タゥとメイド
タゥとあるメイドの一日
タゥの朝は早い。
誰と同衾していても早起きのタゥは、メイドの仕事中にぶつかる事が多い。
「あっ、仕事中だったか」
客室としてあてがわれた自室にて、タゥはメイドと遭遇した。
おっと、これは寝たことのあるメイドだった。
タゥと目が合うと頬を朱に染め、涙を潤ませるメイドである。
「しっ、仕事はいま終わりました……!」
精一杯言い張るメイドの言うとおり、タゥのベッドは綺麗に整えられている。
「じゃあ、ちょっと休憩してく……?」
おとがいに指をかけ誘うと、メイドは明らかに動揺した。
「舐めてあげるよ」
耳元にそんな声音を吹き込めば、メイドはこくりと頷いてタゥに身を預けた。
そんな事を繰り返していたある日の事。
見慣れないメイドがリネン室でリネンを山ほど運んでいる様に気がついて、手を貸したタゥである。
「運んでいただいてっ、ありがとうございました」
どうやら彼女は掃除メイドらしい。
タゥはいつもの如く誘ってみた。
「俺と寝ない?」
「すっ、すぐ済むんでしたら、是非お願いしますっ」
「うん、すぐ。でも四半刻は頂戴ね。処女?」
「はい……」
タゥはリネンの上にメイドを寝かせ、スカート
の中に潜り込んだ。
フィニッシュまで四半刻で乗り切り、達成感が凄まじかった。
またある日、昼食後の自室にて。
腹ごなしにタゥはメイドを誘う事にした。
チリリン♪
ベルで呼ぶと、メイドがすぐさま、やってきた。
「お呼びですか、タゥ様」
「俺と遊んでくれるメイドはいる?」
「私で良ければ、喜んで」
「ありがとう。じゃあ、ベッドに寝てくれる? いつまで声を我慢できるか試してみよう」
「……っ、はい、かしこまりました」
タゥは楽しく口淫を楽しんだ。メイドはなかなかに強情だったので、大変燃えた。
ある日は夜に誘う詩を、まだ抱いてないメイドにこっそり渡してみた。
コンコン。
がチャリ。
夜のタゥの部屋にやってきた一人のメイドを迎え入れ、口吸いをしたタゥである。
「……抱くよ?」
「はっ、はい。処女なので、優しくして下さい……」
ラッキー、処女だった。
タゥは優しく抱いた。
そんな事を繰り返していると、メイド長から物言いが入った。
メイドの仕事を邪魔をしてはいけない。
夜の詩を渡すのもやめて欲しい。
なんとも無情なお達しであった。
「ただしっ、恋愛するな、とは言いませんからね。口説くのは自由です」
それでは今までと変わりないように思えるが、タゥはとりあえず頷いた。
そうすると、今度はタゥに夜の詩を渡しに来るメイドが急増した。
タゥは夜メイドの部屋を訪れ、あるときはハシゴした。
どのメイドの時の場合でも、「ジャックに内緒だよ」と約束するのを忘れない。
タゥはアスティ家でちやほやされ、満足だった。
タゥはこんな風にジャックも日々を過ごしていると、疑っていない。
そんなある日、リネン室で腰を振っていたタゥが見た物は、現場に踏み込み、腕を組んだジャックだった。
「フィニッシュまで待ってやる。ティアーナ、タゥを甘やかすなって言っただろう?」
「でも……っ、恋に破れたタゥ様がおいたわしくて……」
「ああもう。さっさといっちまえ、タゥ」
「あっ、あっ、あっ」
タゥはフィニッシュを決めてジャックの前に座った。
「なんでかわかんないけど、怒ってるんだな、ジャック。ごめん、謝るよ」
「メイドで遊ぶなとは言わない。お前が処女のメイドをほぼ食い尽くした事も、怒ってない。ただな、ジーンに手を出したろう。ジーンは浮気をしない良い娘で、俺とも寝た事がなかったんだぞ。それがお前と寝た事が亭主にバレて、折檻されちまったんだ。そういうの、可哀想だろう」
「可哀想だけど、俺はどうしたらいい? 亭主に謝りに行くか?」
「詫びは俺が入れといたから、行かなくていい。こういう事があるから、俺に秘密にすんなって言ってるんだよ。わかった?」
「……わかった。ジャックに秘密の逢瀬はおしまいだな」
しぶしぶそう言うと、ティアーナがタゥを援護してくれた。
「ジャック様、ジーンも覚悟の上だったかと思いますわ。タゥ様ばかり責めても、致し方ありませんでしょう」
「しかし、どっかでこいつを締めとかないと家の秩序が保たれねぇよ。母さんはニコニコしてるし、メイドも楽しそうだけど、俺はのけ者にされんのが嫌いなの!」
「それが本音か。寂しい思いをさせちまって悪かったよ、ジャック。これからは一緒に遊ぼうな」
そうしてこの件は一件落着となったように見えたが、悪ガキが二名に増えてメイド長の心労は募るいっぽうだったと言う。




