表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Heroes Guild Online  作者: ムムム
もうひとりの封札士
24/100

もうひとりの封札士3 PVP

 カウントが0になる。

 だがすぐに攻撃を仕掛けて来ない。


「おいテメエ、武器構えやがれ」


 どうやら武器を抜くまで待っているようだ。

 正々堂々なのか単なる油断か。


「俺は封札士だよ」

「ああ、なるほどあれか。武器を封印しといて節約ってやつかセコいスキルだ。な!」


 最後の一言と共に武器を上段に振りかぶって突進してくる。

 マトモに当たれば一撃で負けるだろうな。

 後ろに飛び退きながら札を構え。


解放リリース


 ちょうど中間辺りにウルフを呼び出す。

 本来で在れば呼び出した魔物は封印者に攻撃を仕掛けてくる。

 つまり銀太次郎から見れば自滅行為にしか見えないだろう。

 しかし呼び出されたウルフは銀太次郎に攻撃を仕掛ける。


「な!?どうなってやがる?」


 驚くのも当然だな、もっともまだ驚いてもらうつもりだがな。

 もう一枚札を取り出しスキルを発動させる。


解放リリース


 札から解放されたのは禍々しいオーラを放つロングソードこと暗闇剣。

 ウルフからの不意討ちで戸惑っている所に攻撃を加える。


「なんだ、その剣は!?」

「封札士のスキルだよ」


 正確には呪術士のだけどね。

 不意討ちでウルフ。

 そして暗闇剣の二段構え予定ではここで決めたかったのだけど。


「あっぶねーな、なんだよホントなんだよソイツよ」


 攻撃を受け止められた。

 不味いな。こいつ言うだけあって強いぞ。

 剣士と封札士ではやはり基本性能が違うのだ。

 同レベルのプレイヤースキルの持ち主同士でのPVPであれば確実に剣士が勝つ。

 そして銀太次郎は強いプレイヤーに属しているようだ。

 油断しててくれれば良かったのにな。


「おっと、危ない」


 攻撃を防いだ銀太次郎がそのまま剣で反撃をしてきた。


「ちっチョロチョロと避けやがって」


 この奇襲で決めたかったが駄目か、そうなると勝率が格段に下がるな。

 一応次ぎの一手も考えてはいる。

 ただし失敗の可能性の方が高い。

 とにかく今は凌いでいるしかないか。


「おい、テメエ逃げてねえで戦えよ。くそっこいつはこいつで鬱陶しい」


 銀太次郎からウルフを盾にするように距離を置く。

 決してこちらからは近づかない。

 ウルフは決め手にならない、銀太次郎相手では足止め程度だ。


「こうなったらこいつを食らいな、飛斬エアスラッシュ


 銀太次郎が大きく剣を振るうとそれに合わせて攻撃が飛んでくる。

 戦士職初期の遠距離攻撃だ。


「うあ、危ない!」


 飛んでくる攻撃を見極めながらギリギリ・・・・で躱す。

 あそこまでサイトの情報を鵜呑みにしているのなら、剣士の鉄板スキルになる飛斬エアスラッシュも持っていると推測してたけどホントに持ってたな。

 これなら後は賭になるがいけるかもな。


「なんだ今のはあんなの何度も躱せるものじゃないぞ」

「けっ当たり前だろうが封札士ごときがいい気になりやがって」


 変わらずウルフを使い銀太次郎との距離を測りながら観察する。

 次が勝負だ。


「あ」


 決闘場になる光の輪の外枠つまり壁際まで追い詰められる。


「もう逃げ道はねえぞ、とっとと負けちまいな。飛斬エアスラッシュ


 目の前に飛斬エアスラッシュが近づいてくる。

 ここだ!


封印シール


 飛んでくる飛斬エアスラッシュを封印する。

 一瞬の間。


「え?」


 銀太次郎は理解出来てない。

 周りの観客達も同じく何が起きたかわかってないだろう。


・封印された飛斬エアスラッシュ MPコスト3

 銀太次郎の飛斬エアスラッシュが封印されています。

 残り封印時間 2:55


 札を確認してすぐにスキルを仕掛ける。


解放リリース

「な!?ぐあ!」


 自分が仕掛けた攻撃がそのまま返ってくるという自体に頭が追いつかずそのまま攻撃を受ける。


「なにが?くそ、飛斬エアスラッシュ


 だがいくら剣を振るってもスキルが発動しなかった。

 これは予想以上だ。

 攻撃一回分封印出来ればいいかと思っていたら時間制限付きとはいえスキルそのものを封印したよ。


飛斬エアスラッシュ飛斬エアスラッシュ飛斬エアスラッシュなんで出ねぇんだよ」


 しむらーじゃなかった、ぎんたー後ろ後ろ


「ぐぁ!」


 銀太次郎の後ろからウルフが攻撃を加える。

 スキルの封印という異常事態に混乱していて忘れていたらしい。

 そしてウルフに気を取られてる間にこちらも一気に詰める。


斬撃(スラッシュ)

「ぐっ!テメエ」


 斬撃スラッシュが銀太次郎に一撃を加える。

 そしてこの剣は――――


「あ?なんだ?何も見えないぞ!おい」


 呪術士ミニッツとの合作暗闇剣。

 効果は文字通り何も見えなくなる。

 封印のせいで効果は弱まってはいるけどスキル込みでクリティカル気味に当たれば一撃で効果を発動するらしい。

 ここからは一方的だ。

 効果が切れる時間は30秒ほどと短い。

 だが30秒あれば充分だ。


「ウルフ行け、斬撃(スラッシュ)


 ウルフと斬撃(スラッシュ)の波状攻撃。

 いくら剣士とはいえ耐えられる訳が無い。


「ちくしょーーーー!」


 銀太次郎のアバターが消えていく。


 <プレイヤーセンはPVPに勝利しました>


 システムメッセージが勝利を告げる。

 俺の勝ちだ!

キャラクタープロフィール

・銀太次郎

・剣士

・両手剣を扱う剣士

 口が悪く頭に血が昇りやすい

 サイト情報重視する

 プレイヤースキルは高い

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ