新顔
ベッドに上がり、二人をベッドに寝かせる。
キフネの胸を揉みながら、ジャックに話しかけた。
「ジャック、どっちが早くいかせられるか、勝負しないか?」
「そういうお誘い、大好きよ、俺。じゃあ、邪魔するぜ。いっとくけど負けねぇぜ、"英雄"様?」
「じゃあ、舐めるぞ」
ジャックもベッドの上に乗り、臨戦態勢である。
女達は股に舌を寄せると、高い声を響かせた。
「よっしゃ、俺の勝ち!」
言って顔を上げたのはジャックである。
「……待て、同時だろ。ほら、まだ震えてる」
エリャもキフネも息絶え絶えに喘いでおり、男達の主張は拮抗していた。
「仕方ねぇ、次いくかぁ」
言って腰を進めたので、エリャは驚いて声を上げた。
「でも、"英雄"様にあげるって約束したのに……」
「"英雄"様は助平だから、キフネの次はお前だぜ、エリャ」
タゥは無言で頷くと、キフネの足を抱えて腰を進めた。
鮮血が落ち、女達が呻く。
それは、どちらの声だったろう。
やがて、嬌声が部屋を満たした。
「あっ、あっ、あんっ、あんっ、あんっ、あっ、あっ、あっ、あああーーーっ」
いったのは、どちらが先だったろうか。
まだ絶頂に震える女達の身体を交換し、タゥは笑い声を響かせた。
「俺の勝ちだな、ジャック」
「きーっ、悔しいぜ。じゃあ次はキフネだな」
ジャックは負けじと、二回戦に挑んだ。
次はジャックの勝ちだったので、一勝一敗の引き分けだ。
タゥは満足して服を身に付けた。
ジャックも服を着て、帰り支度は終了だ。
「"英雄"様、あの……素敵でした。ありがとうざいました!」
そう言ったのは、キフネである。
慌ててエリャも「ありがとうございました!」と頭を下げてくる。
タゥは店を出て、ジャックに問いかけた。
「なぁジャック、こんなんで良かったのかな? "英雄"様のイメージが、悪くなったりしないか?」
「"英雄"様のイメージなんて、酒場で聞いたら腰抜かすぞ。お前は抱いたんだから、それでいーんだよ。どうされても構わないって、言ってたからな」
そう聞くと、なんだか腰がうずくタゥである。
「タゥは、キフネが気に入ったんだな。タゥって強気な女が好きだよなぁ。お前の奥さんも気丈な女だし、意外と合ってたりすんのか?」
「どうかな。妻とは意見が合わない事が多い。しかし、結婚当初よりは仲良くやってるよ」
「へえ。ある程度は諦めも肝心ってこったな。じゃあな、タゥ。明日、忘れんなよ」
「"王子様"だな。わかってる。忘れないって」
ジャックと道具屋で別れ、セグを走らせる。
やがて迎えた中天、狩りの時刻である。
まずは一頭、罠にかかっているのを仕留めた。
もう一頭は、ウスルスを追って、罠へ追い詰めた。
とどめを刺したのは、エンジュである。
タゥ達は二頭の収穫を持って、茜色の空を見ながら、解体小屋へ向かった。
解体小屋で分け前を分けて、リュックに詰める。
さぁ、凱旋だ。
今日の出迎えは、ルネーの家のマリアと、ヤジュの家のリズ、ナッキの家のリマである。それに今日はもう一人、小柄な少女がいた。
髪は黒褐色で瞳は緑色だ。
「おーい、こっちだよ! 今日も怪我がなくて何よりだねー!」
元気良くそう言ったのは、マリアだった。
「今日は新人の子がいるよ。挨拶出来る?」
リマに促され、見慣れぬ少女が進み出た。
「は、はい。ヤエギの家のモエと申します。無事のお帰りで何よりです」
「挨拶をありがとう。今日はご苦労だったな」
キーヤは礼をして、去っていった。
「新人の子が来るのって初めてだな」
そう言ったのは、エンジュだ。
「エンジュが来てからは、ずーっとマリアと三人だったもんね。なんだか、新鮮だよ」
そう言ったのは、リズである。
その後しばらく雑談し、解散した。
暗い夜道をセグでひた走る。
家では静かにレアが待っていた。




