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発覚した問題

 家族会議の結果から言おう。夏樹にはすこし言葉を濁して話すことにした。幼稚園児でもないのでわかるであろう。話を少しずらすが義姉さんはだいぶヤンチャしていたようだな。今は25歳の義姉。夏樹は7歳である。と言うことで生んだのはおのずと18と言うことになる。うむ、今はあんなやさしいのだが怒らせると怖いのだろうな。後々聞いた話だがやはり起こると怖いらしい。鬼という言葉が義姉さんのためにあるような言葉らしい。

 話を戻すが兄貴たちは死んで2度と戻らないというわけでもないのでしばらくしたら戻る、と言うことで家族会議を終わらせ、その後すぐに帰宅した夏樹にも納得してもらえた。


 まあ、しばらくして起きる問題はまだ知るよしもなかった。


 それから1ヶ月ぐらいたったときだろうか。その間学校ではいろいろな問題が起き、その中心人物が例のケイトとかいうやつだったかもしれないということがわかった。まあ、ここら辺の詳しい話は今度にでも話してやる。

 で、1ヵ月後にわかった問題とは……。

 その日は高校で行事がなんだかんだあり午前中だけの授業となっていた。1人で帰りたい気分であったがケイトから無理やり連れ去られていき一緒に帰ってきた。

 そして、家に着いたとき、すでに有希が帰ってきていた。……こう語っているとなんか家で問題が起きるとき必ずと言っていいほど有希が家にいるな。

「お兄ちゃん、これ見てみて」

 差し出されたものは通帳。言われたとおり見てみると、上から段々金額が少なくなっている。まあ、当たり前だろう。何がおかしいかと言うと、俺たち家族の食料費などなどが振り込まれていない。毎回1ヶ月のほぼ同じ日に振り込まれているというか入金されている。それは通帳の最初のほうを見ればわかることだ。しかし、今月の分はその日になっても振り込まれていない。でも、兄貴の手紙では振り込んでおくと書いていた。電話をかけるがやはり女の人の声が聞こえてくるだけで電話に出ない。

 手紙をもう1度思い出してみよう。たしか、『長い間旅に行ってくる。行き先は外国だ。すぐには帰ってこれないと思う。だから、我が弟よ娘3人をよろしく! P.S.教育費などなどはしっかり振り込まれているので心配しないでね by和平』だったはずだ。思い出しても腹が立つ。P.Sで教育費などなどは振り込むと書いてある。教育費などなどの中にわかりやすいのだと給食費が入っているのだろう。それには俺たちの生活費ははいっているのだろうか?

「どうだと思う?」

 心配そうにこちらを見てくる有希。俺の予想だとこの教育費などなどの中には俺たちの衣・食・住に必要となる生活費は入っていないと思う。ということは、考えられるのは1つ。自分たちでがんばれということだ。で、その方法は俺の頭で考えられるのは2つしかない。自給自足かバイトするということだ。前者はこの都会では考えられん。花を育てるのとはぜんぜん違うからな。ということで後者しかないだろう。

「恐らく自分で稼げと言うことだろう」

「え、ということは」

「バイトしかないだろうな」

「やっぱり?」

「まあ、俺が何とかするさ。特に気にするな」

 とか言ってみたが、実際頭の中は真っ白だ。俺はこの時俺のこの役に立たない脳を恨めしく思っていた。

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