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8/11

★8 リベンジ成功!!

よろしくお願いいたします。


順番が回ってきたので熱唱した。気持ちよかった!

隼人が場を盛り上げてくれようとしてくれたけど無駄だった。


波多野がヤジをとばしまくったから。

「童貞くん、カッコいい~」

「陰キャ、大変身~」

「調子にノッてま~す!」


それなのに、峰の熱い視線が気持ち悪い!


「真吾くん、歌もうまいんだね。カッコいいよ~」

座ると峰が囁いてきて、手を繋いできた。


痩せすぎていて、指が骨張っている。

香水の匂いもキツすぎるし・・・ないわ~、ない!


「ありがと。」

「ねえ、二人で抜け出ようよ。」


「えっと、波多野のヤジは間違ってないけど、いいの?」

「バカの言うことなんて気にしちゃダメだよ~」

・・・険悪な別れ方しちゃったのかな?


コートを着ながら、室内をみまわした。


「がんばれよ!」

隼人が皮肉な笑顔を浮かべていた。


波多野和樹が憎々しげな視線を、穂崎花菜が心配そうな視線を向けていた。


・・・



手を繋いで通りを歩いた。


人が少ない所で立ち止まり、向かい合った。


「峰さん、今日はありがとう。それで、もし良かったら俺と付き合ってくれない?」

嘘告っていうのもドキドキするな!

峰に、大成功とか言われたらどうしよう・・・


「はい・・・」

頬を染めて、嬉しそうに微笑まれた。


「全部、うそ。」

「えっ、なに、なに?」


変らぬ笑顔で言ったから、言葉は分かったけど、意味が理解出来なかったようだ。

嬉しそうに微笑み続けている!


「だから嘘だって。君に嘘告されたんだよね、中学のとき。」

「えっ、あっ!」

やっと思い出したようだ。


やっぱり、やった方はすぐに忘れちゃうんだな・・・

峰の表情が毒々しくなってきた。


「・・・陰キャだから、陰湿だね。」

「うん、4人で嵌めたり、録画したり、晒したりはしないけどね。」


「うるさい!お前なんか金づるとしか見てないわ!」

「谷垣と沖代からそういう人だって聞いた。」


「うそつくな!」

「尋ねてみたら。じゃあね。」


振り返って歩き始めると、

「クソヤロー!」

峰の叫び声が響いた。


・・・


カラオケ店の前までとぼとぼと歩いて行った。

全部撃墜してやったけれど、精神的に疲れ切っている。


「あっ、桶島くん、なんで?」

穂崎花菜が一人で帰ろうとしていた。


「穂崎、待てよ!」

波多野和樹が出てきた。ラスボスだ!


「ついてこないで!」

花菜が波多野に対して嫌悪感をあらわにした。


花菜をかばって波多野の前に立ち塞がった。


喧嘩なんて10年以上したことない。

やっぱり怖い!だけど、コイツだけには勝つ!


「じゃまだ。なんでここにいる?峰と仲良くしてろ!」

「穂崎さんがいやがっているけど・・・」


「女の前だからってかっこつけるんじゃねえよ。

童貞のくせに!クソ陰キャ!調子に乗るな、ボケ!」


「俺をいくら貶めても、お前はクズのままだよ。」

「な、な、俺がクズだと!」


「穂崎につきまとっているのをVチューブにあげるわけ?」

「うるせえ!」


「登録者100人もいないのに?」

「始めたばかりなんだよ!」


「仕事と同じですぐに辞めちゃうんだろ?」

「な、なん・・・黙れ!」

近づいて来て、ねめ回された。

ちゅってしてやろうかな?


「さっきカッコ良く歌っていたよね。だれも聴いていなかったけど。」

「殺すぞ!」


「殺すって中学生みたいだね。」

キレた波多野が拳を振り上げた!


左腕でパンチを防ごうとしたが、殴られてしまった。

けっこう痛い。


「桶嶋くん!」

穂崎が悲鳴をあげた。


左右のパンチを繰り出された。両手でガードしたけど、痛い!

「ふん、陰キャがはしゃぐんじゃねーよ!ははは!」


けたたましく笑う波多野のむこうずねを革靴の先で蹴ってやった!

「痛い!」

奇跡的にうまくあたって、波多野が悲鳴を上げて頭が下がるタイミングで、

鼻に頭突きをかましてやった。


憎悪にまみれた視線をくれると、波多野はわめき声をあげながら、

弾けたようにタックルをしてきた!


うまく躱してはたき込むと、波多野は置かれてあったゴミ袋の山に突っ込んで、

大げさに悲鳴をあげた。


まわりが騒然としはじめると、ピピピと笛の音が鳴り響いた!警察だ!


鼻血を流しながら波多野は立ち上がり、

俺に向かって訳の分からない言葉で威嚇を始めた。


「臭いから近づくなよ!」

俺の言葉にキレて、波多野は殴りかかろうとしたが、警察官が立ち塞がった。


「おい、きみ・・・」

「邪魔すんな!」

波多野が警察官をぶん殴った!


もう一人の警察官が怒りの声をあげて、波多野に相対した!


俺は振り返り、花菜の手を掴んだ。

「逃げるぞ!」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 穂崎はリベンジ対象でなかった点。 [一言] 嘘告どもは完全に忘れてたか。 しかし、峰も謝罪でもすれば違ったろうに。
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