落第は唐突に
1話です
「それじゃあ今日の授業はここまで。委員長」
「起立、気を付け、礼」
「「ありがとうございました」」
「んじゃ、午後の演習あるやつは頑張れよ」
そういって先生は教室を出ていく。
「あ、雄太ちょっと来てくれ」
雄太とは僕のことだ、呼び出しの理由はわかっている。憂鬱だと感じながらも先生のもとへ向かう。
「おい、また雄太呼び出しかよ、はっはっは」
「やかましいわ、先に演習行っといてくれ隼人」
「りょーかい。いってらー」
軽く手をあげ先生の後ろをついていく。
「なあ雄太お前このままだと進級できないぞもっとやり方を考えたらどうだ?」
廊下を歩きながら先生はそう告げる。
「そうは言っても今のやり方が自分にぴったりと言いますか」
「はあ、まったく自分のやり方を突き通すのはいいことかもしれないが度が過ぎるとこの先苦労するぞ」
「まあ善処しますよ」
「ほんとにわかっているんだろうな」
そんなことを話していると職員室に着いた。
「これがお前の通知表だ」
ほぼオール3、たまに4があるくらいの成績だ。
「全く問題がないと思うんですけどね」
「まあそこそこの成績でも進級できない可能性があるのがこの学校だからな」
さっきの成績は通知表の左半分に書かれていた成績だ。問題なのは右半分。
「全くなんなんだお前のステータスは」
「僕は1つを伸ばしていくのが好きなんですよね」
右半分に書かれたものは
ステータス
HP:230 評価E
SP:470 評価D
ATK:85 評価D
DEF:27 評価F-
MEN:63 評価E
DEX:278 評価C
CRI:98 評価D+
そして1番目を引くのが
AGI:978 評価S+
総合評価D
「………。」
先生と僕との間になんとも言えない微妙な空気が流れる。
「わかっていると思うが総合評価B未満は進級ができない最悪落第だぞ」
「そうですよねやばいですよね」
「まあなだがお前の場合は異質すぎるんだよ。総合がDのくせにまだお前以外には誰もいない個別評価S+を獲得しているからな」
「あはは、褒めても何も出ませんよ?」
「これは呆れているんだバカタレ」
まあそれは無理もないことだ僕は入学してから今までほとんどを敏捷力にステ振りしてきたんだから。
「ちなみに落第が決定するまでにどれくらいあるか知っているか?」
「わからないです」
「再来週だ」
あらーこれはもうだめですね。さらば2年生の生活また会ったね1年生の生活。
「そんな世界が終わったような顔をするな。そんなお前に朗報だ」
「まさかこの事態を脱却できる素敵プランがお有りなんですか?」
「まあな、これを見たまえ」
そういって先生は僕に1枚の紙を渡してきた。
それをひととおり見た僕は
「えーっとつまりどういうことでしょう?」
「なんだったんだ今の時間は」
「いやすいません、いちいち難しい言葉ばっかり使ってて読むのめんどくさくなっちゃって」
「お前の進級にかかってるんだからちゃんとしないか、ったくいいか1回しか言わないから聞いとけよ」
「はい、ありがとうございます」
先生が言うには
総合評価がB未満の者は落第が決まる2週間前つまり今日のことだ。その日に担任の先生に僕以外の人も呼び出されているらしい。そして同じ話を聞かされているらしいけど
「落第が決まった翌日に該当者は集まってとある試験を受けてもらうその試験に合格すれば落第しなくてすむということだ」
「なるほど、でもなぜわざわざ2週間前にそんなことを?」
「それはお前と違ってあとちょっとで合格に値するものにそういう警告を行って試験を回避させるためという理由と、あとは試験回避できそうにないもの達に少しでも自身を強化して望んでもらいたいということだ」
「つまり僕は今から死にものぐるいで強化しまくれってことですね」
「そうだそのために該当者の者達は訓練場の時間制限を解除してある。まあせいぜい頑張ってくれよこう言ってはなんだが私はお前を結構気に入ってるんだ」
「ありがとうございます先生。僕も先生のこと結構好きですよ。なんでずっと独身なんでしょうね?」
「さあな、さて余計なことをいう口をこのホッチキスでとめられたくなければさっさと特訓してこい!」
僕は先生から逃げつつ
「わかりましたよ先生!そうやってすぐに手を出そうとする性格のせいですね!」
「さっさといけ!」
「失礼しましたー!」
僕は脱兎のごとくこの場を後にした。
「ふふふ、全くあいつはほんとに退屈しないやつだ……。がんばれよ」
そんな応援を耳にすることはなく訓練所に駆け出した。
説明なんかは次の話でしますよ!
ヒロイン早く出したい…。
ステータスにDEX追加しました。
落第基準をB未満に変更しました。