きになり
親子ではなく、愛としてその少女の為に戦うという
まあ
レオンなんだけどね。
それを観た時に、ビリビリって眠たい眼が心臓のドキドキで醒めていくんだよ。
ああ。
たった2時間で
俺は人生を観たんだな。って。
んで、今手に取ってるのは、その10年後くらいに1枚1000円で買ったピカピカのレオン完全版のDVD
さて、どうするか。
と、悩んで30分。
結局、買い取り20円でゴッドファーザー3枚組と一緒に売ってしまったんだけど。
今現在。
レオンが観たくて仕方がないんだ。
さて、困った。
と、思っていたが、すぐに解決する。
サブスクの映画で、レオンが普通に見放題だったのだ。
DVD自体がもうやがては消え行く物体なのだから
それ自体は間違いじゃなかったんだろう。
それでも、サブスクで観たレオンは
あの頃より、少しだけ薄っぺらく感じたんだ。
俺は、台所に向かうと
母親が骨粗しょう症予防で常備している牛乳をグラスに注いで
一気に煽った。




