転生
私たち姉妹は、乙女ゲームの世界へと転生した。
「転生」
私はこの言葉を、今の今まであまり実感できなかった。転生なんて、目で見たことも無いし、体験したこともなかったのだから。
キキーーーーッッドンッッ
青の信号機が、赤に染まった瞬間だった。居眠り運転のトラックが突っ込んできたという悲惨な事故。私たち以外にも、何人もの人達が亡くなったらしい。
トラックに跳ねられた直前、私の目には、妹が映っていた。今までに見たことが無いほど、彼女の顔は辛すぎて、辛すぎて…私は怖くて目を瞑った。衝撃と共に襲いかかる痛みに苦しみ、薄れ行く意識のなかで私は思った。
…死んだら、目の前が真っ暗になって、物を見ることも、触ることも、歩くことも、喋ることも。全部当たり前に出来ていたことが出来なくなるんだな…
そうして、私はゆっくりと意識を手放していった。
…ここ、は…
気が付けば、私は大きなベッドに横たわっていた。
「…?ここ、どこ…私、助かった…の?」
ゆっくりと起き上がった。頭が少し、ズキズキと痛い。私は辺りをキョロキョロと見渡した。…妹の姿が見当たらない。んー。
ここは、病院では無さそうだ。豪華そうなクッションを下に、フカフカの枕が一つ。毛布もフワフワで、女の子が憧れそうなカーテンがベッドの周りに合計四つ束ねられていた。
本当にどこだここ…。?あれ、こんなにフリフリのパジャマ持ってたっけ?ネグリジェっぽい。!?あ、今更気づいたけど、手とか小さくなってる!!!こ、これは…
私は唾をゴクリと飲み込んだ。
まさか、小さくなった夢を見てるんじゃ…!?…じゃあ、もう少しこの時間をエンジョイしても良いんだよね…良いんだよね!?だって夢だもん!よーし!二度寝しちゃえー!!!
これが、転生したと気づく前の私の単純な考えだった。このあと、大変なことになろうとも知らずに…
はい!初めましての方は初めまして!夜桜と申します!今回の作品は、私の前作「え?こんにゃく破棄?何ですかそれ?」の姉視点となっております!ヾ(o´∀`o)
前作のURL↓
http://ncode.syosetu.com/n0892db/
しかし、色々と連載作品が沢山あるのと、現実の方で忙しくなってきた時期でもあるので、少しずつゆっくり投稿していきたいと思っています。
この作品で、少しでも楽しんで頂ければ嬉しいです!