表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

南天の木の下に

作者: ひつじ先生

ぼくのおばあちゃんは植物が大好きで

いつも庭にはたくさんの花が咲き実がなっていたよ


ある日、ぼくはとてもこわい夢をみたんだ!

どんなにこわいかって?

それはとーっても大きなかいじゅうが

ぼくをあたまから食べようとするんだ!!

いっしょうけんめい走っても

ズンズンおいかけてきて

ちっとも逃げられない!

そしてついに


ガブリ!!!!


うわぁぁぁぁぁ


ぼくはそこでゆめからさめた

目からはなみだがポロポロ


それを見たおばあちゃんは

たいせつにそだてている庭の南天の木の下に

つれて行ってくれたんだ


「南天の木の下にはね バクっていう良い妖怪がすんでいてね

こわい夢を食べてくれるんだよ」


そういっておばあちゃんは南天の木にむかって


「バクくえ!バクくえ!バクくえ!」とおまじないをとなえた


「これでもう ぼくのこわい夢はバクが食べてくれたよ」


そういってしわしわの手でぼくのあたまをやさしくなでてくれたんだ


赤くきれいな南天の実とやさしいおばあちゃんの手


こわい夢は消えたけれど

そのふたつはぼくの心にのこって

ふしぎとふわふわとした気持ちになったよ


それからしばらくして

ぼくがすこしだけおにいちゃんになったころ

おばあちゃんはてんごくにいってしまった


でもだいじょうぶ!

もうおにいちゃんだから

こわい夢をみたって泣かないもん!


…でもたまには泣いちゃうかも


そのときは

こっそりと南天の木の下で


「バクくえ!バクくえ!バクくえ!」


っておまじないをとなえるね







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 南天の木はおばあちゃんとの良い思い出になってくれましたね。 それも、怖い夢を見た後のフォローができるという恩恵つき。 いくつになっても怖い夢は見ますから、とてもいいおまじないをお婆ちゃんは教…
[一言] おばあちゃんの思い出がたくさん詰まった南天の木。 大人になって怖い夢を見ることがなくなっても、南天の木を見ればおばあちゃんのことが思い出せるはず。 思わず、私自身と祖母との思い出はなんだっ…
[一言] 可愛らしいお話でした。 南天とバク、勉強になりました。
2021/01/14 13:34 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ