森へ
リアルではチュウタ、ダイ、ミニコ
ゲーム内ではセン、モンド、ミニッツと呼び方を変えています。
混乱するかもしれませんがご了承ください。
リアルの時間を確認してみると12時を過ぎていた。
昼飯落ちか。
自分も落ちるか。
ヤクミチに事情を説明すると、それなら自分もと言ってきたのでフレンド登録をしてログアウトする。
『魅了羽か、残念だけど持ってないよ』
ログアウト後にダイに電話を入れて見たが返事は芳しくない。
「そうか、森にいる虫食い蜂って魔物のドロップで良いんだよな?」
『そこは合ってるよ。今回は森ゴブリン狙いだったし、それに羽はレアドロップだよ』
「そうなのか?」
『そうだよ、でもレアと言っても素材アイテムだから頑張ればそれなりに集まりはするよ』
無いなら狩りに行かなきゃいけないよな、しかしPT用狩場の中頃か、ソロでは無理だろうな。
『しかし羽なんて一体何に使うよ?』
「<魅了玉>を作るのに必要なんだよ」
『<魅了玉>?たしか魅了状態にするアイテムだよね、それこそ何に使うのさ』
「実は封札士についてある程度目処が立ってね、それに使う」
『え?目処ってどうゆうこと?』
ダイが混乱している。
何をそこまで慌てているのか。
『βテスト期間中全く使いようの無かった封札士なのに初日午前中だけで発見するってどんなご都合主義だよ』
ご都合主義言うな。
たしかに偶然の部分がかなり大きいけどな。
『もしかして囲まれても封印すればいいとかってアイデアかな』
「ち、違うぞ」
危なかった。
「とりあえず飯食べたら手伝ってくれ」
『解ったよ、ミニコにも連絡しとくよ』
「頼む」
昼ごはんを食べ終わり後片付けも終わらせてからログインをする。
ログインした場所は勇士の像の近くだった。
ランダムログインは終わったらしい。
ウィンドウを開きモンドにTELをする。
『先ぶりだよ、東門で待ってるよ』
「解った準備してから向かう、少し時間をくれ」
『待ってるよ』
モンドとミニッツと合流する前に装備を整えなくては、まだ初心者装備だよ。
露店通りに着いたらすでにヤクミチがログインしていた。
「おうセン。羽は有ったか?」
「いえ、どうやらゴブリンを狩ってたらしく羽は持って無かったんですよ」
「そうかってことは狩りに行くのか?」
「そのつもりですよ」
「なら頼まれて欲しいんだがよ、俺も狩りに連れていってくれないか。もちろんPT枠に余裕が有ったらでいい」
「狩りにですか?確認してみますね」
モンドにTELして聞いたところ、今回参加はモンドとミニッツだけらしい。
他の人たちはまだログインしていないようだ。
「大丈夫そうですけど、何で参加を?」
「そりゃ、自分で集めた方が安上がりだからよ。それに俺が居た方が良いことあるぜ」
PT用の狩場だし人数が居て困ることないか、なにせ一番の役立たずと言われてるのは封札士だしね。
もちろんそんなレッテルは直ぐに剥がすつもりだけど。
「わかりました、途中武器屋に寄ってから行きますね」
「おう、しかしおめえ少し口調固いな。これからPT組むんだしザックバランといこうや」
「わかったよ、それで露店はいいのか?」
「無人露店にしとくよ、ログアウト中もそうしてたんだぜ」
そんなことも出来るのか。
ヤクミチと会話しながら武器屋でロングソードを買う。
やっと強くなったような気がする。
「気だけだな、どうせなら防具も買っとけよ」
ザックバラン過ぎるだろう。




