ダンジョン4 墓
スケルトンの武器をよく見てみる。
まずスケルトンが持っている武器にしてはキレイすぎる。
サイトのスクリーンショットで見た他のスケルトンの武器は持ち主のスケルトンと同じ様に朽ちている物を持っていた。
次に近くで観察した時うっすらと黒いオーラ状のものが出ていた。
おそらく暗闇を封印した時に見えるやつだろう。
最後に弱点看破、実は赤い線は持っている武器にも見えるのだ。
これは昨日段階で確認出来ていた事で当てられたら武器破壊状態にでもなったのかも知れない。
残念ながらまだ武器への攻撃は成功していない。
その弱点看破で見たところスケルトンの武器には弱点が見えなかった。
自分の持っている武器と同じ様に見えなかった。
封札による破壊不可属性が付いているのかもしれない。
尤も自分の装備の武器だから見えてない可能性も在るけどね。
この事からスケルトンの武器は封札武器と見て間違いないだろう。
「師匠どうしました?」
どうする話すべきか。
この事実がどういう事なのか正直判らない。
運営の気まぐれでここのスケルトンが偶々持っているだけなのか、それとも封札士に関係する場所なのか。
「師匠あのー」
そういえばここに墓が在るんだよなもしかしたら何か解るかも知れない。
何のイベントも起きない様だけど調べるだけ調べてみよう。
「うぅ・・・師匠に無視されてます」
「師匠との絆に支障が出たんだね、儚い絆だったね。墓部屋だけに」
「儚くありませんー支障出てませんー」
墓は奥だったよな。
「センさ~ん、起きなさ~い」
「ぐふっ」
リンドウのボディブロウが見事に決まった。
スケルトンには注意してたけどまさか味方から攻撃されるとは。
「・・・リンドウ、何をする」
「センさんが一人考え事に集中し過ぎてたので一寸注意をと思いまして~」
「ぐす・・・そうですよ、無視するなんてひどいです」
うわ、アンズがちょっと涙目になってる。
「すまなかった、少し気になることが有ったんでな」
「何が有ったのかしら、聞かせてみなさい」
アンズは同じ封札士だし話しても良いだろう。
ここで話さずに後で知られたら信頼されてなかったってアンズに泣かれまたリンドウに殴られそうだ。
いや、殴られるだけで済めば良い方かもな。
「実はここのスケルトンが封札士に関係があるかもと思ってな」
「ふぇ?封札士にですか?」
先ほどの武器に対しての考察を説明する。
あくまで推察からの仮説の段階と前置きをしてからだが。
「此処がですか?」
「まだ仮定だけどね」
「もしそうなら大発見じゃないかしら」
「でもどういうふうに関係あるんだい?」
そこなんだよな、この場所が封札士に関連があるとしてそれが自分達にどう影響があるかが重要だ。
一番考えられるのが状態異常剣のヒント。
ここのスケルトンの武器を見て状態異常剣を作るプレイヤーが出るかもしれない。
「それは無いですね~」
「無いか」
「無いで~す、ヒントにしては解りにくいです」
「そうなるとやはり墓を調べるか」
奥に目を向ける。
墓部屋と名付けられた理由となるオブジェクトが見える。
「では行ってみましょ~」
「良いのか?ここに来たのはリンドウのRUクエのためだろ」
考え込んでしまった俺の台詞じゃ無いのかも知れないけどな。
「封札士に関係あるならアンズちゃんとも関係あることですしやって損無しです~」
それなら良いけど。
リンドウの了解も得たし奥に向かう。
スケルトンはアクティブだがゴーレムはノンアクティブ、それに互いにリンクしないのでスケルトンにのみ注意して進む。
これがその墓か。
特に変わったところのない石碑だな。
表面に名前の様な溝が彫ってあるぐらいか、こいつが墓と呼ばれる由縁かな。
「変な所は無いですね」
「そうだな、他のオブジェクトと同じだよな」
ターゲットは出来るか。
「タゲは出来ないわね」
「ターゲットは出来ますね」
「え?」
「ターゲット出来ませんね~」
「ボクも出来ないよ」
4人の視線が集まる。
「俺は出来るな、つまり封札士ならタゲれるわけか」
「そのようですね~」
ターゲット出来るってことは何かスキルを墓にすればいいのだろうか?
封札士のスキルと言えばあれだな、懐から一枚の空札を出して墓に向かってスキルを発動させる。
「封印」
さあどうなる。
急に暗くなったと思ったら別の所に転移していた。
目の前には一面の星空が広がっている。
いや、一面どころじゃないな、足下にまで星空が広がっている。
周りを見回しても上下左右360度全てが星空だ。
本来なら綺麗だと感想を述べるところなのだろうが、逆に薄ら寒い感情になる。
「きゃぅ、いたた」
「アンズ?」
「あ、師匠」
アンズもやってきた、着地に失敗したらしくおしりを抑えながら近寄ってきた。
「師匠ここどこですか?」
「俺も今来たばかりだからな、わからん」
「おや、客人とは珍しい、それも二人とはのぉ」
振り向くとそこには一人の白髪の老人がいた。
年はおそらく70代を越えているだろう、だが腰はまっすぐ伸びており老いを全く感じさせない。
「師匠、さっきまで誰も居ませんでしたよね?」
そう、周りを見回したときたしかに誰も居なかったはずなのだ。
「おや、最近の若いもんは挨拶も出来ないのかい、嘆かわしいねぇ」
「失礼しました、私はセンと言います。封札士です」
「あ、私はアンズです」
「はい、良く出来ました、僕はフウオウと呼ばれている気軽にフウさんとでも呼んでくれ」
「はぁ・・・」
まずはここがどこでこの人が何者か知らなくてはいけないな。
「うんうん、前途有望な若者が二人も来るとはね顔を見たいけど僕は目が見えないんだよ、だから少しその目を借りるよ」
え?今なんて?
老人が札を取り出した瞬間目の前が真っ暗になった、暗闇の状態異常だ。
暗闇と言っても完全に見えなくなるわけじゃなく、周りが暗くなりうっすらと視界の中央部分のみモノクロで物が見える状態になる。
「師匠大丈夫ですか!?」
「おうおう、やはり良い面構えじゃ、それに目も良いのう」
どういうことだ?目を持ってかれたって言うのか?
訳が分からない。
「ほれ、目を返すよ」
老人の言うとおり視界が元に戻る、今のは一体何だ?
「将来が楽しみじゃわい、だがまだ早いのぉ」
「早い?」
「そうじゃまだ早い。もう少し修行してから再び来なさい、資格が有れば試練を与えてやろう」
「試練とは」
「ほれ戻れ」
老人が手を叩くと目の前が暗くなり、元の洞窟に戻されていた。
「アンズちゃん、センさん!」
「戻ってきたのね」
3人は俺達が消えてからずっと待っていたらしい。
「心配かけたな」
「そうですよ~急にセンさんが消えるしアンズちゃんも同じように消えるし~心配したんですからね~」
「それで何か解ったの?」
「あぁ、実はな」
消えていた間の事を3人に説明する。
「老人ですか~」
「試練かも知れん・・・ふふふ」
「10点ですわ」
「ぐすっ・・・」
兎に角その資格とやらを手に入れてふたたびここに戻ってくるとこになりそうだな。




