ゲームの世界へ7 ウルフ
再び南門を抜けてショッシン平原へ。
今度はスライムでは無くてウルフを狩る。
スライムは平原の西側に居るがウルフは東側にいる。
モンドやミニッツが向かっているであろう、パッティの森付近だ。
ウルフはスライムと違ってアクティブモンスター、つまりこちらから仕掛けなくても攻撃をしてく。
2~3匹固まっているのも居るがそこには近づかない。
1匹だけはぐれて居るのを見つけて安全に狩っていく。
30分ほど狩りをしてから一息吐く。
普通に狩りをしていて封札のヒントは出ないだろうな。
出てくるようなら既に他の人によって見つけられている。
休みながら考え事をしていたのがいけなかった。
そして失念していた。
ウルフはスライムと違いアクティブモンスターだと。
「!痛っ」
座って休んでいた所を後ろから襲われた。
左腕に一匹のウルフが噛み付いている。
「この!」
直ぐに右手にショートソードを持ち攻撃を加える。
左腕に噛み付いていたウルフは攻撃されたことによって離れた。
「やばいかも・・・」
気が付いたら3匹のウルフに囲まれていた。
3匹位なら勝てる自信はあるけど、それはこちらから仕掛けた時の場合だ。
不意討ちを受けたのはこっち、ダメージを喰らったのもこっち。
状況は極めて不利。
3匹は獲物が逃げないように周りを囲むようにしている。
こちらが攻撃を加えようとすると狙われた一匹が引き残りの二匹が襲ってくる。
頭良いなコイツら、悔しいけど絶体絶命ってやつか。
諦める気は無いけど打開策も無し。
それならせめて一匹位は倒す。
そう決意して剣を前に突きだし一歩踏み込んだ瞬間、後ろから音が聞こえた。
後ろに居たウルフが襲いかかってきたらしい。
咄嗟に剣を持ってない左腕を後ろに大きく振り回すと。
「ギャフッ?」
どうやら左拳がいい感じに当たったらしくウルフが飛んでいく。
その時対策を思い付く。
封印すればいいんだ、まともに3匹相手することないんだ。
すぐに殴った左手で札を出し殴り飛ばしたウルフにスキルを使う。
「封印」
封印成功、残り2匹だ。
そして残ったウルフのうち一匹にもスキルを使う。
「封印」
こっちも成功、残った一匹とは普通に戦う。
一匹相手なら負けませんよ。
今度は離れた所で休むことにする、流石に同じ失敗はしたくない。
なるべく広く見通しがいい場所を選んで座る。
少し失敗したけど結果オーライって奴かも、囲まれても封札士なら大丈夫ってことが証明出来た。
これで少しは・・・あれ?
取り出した2枚の札を見てみると表記がおかしい。
・封印されたグレタウルフ
・封印された気絶しているグレタウルフ
気絶している?
気絶のバッドステータスはわかる。
棍棒等の打撃属性の攻撃が頭に当たった場合起こる症状だ。
最初に殴り飛ばしたやつかな。
格闘技スキルが無くても一応攻撃扱いにはなるからね、威力は低いけど。
もしかして気絶したまま封印したってことなのかな。
確認してみよう。
「解放」
スキル発動と共にウルフが現れる。
横たわった状態で。
「・・・・・・」
しばらく様子を見る。
動かない。
もうしばらく見る。
動かない。
おかしいな、気絶の状態は通常長くても10秒ほどだ。
それなのに気絶状態のまま治る様子がない。
攻撃も加えて見る。
「グアァ!・・・・・・」
バタッ
攻撃によって一瞬目を覚ましたようだがまた気絶した。
「もしかして・・・再封印、全解放」
ウルフを全解放してみる。
「・・・グルゥゥ」
目を覚ましたらしく立ち上がりこちらを見た後に飛び掛かってきた。
ウルフを難なく倒すことは出来たけど、疑問は残る。
もしかしたら今のは利用できるかもしれない。
あのアイテムが有ればいけるかもしれない。
そうして期待を胸に意気揚々と町へ向かことにした。
キャラクタープロフィール
・クノイ
・剣士
・新規プレイヤー
男の子に見える女の子くの一に憧れている
スイの親戚らしい




