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猫耳少女の素敵異世界勇者録  作者: apricoap
黒の勇者が旅立つまで
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レベルの上げ方とちょっとした発想の転換

どきどきしながらアクセス解析を見るのがこんなに楽しいと思わなんだ

ストックがなくなるまで投げ込みたくなる衝動を抑えるために一つだけ追加投稿

そんなわけで僕は戦士ファイターになれたわけだ。


うん?裏技は何なのかって‽

しょうもないオチだけどいいのかい?


能力値が足りないなら一時的に能力値を強化する魔法をかけてもらえばいい。

そのためにも魔法を使えるシスターに頼んだわけだ。


シスターはいろんな意味で神殿一だからね。

だからよほど能力値が足りてない限りは大丈夫だって思ってた。

それでも足りない可能性はあったんだけど結果オーライでシスター様様だ。


でも後で聞いたことだけどこの方法は僕が最初に気が付いたわけじゃなくて、結構一般的に行われていたらしいよ。

職人クラフトの家がどうしても自分の息子に秘匿する技術を伝えたいときとかね。

自分が思いつくような裏技は大体先人が思いついているようなものだということを改めて思い知ったね。

でも役に立ったから俺様天才の部分はやさしく聞き流してくれるとうれしいかな。



ああ、なんで戦士ファイターに固執していたのか詳しい理由が知りたい‽

 

一応もっともらしく言ったけど要は消去法さ。


僕の種族は獣人じゃないけどベースに混ざっているせいで魔法に対する適正が低いから戦力が基本的に魔法頼りの『学者』は論外。


僧侶モンクは賭け事師ギャンブラーの前提条件に引っかかってしまうから着けない。


サブの補助付きで職人クラフトを活用するぐらいなら同じ芸人アーティストの方が黒の神様の祝福分ましだ。


その点戦士ファイターは筋力などが上昇しやすいからメインだけでも戦闘する時にある程度役に立つ。


足りない部分は気合いで補えばいいしね。



……ふふぐあははは、そんな驚いた顔をしないで。

冗談だよ、冗談。


本当は足りない部分を補うのは気合いじゃないんだ。

もうちょっと現実的なものさ。













「九十七、九十八、九十九、百!!ふぇい!!」


レベルアップの開放感に身を任せながら手に持っていた木剣を放り投げ草原に寝っ転がる。

ここ一月の経験上からの計算通り、素振りのちょうど100回目にレベルが4に上がった嬉しさをこらえきれず満足げに笑う。


「ミーアちゃん頑張るね~。はいお水」

シーアから差し出されたコップを一度上半身だけ起こして受け取り、んぐんぐと飲み干した後改めて寝っ転がる。


レベルが上がった影響か体に力があふれが疲れを忘れることができた。

忘れているだけなのでたぶん気を抜いたら一気に押し寄せてくるだろうが。


戦いに備える行為も経験値となる戦士ファイターのレベル上げは疲労感を伴うものなのだ。


そんな苦労をしている俺と違って隣いるシーアは芸人アーティスト賭け事師ギャンブラー遊女ヘタエラという娯楽もつかさどる黒の神殿のスタンダードな構成の一つと言える。


「ありがとう、生き返ったよ」


「大げさだなあ。こっちのレベルも上がるからお互い様だよ」


答えながらシーアが一つ流し目を送る。


芸人アーティストは魔物とかを倒す以外にも他人を喜ばせることで経験値を手に入れられるいいクラスだ。


俺が勇者で魔王を倒さなければならないのじゃなければ楽にレベルがあげられるそちらのクラスにしたのに本当に残念である。


「今のどうだった?」


「うーん、もうちょっと崩したら‽慣れてなさそうな感じのほうが純真さを売れると思う」


「なるほど~。要鍛錬だね」


前世と今世の経験を合わせて答えやる。


まだ幼いという形容詞がふさわしいような子がするような目じゃないなという気持ちもあるが、黒の神殿ではこれが普通である。


遊女とか娼婦は神聖な職の一つなのだ。


「でも、このままじゃあ冒険者になることを認めさせるのは遠いなあ」


ただ倍々算の要領で必要になっていく経験値を素振りだけで稼ぐのはそろそろ限界だという気持ちが大きい。

何か新しい方法を考える段階になってきたなと思う。


「なんで急に冒険者になろうと言い出したのかはわからないけど私は今でも反対だよ」


「もう戦士ファイターになっちゃったし、ずっと孤児院に迷惑はかけられないよ」


「用心棒になればいいじゃない。そして私の所に通えばいいのよ。ミーアちゃんなら友達価格でいいわよ」


もう一度流し目。


今度は俺がさっき言ったようにあえて慣れない様子で少し遅めに行う。

なんだこの子末恐ろしい。



「そんな不毛なこと言わないでよ」

つか金はちゃんと取るのかよと心の中でもう一言付け加える。


「『愛こそが最も重要なものなり』でしょ?」

今度はいたずらっぽく年相応の笑みを顔に表して黒の神様の教義の一つを言うシーア。


「確かにうちの神様はアブノーマルな愛推奨だけどさあ」


ほんとに同性だろうが兄妹だろうが異種族だろうが関係なくすべてが許される。


ちなみにこの異種族というのは子をなせないレベルの差でも許されるのだから驚きだ。


うちの神殿では『鬼』と『自動人形』という何かよくわからんものまで超越した存在すら結婚式を挙げることができる。


ちなみに美男美男のお似合いのカップルだった。



「まあ冗談はさておいて……」


「冗談じゃないんだけどなあ」

おい怖いこと言うな。


「さておいて!手っ取り早く強くなる方法はないものかな」


「そんな方法あったらみんなやってるよ?」

そりゃそうだ。


「そうだけどね。強くなるまで魔物を倒しに街の外に出ることすら禁止されるとそういう方法にも縋り付きたくもなるよ」

腕を組んで唸る。


元々の予定ではコツコツと最弱の魔物とかを時間をかけてもいいから倒すことである程度レベルを上げる予定だった。


そうすることで仲間と合流を目指せる程度のレベルを確保する。


そしてだれか一人仲間と合流さえできれば、良く言うと協力してもらって、悪く言うと寄生して実用範囲までレベルを上げる予定だったのだ。


そもそも魔物を倒すために外へ出ることすら許されないとは思わなかったので計画は全部崩壊だが。


「サブクラスはもう二つともマスターしているしあと強くなる方法は戦士のレベルだけなんだよ」


いい意味で計画が崩壊したことも存在する。

それがサブクラスの思っていたより大幅に早いマスターの件でこれは本当にうれしい誤算だった。


ちなみにマスターの方法は両方違う。


祈るプレイヤーは純真無垢な祈りをしていた10年分の経験値が入って所得した瞬間マスター。

記憶の戻る前の信心深い自分に感謝である。


賭け事師ギャンブラーはリスクが高ければ高いほど、そして運に任せる割合が高いほどに入る経験値が高くなることからリスクの高い運に任せた勝負をすればいい。


そこでシーアに明言を避けながら頼み込んでちょっとお互いに生殺与奪とか奴隷にする権利を賭けた勝負と自主的な権利の放棄を毎晩繰り返していたらすぐにマスターした。


俺だったら急いでレベルを上げる事情がなかったら他人に命を握られるとか絶対に取りたくない手段なのにじゃんけんに命を懸けるような勝負をうんと二つ返事で賛成してくれたシーアには本当に頭が上がらない。


でもなぜか最初の勝負で権利の放棄をしたときに少し驚いていたように見えたのは精神衛生上勘違いだと思いたい。



ただいくらサブクラスをマスターしてもこの世界の仕様上だいたいの能力値はメイン職の種類とレベルに種族ベースから算出できるので戦闘用スキルが手に入る以外に意味はない。


簡単に言うとメインクラスのレベルが上がらなければ劇的に強くなることはないということだ。


「街の外に出るためには魔物を安全に狩れることを証明できるぐらいには強くならなきゃなあ」

そのレベル上げのためには街の外で魔物を狩りたいから完全なジレンマである。


「安全に街の外に出ることを認めさせる方法だったらあるかも」

「えっ。どんな方法!!」


思わず上半身を起こし、シーアの方に身を向ける。

そんな方法があるならどんな荒唐無稽なものでも聞く価値がある。

それが思わぬ状況の打開につながるかもしれないからだ。


「護衛を雇えばいいのよ」


そして何でもないことのように答えたシーアに対して俺はある意味想定外の答えに顎を落とした。


一文のためだけにつけられたBLタグ

なおGLタグは全文にかかっている模様

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