訳あり
「それでね、タゥ。騒ぎで後回しになっちゃったけど、レアが熱を出したの。いつもの熱だから、問題はないって話だけどね。遅くなってごめん」
「いや。連絡をくれてありがとう。助かるよ」
「かまど仕事はいつも通り本家で受け持つって言ってたよ」
「わかった。ありがとう、マリア」
マリアはひとつ息をつくと、こっそり囁いてきた。
「ねぇ、夜、こっそり会いに行ったげようか?」
タゥはドキリとしてマリアに向き直る。
「……いいのか?」
「何かタゥ、寂しそうな目をしてるんだもん。放っておけないよ」
「ありがとう。今夜、話すよ……待ってる」
マリアは笑顔で頷いた。
家にたどり着くと、本家の次姉がかまど仕事をしていた。
挨拶をして、家に入る。
やがて運ばれて来たのは、具だくさんのシチューであった。それと、背中の肉の炙り焼きと作り置きのパンが添えられる。
タゥは、食前の文言を唱えてから食べ始めた。
「うむ、美味い。今日もかまど仕事をありがとう」
「とんでもないです。私は、レア姉さんの代わりですから……。じゃあ、今日はこれで失礼します。後片付けには、明日の朝来ますから……」
「ああ。ご苦労さま。レアに宜しくな」
次姉は頭を下げて、静かに帰って行った。
タゥは美味なる晩餐に舌鼓を打ちつつ、一人で晩餐を終えた。
晩餐の後片付けを終えた頃、戸板が鳴らされた。
「ルネーの家のマリアだよ! タゥに会いに来た!」
閂を外し、戸板を開くと、松明を持ったマリアが立っていた。
「いらっしゃい、マリア。待ってたよ」
タゥはマリアを部屋に招き入れると、速やかに床を延べた。
マリアは布団の中央にちょこんと座り、辺りを見回している。
「へーえ。夜のタゥの家って、こんな感じなんだね。なんか、ドキドキしちゃう」
「ああ。密会みたいで、何か興奮するな」
言いながら、タゥは服を脱いだ。
全裸のタゥを前にして、マリアは顔を赤らめさせた。
「も、もうタゥ。気が早いよ。今日、落ち込んでた理由を話してくれるんでしょう……?」
タゥは美しき金髪の美青年だ。
引き締まった肉体に、均整の取れた身体。
その彼が欲情している。
たったそれだけで、目も眩むような色気を漂わせるタゥである。
その美しい青い瞳が、マリアは大好きだった。
マリアは胸の鼓動が早くなるのを感じながら、自身の装束に手をかけた。
全裸となったマリアは、タゥの腰に唇を寄せていた。
「じゅる……っ、んっ、んっ、それで……?」
マリアはタゥのものを舐めあげながら、話を聞いていた。
「それで、リズと別れた。流石に、寂しいよ」
「そっかぁ。去るものを追わないのは、タゥの美点だね。さぁタゥ、そこに寝て。上に乗るから……」
「ああ、わかった。これでいいか?」
「うん。……んっ、あんっ」
マリアはタゥの上に乗ってきた。
大きな乳房が揺れるのを、タゥは下から眺めた。
「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あっ、あっ、あっ、いくっ、あああーーーっ」
タゥはマリアと一緒に射精した。
マリアは妖艶で激しかった。
その後、三回戦を終え、タゥはマリアを抱いて眠りについた。
翌朝、早朝にマリアと別れ、タゥは町に向かっていた。
一刻ほどの距離である。タゥは今日もてくてく歩いていた。
石畳の道が見え、やがて道具屋が見える。
まず肉屋に肉を売りに行き、銀貨3枚になった。
そして次は道具屋だ。重いリュックをジャックに渡しながら、鉄粒3つでアカネの実のジュースを手に入れた。
「おお、タゥ。まずは査定だな。よし、銀貨3枚だ。確認してくれ」
「確かに。なぁジャック、早いラプカが欲しい。相談に乗ってくれるか」
「おお、とうとうラプカを買いに来たんだな! 任しとけ、とっときのラプカを用意してやるよ」
ジャックの頼りがいのある笑顔が眩しい。
しかし、ジャックは眉を下げて、両手を合わせて懇願してきた。
「タゥ、ラプカは明日に回して、今日は俺に付き合ってくれねぇか。一人、縛って欲しい女がいる」
「構わないが、訳ありか?」
「ああ。話すより見せた方が早い。店に行くぞ」
ジャックは初老の男性と店番を交代して、表に出てきた。




