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ドーモ、ゲストさん。ここは異世界です

またまた別の人です

「なんですぞ!!」


 その太い男の名は佐倉(さくら) 大介(だいすけ)

 モン娘・イン・アナザーワールドに関連する動画投稿者として有名な人物だ。ちなみに過去投稿した動画名は"初心者のためのモン娘・イン・アナザーワールド講座"、"よくわかるモン娘バトル"、"ドラゴン娘とのデート日記"などである。ユーザーネームは"モンムスぺろぺろ"、モン娘にはマスターと呼ばせている。


 この男もまた招待チケットを得たものである。ここから招待チケットを得たものをゲストと呼ぶ。

 

 「岩山?周りに見えるのは岩ばかり「マスター!」ひょえー!?」


いきなり抱きつかれた。リアル女子どころか実妹にすら避けられている自分が、しかも感触は豊満ボディ


 「何者ですかー!」


一旦離れて抱きついた人物を見る。彼女の髪は桜色、少しつり目気味のピンクの瞳、両腕と両足は薄い桜色の鱗が張り付いている。そして二本の角と翼。紛れも無くマイパートナー(ドラゴン)である。


(これは一体どういうことですか、夢?現実?ゲームのやり過ぎで幻覚が見えているでござるか)


 「もしかしてブロッサム?」


 半信半疑で名前を呼んでみる


 「うん、そうだよマスター」


 肯定された


 モン娘とのコミュニケーションモードではメールでやり取りしているので声を聞くのは初めてだ。

 

 「良いロリボイスですぞ!、ナイスボディからのギャップ萌えぇぇ!!」

  

 魂の叫びである。普通の女子がこの反応を見たら、なにこのデブきもいと思うことは確定だろう。しかし、ブロッサムは特に気にしてないようだ。


 「マスター、大好き」


 二度目のダイブである。


 ところで、モン娘には戦闘に直接関係しない親密度というステータスがある。ランク10が最高であり、ブロッサムはランク10。要するに最高に懐いているのだ。

 

 彼はブロッサムとの触れ合いを十分楽しんだ後、この現状について聞いてみたが「わからない!」と元気よく答えられたので別の場所に行ってみようと考えた。


 ふと右腕を見るとなんと「拙者のスマホが右腕に埋め込まれている…」


 とりあえずスマホを起動してみた。するとその画面にはインストールした覚えの無いアプリのみしか表示されていなかった。

 

 アプリは5つ、アナライズ、サモン、コール、バトル、アイテムである。


 あまりにも異常な事態が続いたため思考停止状態になった彼はとりあえず歩いてみることにした。


 しばらく歩きたいした高さではない岩山を超え、遠くに見えていた丘の天辺に辿りつくと町が見えた。


 「うーん、広大なフィールドに町、これはもしかして自分は選ばれた存在でモンアナ(モン娘・イン・アナザーワールドの略)の世界を救う勇者だったりして。くうぅ燃えてきましたぞ!」


 妄想が炸裂している。


 勢いづいた彼とブロッサムは全力で町まで走った。

 

 「止まれ」


 町の門で衛兵らしき人達に止められた。彼らの格好は一般的なファンタジーの西洋風兵士である。


 「拙者は怪しいものでないでご・ですよ」ととっさに答える。(止まれ?言葉は通じるようですな)


 「魔物を連れてるやつが怪しくないわけないだろう!」


 明らかにこちらを敵視している。ここがモン娘・イン・アナザーワールドの世界だったらユーザーを意味するモナリストだと思われてないとおかしいはずである。

 これは考え違いをしていたようだ。どうにか説明して誤解を解こう、


 「え」隣のブロッサムは驚愕している。


 彼の胸に矢が刺さっている。血が噴出している。下手人は衛兵達の後ろにいた。

 

 その人物、アレックス・ロビンフットはいわゆる冒険者であった。職業はアーチャー、この町周辺では鷹の目の射手という異名で知られている。


 彼は魔物を連れて町に全力疾走するところを見ていた。この世界には召喚士(サモナー)という職業がある。全うなサモナーは町に入る時、召喚した魔物を連れて町に来たりはしない。


 そんなことをするやつは決まって人間の常識を知らないもの。魔物が化けていると判断したのだ。


 結果的にその判断は間違えだった。


 その日、この町は壊滅した。たった一匹のドラゴンによって

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