人たらし
「うーん、タゥって人たらしだなぁ。お前も自分でそう思わない?」
「いや。俺はそこまで器用じゃないからな。ジャックには負けるさ」
「へへ。さすが俺。タゥに褒められちゃったよ」
ジャックはへらへらと笑っていたが、タゥは人たらしはお前だ、と強く念じていた。
ジャックと道具屋で別れ、家路につく。
祭に浮かれる旅人をかき分けながら、タゥは一刻程で家にたどり着いた。
中天になり、森に入る。
いつも通りウスルスを追い、罠へ誘い込む。
今日は調子が良く、夕刻までに二頭の収穫を上げていた。
茜色の空を眺めながら、解体小屋にたどり着く。
今日はエンジュが一頭を貰い、残る一頭を三人で分けた。
「嫁が、柔らかい胸肉が好きだって言うからさ。出来れば、胸肉を頂戴」
休み明け、そのように言っていたエンジュに合わせて、分配した。
それが終われば、凱旋だ。
今日の出迎えは、ルネーの家のマリア、ヤジュの家のリズ、ナッキの家のリマである。
「今日もお疲れ様。みんな、怪我がなくて何よりだよ」
そう言ったのは、リマである。
キーヤは礼をして去り、エンジュは喜んで妻の笑顔を見つめた。
「俺達、良いチームでしょ? これからも、期待してくれていいぜ?」
「思いっきり、期待してる!」
嫁の激励に、エンジュは感動しているようである。
「タゥも、お疲れ様。えっと、今度はいつ会えるかな……?」
そう聞いてきたのは、マリアである。
その頬が薄く染まっていて、今すぐかき抱きたい位可愛らしかった。
「明明後日に、会いに行くよ。……楽しみにしてる」
マリアはにこりと微笑むと、「あたしも楽しみにしてる」とこっそり囁いた。
「ねぇタゥ。私、身の置き所がなくない?」
そう言ってきたのは、リズである。
「エンジュとお姉ちゃんはずーっとあんな感じだし、タゥとマリアもいちゃいちゃしてるしさぁ」
「リズはリマが妹離れして寂しいんだろう。二人いつも一緒だったもんな」
「そんな事は……ある」
「だろう。まだ慣れるのに時間がかかりそうだな」
リズはふて腐れてそっぽを向いた。なんとも愛くるしい仕草である。
今日はそんなところで解散して、家路につく。
家では、レアが晩餐を作って待っていた。
「お帰りなさい、あなた……」
「うむ。今、帰ったぞ」
今日の晩餐は揚げ物だった。分厚いウスルスの揚げ焼きに、ルッケの揚げ焼き、コロッケまである。
タゥは大好物のそれらを頬張ると、美味しそうに飲み下した。
「揚げ物はやはり美味いな。ルッケがほくほくとしていてたまらんな」
「おかわりも準備してございます……。それで、リエッタという娘を縛り上げてどうしたのです?」
レアは町での様子が気にかかるらしい。
「ジャックと交互に犯して、楽しんだ。やはり四つん這いにさせて犯すのは滾るものがあるな。ジャックも気持ちよさそうに出していたぞ」
「あら……。ジャックもお盛んですのね……。あなた達二人、仲が良くて微笑ましいですわ……」
「それにしても、町は人出が増えていてラプカがごった返していたぞ。ケラソ族の集落まではやって来ないだろうが、浮かれた無法者もたくさんやって来ているという話だ。戸締まりは厳重にせねばな」
「そう言えば今日、キリクが来たときにそんな事を言っていましたわね……。ランディはキリクに早速相談したそうですわよ。希望者がいなければ何とも出来ないけれど、相談して貰えれば対処のしようがある、とかで……」
「まぁ、子供さえ作らなければ良いんだから、こっそり楽しみたい奴もいるんだろう。そこに俺は関与しない」
レアが後片付けを始めたので、俺は床を延べた。
今夜も、レアを愛おしむ。
今日はリエッタと同じ様に、四つん這いで犯してやった。
涙を流して喜ぶレアを見ながら、タゥは腰を振った。
「ああっ、いい……っ、あんっ、あんっ、あんっ、あっ、あっ、あっ、いく、あああーーーっ」
思えば、レアを見ているだけで腹が立ち、劣情に火をつけるような真似は、随分減ったように思う。
これもマリアやリマとリズのおかげかな、と思いつつ、ちょっぴりレアに愛着が沸いてきたのもあると思う。
自分の心境の変化に、俺は悪くないものを感じていた。
いつか、レアも可愛いと思える日が来るだろうか。
タゥはレアの中に吐精しながら、物思いにふけるのだった。




