なんと豪邸
目を覚ますと、そこはどこかの街道だった。
「こっからどうするかなー?」
とりあえずこの道を歩いていけば町に着くよね。
ん?あれは馬車かな?
かなり豪華だけど偉い人とかが乗っているのかな。
「ちょっと話聞いてみよう」
僕は200mぐらい前に停まっている馬車へ歩いて行った。
100mぐらい歩くと人がいるのが見えた。
あれ?なんかあれ戦ってない?
「襲撃か!?」
多分偉い人が乗っているんだからあり得る。
まあ、模擬戦してました、とかだったら笑えるけど。
あ、誰か斬られた。
うん。襲われてるね、あれ。
「行くか」
僕は走り出す。
うわ!?なにこれ速!
2秒ほどで馬車につき、護衛みたいな人に斬りかかっていた男の剣を片手で受け止めた。
そのまま、受け止めた刃を折る。
鋼鉄の刃は、驚くほど簡単に折れた。
「誰だお前は!」
「さあ、誰だろう、ねっ!」
驚きながら訊いてきた男の腹を軽くぶん殴った。
おー、飛ぶねえ。20m行ったんじゃないかな?
「貴様ぁ...。
野郎ども!やっちまえぇ!!」
襲撃犯のリーダーらしきデブの男が雑魚丸出しな言葉をはいた。
でも、無駄。
「おい、お前ら!?」
次々と手下どもがバタバタと倒れていく。
実はさっきパパッとみんなを気絶させといた。
倒れていく部下を見て、雑魚リーダーは顔を青ざめていく。
「ひっ、ひいいいいいいぃぃぃ!!!」
おっと逃がさないよ。
僕はデブリーダーに一瞬で近づき、首筋をチョップした。
ぶひっ、と鳴きながら豚リーダーは気絶した。
本当に首筋叩いたら気絶するんだな...。
たったった、っと後ろから誰かが走ってくる音がした。
後ろを見てみると、40代ぐらいの男性が護衛とともにこちらへ走ってきた。
豪華な服に、尊厳のある顔。金髪に王冠をかぶっていた。
...ん?王冠?
もしかして...。
「先ほどは助けてもらい感謝する。
私はこの国の王、フィロス・ガイドラル・ピスティである」
やっぱりかああああぁぁぁぁ!
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そうして今に至る。
そのあと、王都に案内してもらって色々とこの国の話を聞いていた。
もちろん異世界から来たなんて話していないけど。
とはいえ、異世界来ていきなり貴族とは...。
人生何があるかわからんのう。
「ではそなたに伯爵位をさずける」
おっと、そろそろこっから出ていくか。
「では失礼します」
僕は早々に出て行った。
城から出るときに屋敷の場所などが書いてある紙とお金をもらった。
重いな。いくら入っているんだろう。紙に書いてあるかな。
えーと、980,000,000カラーか。日本円でどのぐらいなんだろ。
ちょっと店を見てみると、紙が100枚で1000カラーだった。
10カラー=1円ぐらいかな?
とすると、98,000,000円...多いわ!
いや、ありがたいけどね!異世界来て早々にお金持ちになったぜ。よっしゃ。
色々考えていたら、僕がもらう屋敷へ着いた。
あー、まあ想像はしてたけどでかいわ。
敷地としては小学校より二回り小さいぐらいで、その敷地の三分の二に豪華な屋敷が建っていた。
「まあ、中に入ってみるか」
中へ入ると玄関部分はロビーのようになっていて、正面の大きなドアを開けると半端なく広いリビングダイニングだった。
三階建てで、部屋数は30とかいう一人暮らしには無駄すぎる豪邸であった。
ま、いいんだけど。
そういや僕の爵位って何だっけ?
えーと、確か爵位って高いほうから『公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵』だったな。
紙に書いてないかな?
お、あったあった。伯爵か。
て、おい。いきなり伯爵とか大丈夫?
まあ、ありがたく受け取っておこう。
じゃあ、異世界生活を始めようか。