三章 一話
三章突入です。
現在に戻ります(´・ω・`)
家に着いた私は、自分の机について予習をまた始めた。
ノートに文字を書こうとするが、どうしてもとまってしまう。
私は思った。
気になる?
美貴が。
中学であんなことがあってから、美貴はあまり私に話しかけなくなった。でも、高校に入った瞬間、中1の時のように話しかけてきて、今日は腕を掴まれ、泣かれた。
おかしいと思った。
すると、階段を上がる音がした。恐らく美貴だろう。
もしかしたら私の部屋に入ってくるんじゃないかと思っていたが、暫くしても、誰も入ってくることはなかった。
安心したような、複雑な気分。
この日はなかなか内容が頭に入らなかった。
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次の日の休み時間、私は席について本を読んでいた。
美貴はもうすでに友達を作ったみたいだった。楽しそうに話している。
あの笑顔をみると、昨日の事はなんだったのか益々解らなくなってきた。
「橘さん。」
誰かに呼ばれた。私の机の前に誰かいる。
本から目を離して上を見上げると、背の高い眼鏡をかけた女の子。
「え・・・」
私はびっくりして、一言しか言えなかった。
「あ、えっと・・・それ、青山さんの小説だよね?」
青山さん?私は呼んでいた小説の表紙を見ると、作者が青山静と書いてあった。
「私もね、それ、読んだことあるよ・・・青山さんのかくファンタジー好きで・・・」
照れくさそうに目をそらしながら女の子は言った。
このこ・・・
「あ!私、深山智恵。小説、大好きなんだ・・・」
「あ、そうなんだ・・・私橘美夏。私も、小説好き・・・」
そういうと、深山さんはにこっとした。
・・・かわいい。
「私、その主人公の友達のヒロキが好きなの。性格がかっこよくて・・・」
「あ!あの主人公を殴るシーンよかったよね。愛情がこもってた・・・」
「愛情って・・・!おもしろいね橘さん。」
フッと笑う深山さん。
私、おもしろいんだ・・・
この日をきっかけに、私は深山さんと小説について語りあい始めた。
その時間はとても楽しくて、美貴のことなんて頭になかった。
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昼休み
私は深山さんを昼食に誘おうとした。が、深山さんの姿が見当たらない。
授業には受けていた。もしかして、購買でパン売り切れちゃうから早く行ったのかな?
・・・少し残念。
私はいつも通り、自分の席で弁当を広げた。
と、その前にトイレに行きたくなったので、トイレに向かった。
トイレのドアを開けようとすると、中から話し声が聞こえる。それに、なんか揉めてる様子。
ここは第2校舎のトイレ。人通りが少ない。
私はドアに耳を当てた。
「ねぇ、メロンパンじゃないってどうゆうこと?」
・・・は?話の内容がよくわからない。
「ご、ごめんなさい・・・本当になくて・・・」
この声、
深山さんだ。