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1つめの事件

「ただいまー」

 俺はケイトと別れ寄り道もしないで優等生を演じて家に帰った。

「あ、お兄ちゃんおかえりー」

 姪だ。妹ではない姪だ。

「なんでお前はもう帰ってきてるんだ」

「ん?学校すぐ終わったし、寄り道するとこもないしすぐ帰ってきたら誰もいなかっただけだよ」

「そうか」

 まあ、姪とはよくあるとも思えないがほのぼのとした会話だ。


 きりがいいところで家族構成を簡単に説明しよう。

 俺:高校1年の15歳 兄貴:社会人で8つ上で23歳 義姉:兄貴の奥さん25歳 長女(姪):中学2年の13歳 次女(姪):中学1年12歳 三女(姪):小学3年7歳

 なぜ2個下の姪がいるかと言うと義姉がバツ1でその元夫もバツ1で2年前に夫が事故でなくなったらしい。長女と次女は元夫の連れてきた子供、三女は義姉が連れてきた子供ということらしい。

 多少複雑だが理解してくれるとうれしい。また、兄貴と義姉との子供はただいま妊娠中。

 帰宅後の会話は長女、有希《ゆき》との会話だ。次女は春《はる》、三女は夏樹《なつき》という名前だ。

 15歳で叔父さんと呼ばれるのは嫌なので上から順に「お兄ちゃん」「お兄さん」「兄ちゃん」と呼ばれている(呼ばせている)。


 この日は特に変わったことは無かった。


 次の日、夏樹に叩き起こされ飯を食べ、ぐだぐだ着替え、嫌々学校に向かった。

 途中まで3姉妹と一緒に登校した。

 3姉妹と別れた後すぐに

「妹ちゃんと仲良く登校とは仲いいねぇ~」

 とお調子者の声が聞こえた。振り返ってみるとなんとなく見覚えのある顔がいた。

「えっと、お前はたしか谷口」

「ちがう、谷村だ。お前名前くらいしっかり覚えようぜ」

 見覚えのある顔というのは当たり前でなぜならクラスメイトだからだ。

「今のは妹じゃねえ、姪っ子だ」

「姪?お前中学生の姪がいるのか?」

 などとさっそく俺の家庭のことをたいして仲がいいわけでもない奴に説明しているうちに学校に着いた。


 そしてこの日さっそく事件が起きた。


 学校に比較的ギリギリに着き、席に座ろうとすると後ろの席にいるはずのケイトがいなかった。出席を取るときももちろんいるはずがない。

 しかし、すでにこの時に1つの事件が起きていた。

 俺はケイトの方にばっかり目が向いていてクラス全体を見ていなかった。なんとケイトを始めほとんどの席は人がいないじゃないか。

 今日はほぼ登校初日と言っていいはずの日だ。昨日は全員いた……はずだ。

 朝のHRが終わりさっそく俺は谷村と話していた。

「なんでほとんどのやついないんだ?谷村俺にわかりやすく教えてくれ」

「俺が知るはずも無いだろ」

「いまどきの風邪もこんなに急性じゃないだろ。なあ、谷村医師」

「だから知らん。あと医師でもなんでもねえよ」

 その後、ケイトに休んだ理由をメールで聞いてみたが「どうでもいいだろそんなこと」と返ってきた。

よくないから聞いてるんだけどな。

 出席人数が10人前後だという言うのに授業は普通にやっている。いいのか?授業やっちまって?

 教師からあてられると思ったが1人がどんどん手をあげて答えてくれているため俺が答えることは無かった。

 ありがとう、名も知らぬお方よ。あなたのおかげで俺と谷村はかなり助かったぞ。

 昼休みに谷村と同じクラスの仲村と学食食ってるときに耳に挟んだのだが、全学年・全クラスで休んでるやつがかなりいるらしい。しかし、この学校でのできごとはまだまだ序の口だ。

 俺はこの後来る電話でもう1つ事件が起きていたことを知ることになる。

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