次期族長
それから三日経って、合同の婚礼の儀が開かれた。
現在は未婚の娘達による舞の時刻だ。
力強い舞に、タゥも目線を奪われた。
レアは、隣に座している。
あれから、王族のことについては、一切話していない。
それについて、不満は見られなかった。
「おっ、花冠の交換が始まるぞ」
ここからでは文言も聞こえないが、二組の夫婦が花冠の交換をした。
マリアとリズも、大変幸せそうである。
そこからは祝いの食事が届き始め、美味なる食事に舌鼓を打った。
勿論、丸焼きの背中の肉も確保し、美味しく食べた。
「あなた……こちらのシチューもお召し上がりになりますか……」
「ああ、貰おう」
そんな感じで腹を満たした俺達は、新郎新婦が家に帰る様を見送り、帰路に着いた。
本家から使いが来たのは、その翌日のことである。
ここは本家、レアの実家だ。
レアとともに下座に座り、族長ラピグゥと向かい合っている。
ラピグゥは上機嫌に口火を切った。
「よく来たな、タゥ、レアよ。息災にしていたか?」
「つつがなく。族長ラピグゥよ、此度の呼び出しは一体何の事であろうか」
「うむ。次代の族長候補についてだ。昨日、アスロがルネー家へ婿入りした事によって、本家に残る妙齢の男児はタゥ一人となった。族長に、なってはくれんか?」
ラピグゥは率直だった。
真っ直ぐに見つめられて、タゥは正直に話した。
「俺は先日、自分の身の由来が明らかとなった。そんな、生まれながらのケラソ族ではない俺でも、族長を継げるというのか。俺は、自分の血縁のせいで部族に迷惑をかける気がしてならない」
「サランからもキリクからも聞いている。タゥ、お前は貴族の大物の落とし種だそうだな。爵位を継承させるために、子供が必要だと聞いている。迷惑ならもうかけられているのだ。タゥよ、ケラソ族は強靱だぞ。お前の悩みくらい、丸ごと受け止めてやろう」
「族長ラピグゥ……。分かった、俺に出来る事ならやってみせよう。ケラソ族を信じる。族長をやってやる!」
「よくぞ言ってのけた! 俺に出来たのだからお前に出来ぬ道理はない。族長継承は三年後を予定している。それまで励めよ、タゥ」
「わかった。族長ラピグゥの意気に応えたい。三年後を楽しみにしていてくれ」
ラピグゥと固く握手を交わしたタゥ。
そして、その頃にはレアはいない。
レアは満足そうに微笑んで、タゥの未来を祝っていた。
「へえ、ケラソ族の次の族長ってタゥなのか。お前、女に手を着けそうだけど大丈夫か?」
翌日の道具屋にて。
失礼な事を言うジャックに、タゥは反論した。
「悪ふざけは全て娼婦でまかなう所存だ。ケラソ族には手を着けない」
「よく言うよ。キリクに聞いたぜ? 嫁入り前の娘が身を捧げて来たそうじゃないか。族長になったらもっとそんな話が増えるだろうぜ」
そう言われるとそんな気もしてくるタゥである。
タゥはアカネの実のジュースの容器を返しながら、ジャックに次の話を告げた。
「ところで、弟に無茶ぶりされてないか? ジャックの事は気に入ってたようだし、悪いようにはしないと思うけど、一応さ」
「おうおう、こき使ってくれてるぜ。内容は使いっぱしりなんだけどさ、俺、今日もダンスパーティなんだ。貴族街をこんな走り回るなんて、友人のデビュタントに付き合って以来だぜ」
「へえ、ダンスか。ジャック似合いそうだな。女にもてて仕方ないんじゃないのか?」
「おう、もてまくって仕方ないぜ。なんせ花の独身だからな、俺。まっ、本業に支障ない程度に遊んでるよ」
ジャックは明るい笑顔でそう言った。
「ところで今日、一人縛りたいんだが、いけるか?」
「ああ、まかしとけ。丁度良いのがいるよ。じゃっ、ウラディカの泉に行こうぜ」
ジャックは店番を変わって貰い、表に出てきた。
裏通りを歩き、ウラディカの泉に到着すると、セグを預ける。
一階で面通ししたジャックによって、タゥは速やかに二階に通された。
入った部屋は、いつもの革張りのベッドに、簡素な椅子。木箱には真っ赤な縄が詰め込まれていた。
「よぉ、カノン。旦那さんの具合はどうだい?」
「あっ、ジャック……。お陰様で良好に向かっています。今日も宜しくお願いします」
カノンと呼ばれた女は、紫色の髪を垂らした、年上の女だった。
青いワンピースを脱いだ身体は豊満で、申し分ない。
タゥは健康そうな身体に気を良くすると、カノンの身体を縛り上げた。
見事な縄化粧に自画自賛しながら、タゥは椅子に手をついて四つん這いになるように言った。
カノンは従順に言うことを聞き、後ろを向いた。
後ろから押し入り、腰を振る。
カノンの押し殺した喘ぎ声が、部屋に響く。
タゥは達するまで好き勝手に腰を振り、胸を揉みまくった。
「あっ、あっ、あっ……」
それにしても、色っぽい女である。
ジャックの話によると旦那がいるそうなので、多少無茶しても平気だろう。
タゥは玩具を取り出し女に突っ込むと、腰のものをしゃぶらせた。
女はタゥの出したものを素直に飲み込む。
そのうちジャックも混ざってきて、二人で二回戦ずつ楽しんだ後、カノンを解放した。
「あの……。とっても、良かったですわ……」
頬を染めてそう言うカノンに、タゥも心から笑顔を返した。




