冒険者の学園
二話目です。
学園の始まりと言いますか、この世界の歴史的なものをほんのちょっとだけ書いてみました。
と言ってもまだまだ説明不足でなのんこっちゃみたいな感じになってしまうと思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
過去編なんかもやれればいいなー。
この世界には冒険者という職業がある。
はるか大昔、大地には魔獣が、人里離れた土地には迷宮や宝の洞窟、そんなものがこの世の中には溢れていた。
しかし、どれだけ数多く溢れていたとしても数には限度がある。魔獣は狩りつくされ、迷宮は全て攻略済み。
冒険者はその数を減らしていきその役割を終えていく…。かと思われたその時!開いたのだ。異世界へと続く扉が。
世界の至る所に異世界に繋がる時空の裂け目が現れた。なぜそんなものができたのか、これは人為的なものなのか、それとも自然にできたのか、何もかもわからない状態だったが人々は歓喜した。先代達がやり尽くし、自分達が夢見た冒険ができる!そんな思いを胸に裂け目へと手を伸ばした。そこに何が待っているかも知らずに…。
この世界の住人が初めて向かった異世界は、一言で言うならば、地獄だった。
街は燃え、煙が巻き上がり、どこかで爆発音がしたかと思えば、人が吹き飛び、そして、死んだ。
彼らは知ったのだ。冒険とはなんなのか、冒険とは命のやり取りなのだと。
多くのものが裂け目へと引き返す中、その場に留まり、異世界を見事救い出した者達がいた。たとえ冒険がないからといって何もしてこなかったほど人間は甘くない。来るべき時に備え、冒険者の学園もあったし、訓練所だって数多く存在していた。それでも逃げ出してしまったのは実戦の経験がなく恐怖に打ち勝てなかったのだろう。だがここに残った者達は違う。確かに彼らにも実戦経験などない。しかし彼らは誰もが昔、世界を救った英雄クラスの先祖を持つ者達だった。考える必要はなかった。彼らの血が問いた。この世界を救えと。
そして英雄の先祖は皆英雄となる。後に彼らは別々の地に自分たちの学園を作る。最高の環境を整え、また世界を救えるように…。
「ふあぁぁ〜、しっかし久しぶりに読んだな。この本」
訓練所に向かう途中、やっぱり明日から本気だそうと気が変わり学園をぶらぶら歩いていた時のことだった。透き通るような銀色の髪が目に入り銀髪好きの本能的な行動とでも言うべきかつい、後を追って図書室まで来てしまった。扉を開けるとそこには誰もいなく変だなと思いつつ部屋に入ると、誰かが戻し忘れたのかさっきの本があった。なんとなく開けてパラパラと読んでいたのだが、いい加減飽きた、なんでこんなものを読んでいたのだろう?そして結局あの素晴らしい銀髪娘はどこに…
「なにかわたしに用でも?」
「うおっ!」
目の前には僕が追っていた銀髪美少女がいた。
「いや、用という程でもないんだけど」
「ならなんでわたしを追いかけてきていたの?」
うーん、ここは真実を言うべきなのか、冷静に考えてみると銀髪に目を惹かれてついてきたなんていくら何でも変態すぎる。ここはどうするべきか…。
まあ、いいか僕は考えるのを放棄した。
「その実に素晴らしい銀髪を無意識に追いかけてしまっていたんだ気に触ったのならごめん」
「ふーん、つまりあなたはあれね、ヘンタイって奴なのね」
おっと、なんだこの子は顔色一つ変えずに、そこはゴミを見るような目つきをする所なのに変わった人だ。
「あなたに変わってるなんて言われるとなんだが癪だわ」
「あれ、口に出してた?」
「うん、小さい声だったけどわたし、耳はいいから」
「そうなのか、これからは気をつけるとするよ」
そうは言っても落第したらこれからというものは無くなってしまうよな流石に特訓をした方がいいな。
「それじゃあ僕はこの辺で、これから訓練所で特訓があるから」
「そろそろ訓練所は制限がかかるけどあなたもしかしなくても成績不振者なの?」
「うん、そうだよ。総合評価Dの落ちこぼれさ」
「そう、わたしも評価D+のギリギリにいるわ」
「そうなの?真面目そうだと思ってたけどそういうわけではないんだね」
「まあ、色々事情ってものがあるの」
「ふーん、そうだ良かったら一緒に特訓しない?」
「やめておくわ、今日は図書室で調べ物をしたら寝るつもりだったから」
「そっか、なら残念それじゃあね」
「えぇ、まあがんばって」
「ふふ、お互いにね」
そう言って僕達は別れた。
この出会いはこれから先、2人にとって意味のある出会いだったとはこの時はまだ誰も知らない。
はい、ヒロイン登場ですね。
彼女にはちょっとした過去があるのですがそれはまた別の話ということで。
名前はもうちょっとしたら出しますよ。(まだ考えてないとかそんなわけないじゃないですかあらやだ)