ランディ
「お前の結婚の条件とは何だ? 嫁となる娘が嫌がるのだ。どうせろくな事ではあるまい」
「ご名答。僕は嫁を間男に犯して貰いたいんです。嫁と慈しむ相手が僕でない誰かと性交しているのが見たい。僕の望みはそれだけです」
「ぶっちゃけたな。それは趣味の問題だ。相談する相手を間違えているぞ」
「いいえ。タゥなら出来るはずです。例え子供が出来ようとも、アスロのおかげで下地は整っています。お願いです。僕のために、ナディアを犯して貰えませんか?」
ランディはキラキラとした瞳でタゥを見ていた。
「まぁ待て。しかし、ナディアには嫌がられたのだろう。話はそこでしまいだ。お前はナディアでなく、娼婦でその望みを叶えるべきではないか?」
見ると、隣に座ったレアも頷いている。
「それは僕も考えました。しかし、馴染みの娼婦を作るだけで貯金を散財してしまいます。逆に、こう言うのはどうですか? 僕が、タゥの嫁を犯すんです。嫁を交換するなんて、最高に興奮します」
「断る。嫁を共有するつもりはない」
「残念だなぁ。タゥの子供を産むことまで、ナディアに納得させて来たのに。あ、ナディアは相手がタゥなら良いって承知しましたよ? 恥ずかしくて来れないと言うので、置いて来ましたが」
堂々とそんな事を言うランディは、お行儀良く座っている。しかし許可を出したらレアを襲うのだろう。この少年には軽いお仕置きが必要かもしれない。
「まず、お前と同じ欲求を持つ夫婦がいるかも知れない。まずキリクに相談すべきだ。まずそこからだな」
「キリクですか。キリクはやたらと正しい感じがして、好みじゃないんですよねぇ」
じゃあ、俺は悪い奴なのか、と一瞬考えてしまった。言わずもがなである。
「キリクが突っ込む訳じゃない。キリクの情報を信じろ。それと、幾つか条件を飲むなら俺の馴染みの娼婦を犯させてやるぞ。なんと無料だ」
「あなた……」
と、レアの尖った眼差しがタゥを見る。
レアはお仕置きに反対なのだろうか?
「おお、タゥは馴染みの娼婦がいるんですね。ますます興味深い。条件とは何です?」
「簡単な事だが、まず女に縛り上げられる事を了承しろ。それと、ナディアに犯される事を望まなくても良いのだと説明しろ。正直、可哀想なのはナディアだ。普通に嫁として愛するのが無理なら、婚約を取り消して貰って来い」
「女に縛られ……? それは、タゥも経験している事なんですか」
「無論だ。縛られながら犯されると、泣いてしまう程良いぞ。たまの贅沢という奴だな」
ちらりと、ランディがレアを見る。
レアは「嫁と協力しあえば、月に一度位は通えますわよ……」と助言した。
「嫁公認でそんな趣味があるなんて……! 僕は興味があります。ナディアにはちゃんと説明しますので、宜しくお願いします!」
「じゃあ、明明後日の朝、ここに来い。町の店まで一緒に行くぞ」
「僕はタゥが犯されている所も見たいのですが、良いでしょうか?」
これには、レアが首を振った。
「まずは、ご自分で体験されたら如何かしら……」
「そうですか、分かりました。僕にも妬いてしまうなんて、可愛らしい奥様ですね。お二人が思っていたより仲むつまじくて、僕はもっと興味がわきました。今後も勉強させて下さい」
ランディはそう言って去っていった。
「レア、俺の居ぬ間にランディを家に上げてはならんぞ。あれは犬のふりをした狼だ」
「その狼を、どうなさるおつもり……? あなたは、ひとり楽しげで羨ましいですわ……」
レアはかちゃりと玩具を取り出してみせた。
「今夜は……わたくしに責めさせて下さい……」
「良いぞ。明日も町に出向く故、そのつもりでな」
「かしこまりました……。あなた……」
その夜のレアは、とても良かった。
たまにはねちっこく責められるのも悪くない。
上機嫌なレアを胸に、タゥは眠りにつくのだった。
翌日、タゥは町に向かって歩いていた。
やがて石畳の道が見え、道具屋がアカネの実のジュースを売り歩いていた。あたりは祭で浮かれており、鉄粒3個なら痛くないようだ。
「繁盛してるじゃないか、ジャック。早朝なのに人出が凄いな」
藍色の長い髪の男が、タゥの声に振り返る。
「タゥ、査定か? まずはアカネの実のジュースだよな!」
「ああ、頂くよ。それとジャック、相談があるんだが……」
「毎度あり。暗い顔してないから、悪い話じゃあ、なさそうだな」
タゥはリュックを渡すと、昨夜のランディの話をした。
「今日は銀貨2枚と銅貨70枚だ。確認してくれ。……へぇ、自分の奥さんを違う男に犯させたい、ねぇ。そりゃあ、男娼を用意すりゃあいけるだろうよ。でも、エーニャに縛らせる気なんだろう?」
「他人の嫁も自分で犯したいそうだ。嫁の交換が出来れば最高だと言っていたな」
タゥは金を数え、巾着にしまった。
「童貞のくせに随分なご趣味じゃないか。それで、エーニャに食わせて良いんだな?」
「ああ。本人に了解を貰ってる。淡い金髪のまだあどけない少年だ。俺の妻に興味を持ったようだから、馴染みの娼婦を奢ってやると言ったんだ。多少、お仕置きしてやって欲しい。明後日、店まで一緒に行くと言ってある」
「わかったよ。段取りは俺に任せてくれ。タゥは、そいつを連れて来てくれたら良い。後はこっちでやっとくよ」
「有り難い。それで、値段なんだが……」
「今月、タゥに縛って貰う女、二人追加していい? そしたらタダでいいよ」
「そうなのか? じゃあ、それでお願いする」
「ああ、任せといてくれよ。それで、今日は縛っていくのか?」
「ああ。一人、手配出来るか?」
「あったり前だろ。じゃあ店に行こうぜ。……おーい、店番頼むなー!」
ジャックは初老の男性と店番を変わり、店から出て来た。




