ダンジョン3 ゴーレム
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ゴーレム。
ゲーム好きファンタジー好きなら必ず一度は耳にする名前だ。
人の形をした岩の塊。ゴーレムが今目の前に居る。
正式名称はパティアストーンゴーレム。
大きさは俺より頭一つほど大きいつまりモンド位の高さだが実際はもう少し有るだろう。
姿勢は所謂猫背のようで足が短く腕が太く長い、その腕を前足代わりに使っている。
分かりやすい例を挙げるなら足が極端に短いゴリラだ。
そしてその全身は固い石で出来ている。
人の頭ほどの石、この大きさだと岩か?その岩が歪な人の形に積み上がっていて部屋の中を動き回っている。
「先制攻撃です!はぁぁぁぁ!!」
ヒナゲシの一撃がゴーレムを捉える。
重たい一撃ではあるがゴーレムの頑丈さは筋金入りだ。
ゴーレムのHPは少ししか減らない、本当に硬いな。
弱点看破をするが弱点は水属性、使えるPTメンバーはひとりも居ない。
更にゴーレムへの攻撃にリンクしたパティアバットも天井から攻撃に参加してきた。
「解放」
「付与知力」
「光弾」
「やあ~」
パティアバットの担当は光属性攻撃の出来るアンズとゴーレムに対して有効な攻撃手段のないリンドウだ。
ゴーレムに対してはヒナゲシと俺が戦う。
ローズマリーはその両方のサポート、具体的にはゴーレムへの攻撃とアンズへのMP回復。
ちなみにヒナゲシは戦闘中にはギャグは言わない、そこはきちんとした道場に通う道場生。
戦っている時はふざけないように仕込まれたらしい。
おそらく一番大変なのはアンズだろう、何せパティアバットへの攻撃とPTメンバーのHP回復も担当しているのだから。
「光弾、リンちゃん危ない光輪回復」
「アンズ、こっちもお願い!」
「ふえぇ、光輪回復」
ヒナゲシは現実でも薙刀を習っているだけあってプレイヤースキルはかなり高い、それでも無傷ではいられないので回復は必要だ。
ゴーレムは硬いだけでなく力も強く腕が長いので攻撃範囲も広い。
同じように攻撃範囲の広い薙刀なので直撃は避けられている。
ただしゴーレムの攻撃方法は腕の振り回しだけではなく口?から石つぶてを飛ばしてくるのだ。
流石にこれは避わし切れずダメージをもらっている。
俺はゴーレムの背後から攻撃している。
弱点看破のお陰でクリティカル率は高いのでゴーレムの敵意を 引くがヒナゲシが巧みに攻撃を引きつけ反らす、そのためこちらにはほとんど攻撃は来なかった。
「斬撃」
「はあぁぁ!横薙撃」
ヒナゲシのスキルでゴーレムが崩れる。
ついでにバットも1匹巻き込んで倒していた。
この調子で2体目のゴーレムも倒していく。
「まだ2体しか倒してないのに疲れたよ」
「大丈夫ですかアンズ、魔力回復」
「ありがとう、マリちゃん」
ローズマリーのスキルでアンズのMPが回復していく。
「予想以上に硬いな、何か対策ないかな」
「ゴーレムの弱点属性はなんだったんですか~?」
「水属性だよ、誰も使えないかったよね」
「水属性を使った所は一度も見ず」
「一度戻って対策練った方がいいですかね~」
「方法ならあるわよ」
ローズマリーから提案が出てきた。
「確実に効率が上がるか判らないけどね」
「何かあるのですか~」
「この洞窟のさらに奥に行けば墓部屋って呼ばれている処があるの知ってる?」
聞いたことあるな、たしか洞窟の奥に墓のようなオブジェクトが設置されていいるけど何のイベントも起きず謎とされている場所だ。
「その墓部屋にも2体ゴーレムが出るんだけどバットの代わりにスケルトンが出るのよ、そのスケルトンから邪骨弾丸の触媒になる骨が取れるってわけ」
ローズマリーはゴーレムとの戦闘中は闇弾で戦っていた、これは触媒になる骨が無かったため邪骨弾丸が使えなかったからだ。
ローズマリーが主張するのは墓部屋でなら骨を補給しながら戦えるので戦闘の効率が上がると言うことだ。
「邪骨弾丸の方が闇弾より威力が高いし消費MPが低いのよ、邪骨弾丸で戦えばアンズへの魔力回復もしやすくなるわ」
「けどスケルトンなんですよね~」
スケルトンは当然のようにバットより強い、たしかに効率は上がるが代わりに敵も強くなる。
「ボクは賛成、人の形をしてるスケルトンのがやりやすいし、槍での戦いがやりやすい。あ、この槍は安くなかったよ」
「私は賛成かな、コウモリさん小さくて狙いづらいの」
「なら墓部屋に移動ですね~センさんそれでいいですか」
「あぁ、別にそれでいいけど」
「それでは行きましょ~」
洞窟のさらに奥に進んでいく、ここまで来る人は滅多にいないらしい。
しばらく進むと目的地である墓部屋に到着。
先ほどの部屋より少し広く奥の方に何かがポツンと在るのが見えるあれが墓かな?
部屋の中はゴーレムが2体とスケルトンが3体ほど要る。
正式名称パティアスケルトン、剣を持ったスケルトンで比較的強い部類に入るがHPが低いらしく簡単に壊れる。
スケルトンの1体がこちらに気付いたらしく近づいてきた。
弱点看破発動、光属性か当然だよね。
「カタカタカタ」
「す、少し怖いかな・・・」
アンズの顔が少し青ざめている。
「大丈夫、アンズの光魔法なら簡単だから」
「は、はい、師匠」
「あら~私は慰めてくれないのですか~」
いや、君は怖がってないでしょ。
「行きます、横薙撃」
ヒナゲシの一撃が決まる剣と槍なら間合いの広さで槍に分がある。
ん?あの剣なにか・・・
ヒナゲシがひとりで倒してしまった。
「次行きます」
「待て、ヒナゲシ」
2体目に行こうとするヒナゲシを思わず止める。
「どうしました?」
「俺に行かせてくれ」
スケルトンの剣、もしかしたら。
「カタカタ」
2体目のスケルトンが迫ってくる、ヒナゲシは了解してくれたらしく後ろに下がった。
スケルトンが剣を振り下ろしてくる、それを自分の剣で受け止めつばぜり合いの状態に持っていく。
剣をしっかり見る、間違いない。
このスケルトンの剣は封札状態になっている状態異常剣だ。




