ランクアップ5 クエストスキル
スランダさんから証明書をもらう。
今度こそ終了した。
「すみませんでした。実験がこんな形で失敗するなんて、以前もそのせいで住んでる所を追い出されてるんですよね」
失敗の常習犯か。
「あのー1つお願いがあるのですが」
「はい?なんでしょう」
「今回の件をギルドに報告しないでほしいんです。此処まで追い出されたら実験が出来なくなってしまいます」
別に吹聴するつもりは無いけど、サイトに載せるのはこの場合アウトなのか?
考え込んでいるとスイが話し掛けてきた。
「別にお願い聞いても問題無いんじゃないかしら」
「いえ、サイトに載せるのどうなのかと思いまして」
「それは問題ないわよ。この場合プレイヤーがギルドに話したら駄目ってだけでサイトとか他のプレイヤーに話すのは大丈夫なのよ。もっともその会話がNPCに聞かれたら問題になるからあまり話さない方がいいとは思うけどね」
つまりNPCのAIに分からなければいいのか、それなら受けてもいいな。
「わかりました今回の件は誰にも話しません」
「ありがとうございます、お礼と言っては何ですがこちらをどうぞ」
ポーンと音と共にログが出る。
・<セン>はスキル弱点看破を習得しました。
「なんだこれ」
「どうしたの?」
「スキル獲得したみたいなんですけど」
「あらクエストスキルね、ここでも手に入るんだ」
「クエストスキルですか?」
報告の為にギルドへ向かいながらスイから解説を受ける。
「スキルの習得方法って大きく分けると3つあるのよ。スキル屋で買う、クエストの報酬でもらう、魔物からのドロップ。この3つね」
「今回はクエストの報酬ってことですか?」
「そうね、RUクエ始める前にギルドポイントについての説明覚えてる?」
えっと、何だっけ?
「ギルドポイント貯めるには町のNPCからのお願いでも貯まるって所かしら」
「そうよ流石ミニちゃん、良くできました」
「そうゆう子供扱いはやめてもらえるかしら」
スイが褒めながら頭を撫でて来たためミニッツが少し不機嫌になる。
それでもスイは撫でるのを止めなかった、不機嫌になってるのも分かっていてもそれも含めて可愛がっているようだ。
「このNPCの依頼ってギルドで受けるのよりポイントも報酬としてもらえるお金も低いのよ。それでも受けるメリットがある。その1つがクエストスキルってわけ」
「報酬にスキルですか」
「そうそう、スキルだったり特殊なアイテムだったりね。ギルドの報酬はポイントとお金だけだからね。それにクエストスキルって店売りのスキルより効果が高いのが多いのよ」
つまり早くランク上げるにはギルドで、多少回り道でも良スキルやアイテムがほしいなら町クエストってことかな。
「そうゆうことよ、今回はRUクエストのサブ報酬ってとこかしらね。他にもそういった報告もあるのよね」
「へーじゃあこの弱点看破って良スキルなんですか?」
「ええ、お店で買える初級スキルよりもお奨めね」
お奨めか新しいスキルは遠距離攻撃の飛斬にしようかと考えていたけどこれも良いかもな。
「ちょっと待って私はセンにとってほしいスキル有ったんだけど」
「とってほしいスキル?」
「二刀流よ」
二刀流は文字通り両手にそれぞれ武器を持って戦える様になるスキルだ。
「理由聞いていい?」
「センは異常状態付加させる武器を扱ってるのよ、だったら手数増やした方が良いと思わないかしら」
「あら、それなら弱点看破からの一撃なら付加確率が高まるじゃない。私はやっぱり弱点看破がお奨めね」
どうしよう飛斬にしようかと考えてたのにこの調子だと。
「二刀流よ」
「弱点看破ね」
こうなったら本人のと言うより男の意見は通らないんだろうな。
俺のスキルなのになあ・・・
けどこの2択なら答えは決まってるな。
「ミニッツ、悪いけど二刀流は取らないよ」
「なんで、まさかその胸ね。胸に魅了されたのね!」
「ふふん」
「違うから」
それとスイも自慢気に組んだ腕で押し上げないで、目のやりどころに困る。
「理由としては二刀流だと両手が塞がってしまうからなんだ」
そう言って左手で札を取り出す。
「封札はどちらかの手が空いてないと使えないからね、だから二刀流とか両手剣何かは使えないんだ」
「・・・そう、分かったは。ここは譲るわね」
不満そうでは有るけど分かってくれたみたいだ。
いずれ手に持たなくても札が使えるスキルがあれば考えるとしよう。
「黒いオーラを纏った2本の剣で戦う姿を見てみたかったのに、残念ね」
いずれご期待に添えるようにします。
付けるスキルも決まったしそろそろギルドに到着だ。
「はい、確かに証明書は受け取りました。こちらが報酬となります」
<セン>のランクが2になりました。
ランクアップ、これで全体的にステータスが上昇した。
ちなみに戦士職の場合STRとVITが魔法士職の場合INTとMINが生産職の場合DEXが大きく上昇する。
技能職は全てのステータスが平均して上がる。
「おめでとう、セン」
「やったわね、セン君」
「二人が手伝ってくれたからだよ、ありがとう」
「これぐらいセンの為なら何でもないわよ」
「私もよ、それに知りたいことも知れたしね」
実際に二人の手伝いが無かったらクリアにもっと手こずってたはずだし感謝してるよ。
「二人のRUクエの時は呼んでくれ手伝うから」
「おー先越されたか」
「疲れたッス」
ギルド内で話し込んでいたらレト達が帰ってきた。
「ずいぶん時間掛かったじゃない、何してたのよ」
「おぉ、グリーンベア自体は順調に狩れてたんだがな。途中見たことない魔物に絡まれてな、それで時間が掛かっちまった」
「見たことない?あなたが見たことないって新種かしら?」
HGOの製品版ではテスト期間中には居なかった魔物が複数確認されていてそれを総じて新種と呼んでいる。
近場でも未だに見つかるらしい。
「リト、案内しなさい」
「待てまず報告とスキル買わせろ」
「早くしなさい」
レトが半ば拉致気味にスイに連れてかれ、トイスとクノイもその後に着いて行ったためギルドには3人だけが残った。
「俺達も付いていった方が良いのかな」
「そうね、そうしましょうか」
その後みんなでサカイ大森林の新種探ししてその日は終了した。




