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ケラソの家のタゥ  作者: yahagi
無理矢理な結婚
33/191

将来有望

 すっきりと片付いた部屋で、ミクは上座、タゥは下座に腰を下ろした。


「あっ、振る舞いのアカネの実の酒を持ってくるんで、待っていて下さい!」


 そう言うとミクは廊下に駆けてゆき、やがて酒杯を持って戻ってきた。

 手渡されたアカネの実の酒を飲んでいたが、やけに近い場所に座るミクに困惑した。


 隣にぴったり座ったミクは、思い出したかのように「あっ、ご説明していませんでしたね」と言った。


「私は、タゥの子供を欲しいと考えています。黙して三年待つつもりでしたが、早くお会いできたのは僥倖でした。重ねてお礼を申し上げます」


「それはいいんだが、なぜ俺の子供が欲しいんだ? それに、ちょっと離れよう。まずは落ち着いて話をしてからだ」


 それでちょっと離れたミクは、ふてくされたように頬を膨らませた。


「やはり私では、幼すぎるでしょうか? これでも15歳になったのですよ?」


「ミクは十二分に魅力的だ。しかし、我慢するのが大人というものだ」


「タゥと同じ16歳で、ルドの家のケディという男がいます。15歳の時に未婚の女を孕ませて、生まれた子供に見向きもせず、責任も取りません。その男の毒牙にかかった女は他にもいるそうですが、私は知りません。私はその男に狙われているのです」


「なるほど。しかし、そんな事をしては罰則も重かろう? 族長ラピグゥが許すとも思えぬな」


「ルドの家は多額の罰則金を支払いました。ケディは気の迷いだと言い張り、家に守られたのです」


「そして次はお前が狙われているわけか。確かにお前は、美少女だ。しかしどうして俺の子が欲しいという話になるのだ?」


 ミクは肩をすくめて、しぶしぶ話した。


「ケディは、幼なじみであるのです。悪い男だと分かっていても、外面が良すぎてうちの両親も無碍に出来ません。実際、怖くてたまらないのです。先に孕んでしまえば、興味を失うかと思って……」


「気負いは買うが、一度で孕むとは限らんぞ」


「ええっ、今日の午前中いっぱい使っても無理ですか? も、もうちょっとくっつきます?」


「わかったぞ。お前には性教育が足りておらぬのだ。実際、どうやって子供が出来るか知っておるまい」


 そう言うと、ミクは真っ赤になって頷いた。


「お、お母さんがそれは大好きな人に教えて貰うものだって、言ってたんです」


「俺もそれは同感だが、予備知識はあったほうがよかろう。ケディに狙われているようだし、まったく知らぬままでは騙されてしまうぞ」


「タゥが……教えてくれますか?」


「俺でいいのか? 俺もずるい男であるのだぞ」


「タゥは……責任から逃げないと、サランが言っていました。私は、そんなタゥが好きです」


 力強い、覚悟のある瞳だった。タゥは得心して、性教育の先生になったつもりで性交渉について語ってみせた。


「……以上だ。後は回数を重ねて、運が良ければ孕む事になる。子供は授かり物だ。いつ来るかはわからない。……ケディに孕まされた女は、運が悪かったな」


「う、うん。でも今は子供と幸せそうにしてるから……。それにしても、びっくりしちゃった。子作りって、簡単じゃないんだね」


「そうだな。愛おしむ時に大事なのは、相手を慈しむ心だな」


「へえー。ここがそんな風に……」


「男の股間を、そんな風に見つめてはいけない」


「ちぇっ。興味があるんだもん、いいでしょ? タゥの他は聞ける人もいないんだしさ」


「キリクに聞け。キリクは物知りだから、性教育もきっと楽しいぞ」


 くっくっく、と喉で笑いながら言うと、ミクは仕方なさそうに笑ってくれた。


「なんか、思いっきり子供扱いだね。仕方ない、勉強して三年後を目指すよ」


 ミクは不満げだったが、タゥは将来有望な美少女と縁を紡げて満足だった。



 これは、べつの話になる。

 一週間とすこし後、タゥは一人でルドの家のケディに会いに行き、二人きりになったところでエーニャから習い覚えた緊縛の技を使ってみせた。

 日々を退屈していたのだろう。ケディは緊縛にのめり込み、這いつくばってタゥの足指を自ら舐める程喜んで見せた。

 かくして、エーニャの店に常連が一人増えた。タゥと違うのは、コース名だ。ケディが選んだのは、その名もペットコース。

 見られるのも苛められるのも大好きであったケディは、感度が良く、ついでに顔も良く、お姉様がたに大層可愛がられているそうである。


 ケディはクズだったため、その屈強な身体を遠慮なく緊縛する事ができた。多少模索する部分もあったが、結果的にうまく嵌まってくれた。

 エーニャも店に太客が増えたので、ご機嫌で縛らせてくれた。ただ、ジャックが悔しそうにしていたのが印象的であった。緊縛の相手に男を選んだ事が気に障ったらしい。あんなクズに妬かなくてもいいのに、と思う。


 とにかく、ケディはあっさりとミクを諦めたし、良いこと尽くしである。



 この日も順調に狩りを終わらせ、家に帰ってきた。

 レアにいつも通り迎え入れられ、晩餐を食する。


「明日は久しぶりに予定を入れていない。明日は夫婦水入らずでゆっくりと過ごそう」


「嬉しいです……あなた……」


「それと、ミクの事だな。婚姻ではなく身体を狙われるなんて事が、ケラソ族で起きるのだな。俺はもっと厳格だと思っていた」


「本家の力が足りず……申し訳ありません……」


「いや。人間の集まりなのだからこういう事もあるのだろう。クズの対処は俺に考えがあるので、ひとまず任せて欲しい」


「はい……。あなたの思うままになさって下さい……」


 レアは微笑むと、速やかに晩餐の残りを片付けた。


 床を延べつつ、タゥが玩具の用意をしていると、レアが全裸になっていた。


「あなた……今日はわたくしに……その玩具を使わせて頂けませんか……?」


「何? 俺を責め立てようと言うのか?」


「ご指示の通りに……動きますから……どうか……」


「ふん、それも一興か。良いぞ。踊ってやる。まずは上半身から舐めて貰おうか」


「はい……嬉しいですわ……」


 レアは喜び勇んでタゥの身体に舌を寄せると、一心不乱に舐めだした。


 その後、感じる部分に玩具を当てられ、タゥは何度もいった。


 一際良かったのは、レアのしなやかな手で扱かれながら、振動する玩具を先端に当てられた時である。


「ああレア、良い……っ、ああ、あん、ああっ」


 思わず喘いでしまう程良かったのである。

 これにはレアも大喜びで、しつこく何度も同じ事をして思う存分タゥを喘がせた。


 玩具によって情欲に火がついたタゥの身体は熱く、深い青の瞳は欲情にきらめいていた。

 レアはタゥの上に乗ってゆったりと動きながら、その美しい顔が快楽に歪む様を、幸せそうに見つめていた。

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