もうひとりの封札士6 3人の実力
もうひとりの封札士4の話を少し変えました
ストーリー展開そのものは変わってはいません
森に到着。
相も変わらずリアルに出来ているな。
昨日来たばかりだがやはり圧倒される。
PTを組むに当たって3人のスペックを軽く説明する。
アンズは封札士だ、ただし自分と違い魔法型のスキル構成をしている。
使える魔法は光魔法と風魔法。
光魔法は水魔法と同じ回復魔法を得意としている、攻撃魔法は少ないが不死族に対しては強い。
風魔法も支援が得意で特に移動速度の上昇や攻撃速度を上げる魔法などがある。
しかしMPコストのある封札士で魔法型は俺以上にキツいだろうな。
リンドウは装飾士だ、所謂生産職だな。
装飾士はアクセサリー装備になる、首飾、指輪等の作成を得意としている。
アクセサリーは上昇する数値自体は低いが指輪でStrやVitが上げられるなど、つまり自由度が高いのだ。
長所を伸ばすか短所を補うなども出来、火属性強化や水属性耐性なども付けられる。
痒い所に手が届く装備だ。
生産職の戦いは強化を使う、これは自分が作った装備品を一時的に強化するスキルだ。
なので自分の装備品はもちろん、PTメンバーも装備しているのが望ましい。
その為野良PTよりも固定PTになりやすい特徴もある。
最後にローズマリー、この子は闇魔法術士だ。
闇魔法術士はINTアップやMP回復などが出来る、後衛魔法職を支援する魔法職になる。
そしてローズマリーは闇魔法術士の固有スキル邪法も持っているらしい。
邪法は威力だけなら火魔法や土魔法よりも高いが何かの代償が必要だったりと癖の強いピーキーな魔法だ。
ローズマリーは「これぞ禁断の魔術」なんて言ってたが普通にスキルショップに売っている。
バランス悪いな、まあ無い物ねだりしてもしょうがない。
これでやるしかない。
「目的はゴブリンの角だ。何度も言うようだけど10本集まったら一度抜けさせてもらうよ」
「わかってますよ~、狩場は浅瀬より中程の方がいいですかね~」
バランスは悪いけど3人の実力はどうだろうな。
まず浅瀬のゴブリンで強さを見てからかな。
「浅瀬で2、3匹やってみてから決めようか」
「はい!師匠見ててください」
森に入りゴブリンを探す。
見つけた、2匹か。相手取るにはちょうど良さそうだ。
「1匹は担当するからもう1匹はヨロシク」
「ふふふ、生け贄が決まったようね。私に任せなさい」
「ああ、任せた。解放」
暗闇剣を取り出す、それがいけなかった。
「あ、あなたそれは何かしら?」
ローズマリーが聞いてくる。
さっき説明してたと思うのだけど。
「これか?さっき説明した暗闇が入っている剣だが」
「か・・・」
「か?」
「かっこいい、それ私にもちょうだい!」
この黒いオーラを発する剣は中二心をくすぐったらしくものすごい勢いで食いついてきた。
そしてそんな風に騒げば当然ゴブリンに気付かれる。
「グギャ?グギャギャ」
「グギャグギャ」
幸いにして援軍は呼ばれなかったようだが不意打ちは出来なかった。
まあそれでも1匹相手なら負けない。
「左はよろしく、右のゴブリンは俺がやる。解放」
「はい~」
「任せて下さい!」
「後でちゃんと見せないよ」
ウルフも呼び出しゴブリンを相手取りながら3人の動きも見ておく。
昨日の時点ではそんな余裕は無かったけど今日は大丈夫だ。
3人の動きだが、結論から言えば可も無く不可もなし。
まず個別の動きは悪い。
リンドウは前衛に不慣れなのか腰が引けている。
アンズも怖がっているのか少し離れすぎだ。
逆にローズマリーは後衛魔法職なのに前に出すぎている。
それなのに不思議と連携は取れていたりする。
お互いがお互いをよく見ているからなのかちゃんとフォローしあってるんだよね。
ほどなくしてゴブリンが倒される。ちなみに俺と同じぐらいのタイミングだ。
「3匹出てきたらきつそうだし、浅瀬で狩ろうか」
「そうですか~?3匹でも大丈夫だと思いますけども~」
「そんなことよりもさっきの剣を見せて、いえ私の杖を同じようにしてちょうだい」
「無理だから」
そう無理なのだ。
封札のスキルには封印出来ないものもある、その代表的なのが他人の装備品だ。
仮にローズマリーから杖を借りて封印を施したとしても渡すことが出来ないのだ。
システム的にロックが掛かってしまう。
「ぐぬぬっそれなら私も封札士になるわよ」
「だめだよ~」
「やめとけ」
流石にただでさえ悪いPTバランスがさらに悪くなる。
「もしかしたらだが今は無理でもいずれ出来るかもしれないぞ」
一応嘘では無い。
どの職業にも上位職が存在しており封札士にも上位職はある。
ただしどんな職業なのかがわかってないのだ。
テスター時代の封札士はそこまで行けなかったらしい。
なので異常状態付与された武器の封印に特化した職業があってもおかしくはない。
「とゆうわけだ、納得してくれたかな」
「本当でしょうね」
「ああ、俺の見方では封札士は対人に特化した職業だと観ている」
「PVPとかですか?」
「それも含めてだね」
封札のスキルを使ってきてわかったことは、必ず誰かが関係していると言うことだ。
ウルフの場合〈魅了玉〉を作ってくれたヤクミチ。
暗闇剣の場合は呪術付与をしてくれたミニッツ。
対人戦ではスキルを封印した銀太次郎。
「つまり封札士って職業は単体ではほぼ役に立たないけど協力者もしくは敵対者が居た場合に力を発揮する職業じゃないかなって。だから味方の武器を強化して封印状態にしておくなんてことも出来るようになるかも知れない、推測だけどね」
「いまいち根拠が薄いけど信じてあげるわよ」
「信じてくれてありがとう」
ローズマリーが納得してくれたことで狩りを再開する。
特に大きなトラブルも無く順調に角が集まっていく。
「9本目、後1本だな」
時間的にも余裕は有りそうだ。
そう次のゴブリンを探していると。
「グギャァァァァァァギャギャギャ!」
突然聞こえてくる大きな雄叫び。
振り向くと視線の先には通常のゴブリンの3倍もの体躯があるフィールドボス。
パッティゴブリンロードが居た。
キャラクタープロフィール
・リンドウ
・装飾士
・4人娘のひとり
間延びしたしゃべり方をするが強引に事を進めたりする
腹黒疑惑あり




