継母と異母妹 2
実際の所はこうだろうな、っていう妄想です。
お継母様と異母妹がわが家にいらしてからひと月。
メイドたちのうわさ話を盗み聞いたり渋るお父様や執事から聞いた話をまとめたところ、やんごとないご事情で爵位返上したお継母様は娼婦として働くことに。
お母様が私を妊娠中、これまたやんごとないご事情で一度だけお継母様がお相手することがあって、めでたく異母妹を身籠ったとのこと。
お父様以外に幾人かのお相手をしていたけれど、異母妹の色味からお父様が父親であろうとなったらしい。
一連の出来事をお母様に相談してお金と住むところを用意して、お継母様たちは今まで領地で庶民として暮らしていたんだとか。
そして、お母様が亡くなって親戚などから後妻でとやかく言われるのが面倒でお継母さまを、となった。らしい。
夢の中の物語でよくある展開、悪役令嬢モノの王道パターンですわよ!
真面目なのか思いやりが欠如しているのか、外に子供出来ちゃいましたなんて妻に報告する夫がどこにいるのよと思ったけれど、そういえばお父様は入り婿ですものね。その点に関しては物語的に少し外れていますけど、些細なこと。
この後、野心家なお継母様と異母妹は正統な後継者を虐げていくのが王道パターンですけれど、、、
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「おはようございます。アリーチェ様」
「おはようございます。お継母様」
朝食の席、大きなテーブル。席に着くのは二人だけ。
お父様が朝早くから登城して朝食にいないのはいつものこと。異母妹はマナーのレッスン中でまだまだ人前に出せる教育が終わってないとかで、廊下などでちらりと見かける程度。したがって、朝食を共にしたことはまだない。
お継母様は腐っても元貴族令嬢。いくらお継母様になったといっても元男爵令嬢。
こちらからいくら歩み寄っても生粋の侯爵令嬢に馴れ馴れしくなんて、とどこか一歩引いてる感じ。野心?多分そんなもの無さそうよ。
見た目に反して落ち着いたお人柄ね。夜会に行くよりお庭でピクニックとかの方がお好きらしい。
異母妹に関してはあまり接点がないけれど、勉強できることがうれしいと頑張っているとメイドたちが噂している。
ま、そんなもんよね。
物語的展開が早々起こるものじゃないわよね。
夢は夢、前世知識ももしかしたらわたくしの妄想なのかもと思い始める今日この頃。。。
メイドから苛められる?そんなことあるわけないじゃない。平民が貴族を苛めるなんて、死にたいの?
身分差って、昔になればなるほど厳しかったはずなんですよね。
貴族第一主義、貴族だから何しても許される的考えはそうでしょうと思いますが、貴族内でも身分差と言うのは野心とかそういったもので何とかなるのでしょうか。
元男爵令嬢VS現侯爵令嬢 とか、年齢差があっても、ねぇ……。
異世界だから許されるのでしょうけどね。