弱者の迷宮4 地水火風~解答編~
短いです。
「まず解答は数字、それは決まりよね」
「そうだな」
テンキーでは数字しか打てない。まさかこのテンキーを使って数字じゃない答えを導き出せとはならないだろ。
魔物全部倒してきたから「37564」が正解か?
「次に考えるのは地水火風、四大元素と最初の数字3ね、それに風の部屋が無かったことも気になるわ。そもそも風は轢くって何かしら、風は吹くものでしょ」
「3ってのは部屋の数かなちょうど3部屋だったし」
まず問題文が《地は割れ、水は増え、火は駆け巡り、風は轢く。始まりの数は3である》
そして3つの部屋。
1部屋目はフレイムスライムが3匹。
2部屋目は水の部屋、そういえば魔物の名前は知らないが魚型の魔物が5匹。
最後の3部屋目にはロックボールが5匹。
それら全て退治して今この場に居る。
水の部屋でミニッツは魔物の名前の確認はしなかった。
つまり名前は関係ない?あるのは属性かな。
それを考えると。
最初の数字3。
火属性の魔物3体。
水属性の魔物5体。
地属性の魔物5体。
おそらく必要なのはこの情報だろう。
この属性はおそらく別の何かを示しているんだろうな、単純に火は火を意味してないんだろうな。
スイと二人してこの階層の答えを出す為の考えをお互いに口にする。
答えの解っているだろうミニッツは会話に参加したい様子で何か言いかけるが下手なことはヒントになるかもと口ごもってしまう、と行ったことを繰り返している。なごむ。
「うーん、分かんないわ。私はお手上げ」
「候補はあるけど決め手に欠けるんだよな」
「どんな?」
「「37564」とか」
「流石にそれは無いと思うけど・・・」
「そうだよね」
一番の気になる部分は「風は轢く」だな。
結局部屋は無かったし文章も意味が分からない。風は吹くものだよな。
轢くにする理由があるんだろうけど・・・・・・轢く?
「轢」じゃなくて別の漢字を当ててみれば・・・。
使われている言葉や漢字を別のに変換するのはこの手の謎解きなら基本じゃないか。
「そうか。解った」
「え?解ったの?」
ディスプレイの前で待っていたミニッツの下へ向かう。
「どう答えは解った?」
「多分な、答えは10だ」
その答えを聞いたミニッツは何も答えず、振り向きテンキーを使って答えを入力する。
《10》
そう入力したところで右側の壁が動き下の階に向かう階段が出現した。
「正解、流石ね」
「問題見た時点で解ってたミニッツに言われてもな」
「誉めてんだからそこは素直に受け取っておきなさいよ」
ほぼ最初から答えが解ってたミニッツに誉められてもな。いや、嬉しいけどね。
「ねえ・・・」
「なんだ?」
「二人だけでわかってないで私にも教えなさいよ」
「それもそうね、じゃあ移動しながら解説するわ」
通路を抜け、下へと向かう階段を下りながらミニッツが解説をしてくれる。
「簡単に言えばこの階層の問題って四則演算なのよ」
「四則演算って足す引く掛ける割るってやつ?」
「そうよ、四大元素地水火風をそれぞれに当てはめれば答えは出るってわけ。
地は割けは割り算。火は駆け巡りで掛け算。水は増えは足し算。風は轢くで引き算ね
後は出現した魔物の数が数字になるの、一部屋目に火属性の魔物が3匹だから掛ける3って感じね
それに始まりの数字になる3から始めると、この階層での問題はこうなるわけ」
3×3+5÷5=10
「ポイントは「轢く」の部分ね。ここの違和感から広げていけば答えは自ずと出てくるわよ」
「答えを聞かされれば、なるほどとは思えるけど・・・」
まあ、問題見たところでそこまで行き付くのは普通は無理な話だよな。
「それより次の階に着いたみたいよ」
階段を降り切るとそこには扉があり、やはりそこには問題が書かれていた。




