森へ6 初日終了
ここで従獣士について説明しておこう。
封札士と同じ技能職で所謂テイマー職になる。
テイマー職は技能職6種中封札士と呪歌士を除いた4種
従獣士・人形士・魂魄士・騎兵士となっている。
それぞれ使役出来る対象が違う。
今回のウルフの場合獣型魔物を使役する従獣士の管轄になる。
従獣士は使役コストがあり。
例えば使役コストが5の従獣士はコスト1の獣5匹を使役して戦うか、コスト5の大型獣を使役して戦うことになる。
勿論1:4や2:3の組み合わせにしても良い。
確かランク1だと使役コストは2、ウルフ2匹従えさえる事が出来る。
さらに職スキルに従えている魔物のステータスを上昇させたり、特定の組み合わせで従えている場合特殊スキルが使えたりとあったはずだ。
何が言いたいかと言うと。
ヤクミチの言う通り正に劣化従獣士状態なわけですよ。
唯一優ってる所は破壊不可による不死性ぐらいだね。
強くまたスキルや連繋を使え群れとして動く従獣士に勝てるとは思えない。
「ぐぉぉ・・・」
「とゆうか空気位読みなさいよ」
別に獣の呻き声ではない。
ミニッツから重たい一撃をもらって呻くヤクミチの声です。
小柄な身体を最大限に活かして下から内臓を抉る様に押し上げる。
これを喰らえばモンドですら5分間は動けなくなる。
ミニッツ最強のフィニッシュブローだ。
ヤクミチに劣化従獣士と思われたままなのも癪なのでもうひとつの成果を見せる。
「ほぉ、こいつは」
「なんかスゴいよ」
暗闇剣は二人にも好評なようだ。
それとヤクミチ復活早いね。
「しかしこれぐらいの事ならβテストの時に誰か気付いていてもおかしくないと思うんだけど」
「そうね、手間はあるけど誰もやらない事ってわけじゃないと思うわよ」
「いや、そうでもねえぞ」
「そうだね」
自分の考えにミニッツも賛成のようだがモンドとヤクミチは違うみたいだな。
「ハッキリ言えば封札士も呪術士も数が少なかったんだよ」
「ああ、さらに言えばその呪術付与だっけか。使い手はほぼ居なかったな」
「テストの時って序盤で職業の再選択出来たんだよ、そのせいで使えないって噂の広がった封札士はほとんどの人が別職業に変更しちゃったよ」
「呪術士もだな、こっちはまだ数は残ったけどそれでも減った事には変わりねぇ」
つまり本来なら封札士と相性のいい呪術士が居なかった為に今の不遇の立場なわけか。
「ミニッツが居てくれて良かったよ。封札士と呪術士の相性も良いみたいだしね」
「そうね、私たちの相性が良いみたいね」
ん?妙な所にアクセントがあったような。
「なあモンドよ、ミニッツちゃんってもしかして」
「ヤクミチも気付いたよ、そうなんだけど相手が悪くてね」
「そうか、苦労してるんだな」
「男二人でコソコソ話してるんじゃないわよ」
なんだろ二人にしか解らない何かが有ったのかな。
「この後どうする、武器の検証も兼ねてまた森にでも行くか」
「お、いいね。スキルLvも上がってるし今度はゴブリンも楽勝か」
「それはどうかよ、でも先露店でいい武器見つけたよ」
「私は呪術付与のLvを上げたいわね」
全員の意見は一致したみたいだな。
それじゃ、森に向かおうか。
再びパッティの森に4人で来た。
前回と違い暗闇剣を手に入れ魅了ウルフを連れた俺も充分戦力だ。
ゴブリン3体相手にも楽とは言えないがちゃんと狩れる様にもなった。
そうしてLvを上げて初日の活動を終了した。
夜寝る前にミニコから電話が来た。
「チュウタ、明日放課後買い物に付き合いなさい。もちろんお金はあなた持ちよ」




