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この恋、終わらせます。  作者: 紫野 月
2/22

 さて、半年に渡る苦悩の末、重大な決心をした私こと佐藤結花ですが、どうしたらいいのか絶賛思案中です。


 彼氏様と別れると決めたのは、春麗らかな頃でしたが、今現在梅雨を通り過ぎ夏に突入です。

 えっ、この数ヶ月何してたかって。さっさと別れ話を切り出して、とっとと終わらせればいいだろ! って、ちょっと待ってください。

 いいですか。彼氏様はこの大学きってのアイドルなんです。誰からも好かれる好青年なんです。そんな御方を凡人の私から振るなんて、そんな恐れ多いこと出来ません。

 それに、そんな噂が構内に広まれば、私はきっと学生どころか教授陣からも総スカンを食らいます。皆の冷たい視線にさらされるなんて、チキンな私には耐えられません。

 あと一年で卒業だというのに、中退なんてしたくないしね。



 だから、彼氏様から振ってもらおうと、色々やってみたのですよ。

 待ち合わせに何回も遅刻、時にはドタキャンしたり。二人の記念日にわざと予定を入れてデートを断ったりしたけど彼氏様は「しょうがないなぁ」と言って笑って許してくれるんです。

 あと、ドライブに誘われた時、女友達を数人連れて行って車内で女子トークして盛り上がったりとか。 女子会の後お酒に酔っ払ったからと深夜に呼びつけてアッシー(古い)君みたいな事させたりしても全然怒らないんです。私的には随分酷いことしてるつもりなんだけどなぁ。まだ足りないのだろうか?彼氏様、心が広すぎです。


 ということで、これはやっぱりウ・ワ・キとやらをするべきだろうか。

 でもねぇ。彼氏様が素晴らしすぎて、他の男性に魅力を感じないんだよなぁ… スミマセン、ものすっごいノロケました。

 うーん、これは修羅場になる確率が高い。私の“振られよう計画”の為に第三者を巻き込むのも気が引ける。でも、有効な手段なんだよなぁ。


 悩むこと数日、私は“いろんな男性に目移りする浮気性な女を演じる作戦”を思いついた。

 他の男性に見とれちゃったり、さりげなくボディータッチをしてみたり。あの人素敵!この人カッコいい!的な話を、彼氏様にするのだ。

 これなら相手の男性に非はない。

 私一人が悪者になるだけだ。

 我ながら名案!


 まず、手始めに私の専攻する海洋生物学の講師、二宮和臣先生をベタぼめすることにした。

 二宮先生は彼氏様のようなキラキラオーラは無いが、なかなかのイケメンさんである。年齢は多分三十歳前後。海洋生物にかける情熱はとても素晴らしい。一般常識が少しとんでる所もあるけど、研究一筋って感じで尊敬できる先生だ。この人ならいくらでも誉められる気がする

 という訳で、早速実行に移した。






                                      ―――撃沈しました。

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