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第1話 

「今日も学校やなー。だる。しかもテストとか」


ひわたりれお。それが俺の名前。


そして、ふつーの人間には見えないこいつ。

3年くらい前からずっとくっついてくる天使なのか悪魔なのか。


ペット…とか言ったらすぐキレるからやめとこう。

クリス、そう呼んでいる。

ぬいぐるみみたいなちっちゃい熊?みたいな感じ。

フランケンシュタインみたいな縫い跡があってさ、怖いよこいつ。


あ、突然なんだけど俺は昨日、確実に車にひかれたんだ。でかいトラック。


死んだ…んだよね。


でも生きてるんだ、今。

おかしい。


ん?あぁ、13時…クリスのご飯の時間だ。

トイレトイレ…


「クリス腹減ったクリス腹減った!」


わかってるよ!


えーと、流し忘れは無し…か。


犬の散歩してる人…


いた!


「あ、すいません、糞の処理、僕にやらせてもらえませんか?」


ん?モデルさん?

身長も高いし顔も小さい。

小さすぎる!!

何頭身だよ!


「は?いや、糞の処理って?」


驚くのも無理はないよな。

でも、クリスのご飯の時間なんだ。


「やっときますから、大丈夫ですから!」


使っとくか。


俺には変な力があるんだ。

小学生の頃にこれでいじめっこを殺した事もある。

ガチで秘密だけど。

もしかしたら捕まっちゃうから。


さて

グーンと。


「いい、ですよね?」


「いいわけないで…



彼女は一瞬で俺の目の前から消えたんだ。

いや、実際消えたのは俺か?


見覚えのないバス停に俺はいた。


雲ひとつない晴天。

俺は太陽が嫌いだ。


さて

グーンと。


時間を操れるわけじゃない。

でも、俺はこの世界を一瞬で暗闇にできる。


直感だけど、さっきの子も何かあるな。同じような力。


おもしれぇ。


好きになっちゃったかも。

童貞だけど。いいじゃん別に。


ちなみに俺は奇形児。

あんまりこういう言い方は嫌やけど。


前に2つ。背中に4つ。


乳首がある。


昔のいじめはこれが原因だ。


乳首シックスセンス。


こんなあだ名をつけられた。

別にいいけど、むかつくなぁ。

こう思った次の瞬間、そいつは真っ黒になって、消えちゃった。


どうでもいいか。

まぁ、ひとまず帰ろう。

どこだかわかんないけど、一人旅みたいな気分で悪くない。


あと20分でバスが来る。


ぶろろろろ…


あ、これはバスが来たわけではなく独り言だ。言いたいやん、独り言。


ぶろろろろ…


あ、バスが来た。


えー、パスモとか対応してないやつか。


整理券、整理券。



一番後ろに座ってる人、綺麗な人やなぁ。

俺は中の上。

せっかくだから声かけてみても悪くない。


思春期なんで、すんません。


「あの、ここってどこなんですか?」


ドキドキ


すると彼女はこう答えた。


「あなた、生きてる価値、ある?」



わけわからん。

とりあえず、びっくりして屁が出た。


そういやクリス、大丈夫かな。


ことのほか、人生楽しいんちゃうか?


続いていくやろな、この異常な物語。

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