爪先に口付けを
「タゥ、こっちだ」
呼ばれて、緑の小道を歩いていく。
建物は大きく豪奢で、ふかふかのカーペットの敷かれた廊下を歩き、階段を登り、また廊下を歩いた。
「……こちらでございます」
陰気な男に案内されて入った先は、寝室だった。
入り口から見えるのは、女の長い手足だけだった。
「マダム、約束のものをお持ちしました」
そう切り出したのは、ジャックだ。
珍しく礼を取り、頭を下げている。
「……わたくしを、マダムと呼ぶの?!」
ヒステリックな声が飛んできて、沈黙が落ちる。
ジャックは冷静に返答した。
「ミス・クローディアとお呼びしましょうか?」
「……ふんっ。マダムでいいわ。それで、届けものはどちらかしら?」
ジャックの視線を受けて、女の前に躍り出る。
女は、見るからに少女だったが、黒い透けたネグリジェを着ており、その零れそうな乳房が目に付いたが、目線を伏せ、やり過ごした。
少女は扇を手にしており、それで顔を隠していた。
しかし、うっとりと見つめる視線には気付いていた。
「いいわ。……脱ぎなさい」
タゥは着せられた時と同じく、一枚一枚、脱いでいった。
一糸纏わぬ姿となったタゥに、感嘆の吐息が届けられる。
「アスティの……三男だったわね。これは素晴らしいわ。……いくらで飼っているの?」
「詳細は不問とのお約束ですよ、マダム。さて、始めさせて頂いても?」
「……ならば、部屋を出て行くべきではなくて?」
「私が同席する事は、契約書にも記載致しましたよ、マダム」
ジャックの視線に気付き、前へ進み出る。
少女はその真っ白で爪の先まで磨かれた手を差し出して来た。
タゥはその手を取り、爪先に口付けた。
息を飲む、音がした。
少女は扇で顔を隠している。
タゥは細い肩を押し倒し、ベッドに乗り上げた。
首筋に顔を埋め、白い肌を吸った。
赤い鬱血の跡が、点々と散っていく。
黒いネグリジェのリボンを解くと、それは呆気なく裸体を晒した。
抜けるような白さの、綺麗な裸体である。
豊かな乳房は胸の先端だけが色付いており、タゥは揉みながら先端を口に含んだ。
「……っ、……」
舌で転がし、舐めしゃぶる。
少女はか細い声を上げたが、未だに顔は隠していた。
タゥは気にせず、足を開かせ、股に顔を埋めた。
断続的な喘ぎ声が耳に届く。
三度いってもまだ離れないタゥに、少女はじれた声を上げた。
「はぁ、はぁ、あんっ、あんっ、ああ、素敵……っ、ああ、いい、いく、あああーーーっ」
半刻ほど口淫を続けただろうか。
少女はすっかり快楽に身を浸し、口淫を楽しんでいた。
それでも扇を手放さず、顔を隠している。
タゥは気にせず、蕩けたそこに己を突き立てた。
ずぶずぶと埋まっていく様を見ながら、腰を振る。
その際に、片手を引き寄せ、爪先に口付けた。
せめてもの、了解の証である。
「あっ、あんっ、あんっ、あんっ」
少女は甲高い声を上げてよがった。
その際に、ぽろりと扇がずれて落ちた。
瞬間、瞳が合い、涙目の愛らしい少女の顔が見えた。
咄嗟に隠そうとしたが、もう一度爪先に口付けると、甘えるように首に両手を回してきた。
薄紅色の唇に吸い付き、しばし口吸いを楽しむ。
腰は緩く穿ち、少女の反応を見る。
少女は気持ち良さそうに喘いでいた。
やがて激しく腰を振ると、少女の甲高い声が部屋を満たす。
「あんっ、あんっ、ああ、いいっ、あんっ、あんっ、あんっ、ああ、いく、あああーーーっ」
タゥは少女の絶頂に合わせて射精した。
「はぁ、はぁ、まだ、駄目よ。まだ帰してあげないわ」
そう荒い息で言われたタゥは、その足の爪に口付けして見せた。
「……っ、そう、じゃあ次は私が上に乗るから、ベッドに寝なさい」
言われるまま、タゥは大きな天蓋付きベッドに寝転んだ。
少女は笑顔でタゥの身体を検分し、ゆっくりと腰のものに指を絡めた。
「あなたのものは、どんな味がするかしら……?」
細い指でしごかれながら、先端に唇を寄せられ、タゥはたまらず声を漏らした。
「ふふふ……ここがいいの……? もっとしてあげる……」
タゥは先端を吸われ、喘ぎ声を上げた。
更に容赦ない甘い責め苦を、少女はもたらした。
「く……っ、ああ……っ」
短く呻いて、タゥは少女の口の中に射精した。
それを飲み込み、少女はタゥに馬乗りになる。
また腰のものを弄られて、タゥは熱い吐息を漏らした。




