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★1 命を救った幼なじみにフラれた!

よろしくお願いいたします。


1日3話投稿します。10話くらいで完結します。



親友の射場隼人、穂崎花菜と海に行くことになった。


その日は快晴で、風もなく最高の海水浴日和だった。


花菜の親に連れていってもらった先は海水浴場ではないけど、割と広い砂浜だった。

人は少ないし、岩場もあって楽しそうな場所だった。


しばらくは3人で水をかけあったりして遊んでいたのだが、

隼人と潜水してどんな生き物を捕まえるか勝負することになった。


花菜も誘ったら(泳げないので)絶対にしないと怒って、

一人で浮き輪をかかえて、プカプカと浮かびながら離れて行った。


・・・


花菜の叫び声がかすかに聞こえた。


少し沖で、恐怖で顔をゆがめた花菜が手を振っている!流されたんだ!


お父さんが沖への流れに気を付けろって言ってた、ソイツだ!

流れに逆らわず、流れに垂直に逃げろって!


「隼人、おじさんたちを呼んで!」

「お、おう!」


「花菜!左へ行け!」

大声と大きなジェスチャーを示すと、花菜は左側を向いた。


・・・


花菜に向かって泳いでいたが、結構遠くまで流されていたので疲れを感じ始めた。


「真吾!」

花菜の声が聞こえた!近い!


花菜の浮き輪に捉まり顔を上げた。

「真吾!」

泣きべそをかいていた花菜が俺の腕をがっとつかんだ。


「花菜、よく頑張ったな。もう大丈夫だからな。」

笑顔を見せると、花菜の顔がほんの少しほころんだ。


そこは沖への流れはなかったので、浜へ向かって一緒にゆっくりと泳ぎ始めた。

「真吾、ありがとう。ホントに怖かったよ・・・」

「気にすんなよ!」


「花菜~」


花菜のお父さんと隼人が浮き輪を持ってこっちに泳いで来るのが見えた。


実は俺も怖かったので、すごくホッとした・・・


・・・


浜へ上がると花菜のお母さんが花菜を抱きしめた。


花菜のお父さんが俺の手を掴んだ。

「真吾くん、本当にありがとう。花菜が無事だったのは君のお陰だよ。」


「みんな、ゴメンね。迷惑かけちゃったね。」

花菜が泣きながらみんなに謝った。


「いや、俺のせいだよ。穴場だといって、海水浴場でないここに連れてきたからだ。

花菜、怖い思いをさせて悪かった。」

花菜のお父さんっていい人だ!


「真吾くん、6年生なのにあんな遠くまで泳げるって凄いね。

花菜を助けてくれて、本当にありがとう。隼人くんもありがとう。」

花菜のお母さんが涙目でお礼を言ってくれた。


大切な友達を助けることが出来て、俺の自己肯定感はマックスとなった。


・・・


小学校の頃は、花菜と毎日一緒に登下校して、よく一緒に遊んだ。

中学生になるとクラスは遠く離れ、登下校も別々になった。


だけど、花菜のセーラー服姿を一目見た時、雷が落ちた。

好きな人に変ってしまった。


ある日曜の夕方、ランニングをしていたら、向こうに花菜が見えた。

友達と別れてこちらへ向かってきた。


小学校の頃、花菜はジャージばっかりだったけど、

今日は薄いピンクのシャツ、長いベージュのスカートがとっても似合っていて、

とっても可愛いかった。


俺は衝動に突き動かされて、近くに人がパラパラいるにも関わらず、

「花菜、好きなんだ、付き合ってくれ!」

と言ってしまった。自信満々に!


花菜は目を見張って驚いて、辺りをキョロキョロ見回した。


そして、目を伏せてから、顔を上げ俺を見下ろした。

成長期が遅かった俺は花菜より10センチ以上小さかった。


言いにくそうに小さな声をだした。

「ごめんなさい。付き合うって分からないから・・・」



高揚していた気持ちが真っ逆さまに落ちた。



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