二章 一話
美夏と美貴の過去編です。
どうかお付き合いをお願いしますorz
時は戻って、今から15年前、私と美貴は双子として生まれた。姉が美貴で、妹が私。
近所でも評判だった。『仲がいい』と。
服や文房具はほとんどお揃いだった。私はその時はそれが嬉しかった。多分、美貴も嬉しかったと思う。
小さい頃、私は美貴に頼ってばっかりだった。人見知りが激しく、引っ込み思案だった私。そんな私を美貴は引っ張って行ってくれた。私は美貴について行った。
そのおかげで、たくさん友達ができた。私はその時は本当に幸せで、楽しかった。
親もやさしかった。今見たく美貴だけを可愛がるのではなく、私の事も沢山可愛がってくれた。
そうしてる間に、いつの間にか私たちは5年生になった。少し大人に近づいた気がする年頃。
私たちの容姿もだんだんと違ってきた。
美貴は、目がぱっちりとしていて大きい。髪の毛もふわふわで、華奢な体をしていた。
そんな美貴はみんなに人気者だった。もちろん、特別な意味で。
それに比べ私は、美貴とは全く違う、垂れている目、頑固なストレートで、美貴に比べれば少し太っていた。
陰で皆はこう言っていた。
『双子なのに全然違うんだな』
傷ついた。たったその一言に。それが理由で、友達とは話さなくなった。もちろん、友達も話しかけてこない。話しかけてくるのは、美貴一人だけ。
そのころから少し美貴の性格に嫌気がさしていた。でも、心のどこかでは赦していた。だから家では沢山美貴と遊んだ。
美貴はあまり友達と遊ばなくなった。その代り、私と沢山遊んだ。
私たちは中学生になった。
中学校は親の都合上、地元を離れたところに通った。小学校の時、同じクラスだった人たちは一人もいないから、少し安心した。
でも、不安には耐えられなかった。知らない人がいっぱいいるわけだし、今にも逃げ出したかった。
そんな時、美貴が私の部屋に入ってきた。
「美夏。大丈夫。私がいるよ。」
私は無言のまま、うつむいていた。
美貴と一緒にいたら、また小学校の時のようになる。そんな気がして、答えられなかった。
「・・・元気出して。私絶対美夏のこと裏切らない。」
私はその言葉を聞いた瞬間、涙があふれ出した。
美貴が私の背中をそっとさする。その手が、美貴の手がとても愛おしかった。
両親は小学生の時から美貴だけに気遣った。私が無口になってからなにも話しかけてくれない。話しかけてくるときは、勉強の事だけ。
そんな親が大嫌いで、家を何度も出ようとした。でも、美貴がいたからそれはやめた。
私は美貴しか信じない。そう決めた。
でも、小学校のようにはなりたくない。
「美貴・・・一つだけお願いがある。」
「何?」
「私たちが双子だってこと、絶対に言わないで。」
美貴は快く受けてくれた。少し戸惑ってたかもしれない。でも、「守る」と言ってくれた。
そうして、中学の入学式を迎えた。
このときはまだ、あんなことになるなんて思ってもいなかった、最後の幸せ。
ここまで読んでくれて有難うございます。
こんにちわ、ゆいです。
同じ日に一気に更新してますが、学校が始まったら
少し更新ペースが遅くなるかもしれません。
その時は、更新日を告げます。
どうか、最後までお付き合いください。
誤字脱字あったら構わずいってください。
それと、作者はまだ初心者なので、アドバイス等
あったらお願いします。
あと感想も待ってます!(`・ω・´)
では。