事件の結末
マジョリーは震えていた。
シャツはびりびりに破かれ、下肢は丸出しである。
銀髪の長い髪は、抵抗したせいで千々に乱れていた。
紫色の大きな瞳は、今にも涙がこぼれ落ちそうである。
マジョリーは痛々しげで、はかなく、なによりも扇情的であった。
ごくりと、唾を飲んだのは、執事である。
「メイドをお呼びしましょうか」
「要らん。私がやる」
ジャンガルは手ずからマジョリーの身支度を整えてくれた。
「着いてきなさい。酷いことはしないから安心なさい」
マジョリーは頷いて、ジャンガルの後についていった。
酷いことはしないって言われたのに、マジョリーは正常位で貫かれていた。
「ひっく……酷い事しないって、言ったのに……っ」
「これは楽しい事だよ。指で気持ち良くいけたろう?」
そう言ってジャンガルは、鍛え上げた身体で持って、腰を打ちつけてきた。
「さぁマジョリー。私に全てを晒すんだ。弱いところを一つずつ、暴いてあげよう……」
「いやっ、いやあ……」
マジョリーは首を振って逃れようとしたが、ジャンガルに抱き込まれていて無理だった。
身体の奥に、深く楔が打ち込まれる。
「おや、いってしまったね、マジョリー。気持ち良かったかい? ふふふ、声を上げないなんて、気丈な所が愛らしいね。そうだ、我慢比べしようか?」
「もう……やめて……っ」
「ほら、ここも擦ってあげようね。ほら、気持ち良いだろう? 大丈夫、君もすぐに大好きになるからね」
三回目までは、耐えたのを憶えている。
しかし、四回目からは、胸の尖りを舐め回されたあげく肌を吸われ、陰茎をしゃぶられ、とうとう声をあげてしまった。
「やっと素直になったね。じゃあ、一緒に楽しもう。君の弱い所をたっぷり突いてあげるからね」
いや、という言葉を繰り返しながら、マジョリーは高い声で喘いだ。
嬌声に満ちた部屋でジャンガルは腰を振るった。
真っ赤に染まり、快楽に喘ぐマジョリーの姿は、自慰を覚えたての少女のように初々しく、いやらしかった。
マジョリーの薄紅色の唇に何度もキスをするジャンガルは、マジョリーに夢中であった。
それから、夜は一晩中犯される事となった。
日中は用事があるらしく、ジャンガルはいない。
夜に戻ってきて、マジョリーを抱くのである。
「あっ、あっ、あっ、ジャンガル……」
「もういきそうかい? じゃあ次は四つん這いでしようか。随分快楽に慣れて来たね。いい子だ」
ジャンガルはマジョリーを恋人のように扱ったが、ジャンガルの要請を断る事は許されなかった。
いつしか舌技を仕込まれ、奉仕をする。
ジャンガルはご機嫌であった。
「ああ、気持ち良いよ。マジョリーは覚えが早いね。じゃあ、上に乗ってみようか」
ジャンガルはマジョリーにのめり込み、マジョリーの華奢な身体を幾度も突いた。
それは、16日目の事だった。お昼にお腹一杯食事を摂り、うつらうつらとベッドで微睡んでいたときのことである。
どさりと、ベッドに潜り込む姿があった。
金髪の巻き毛で、血のような赤い瞳をした男、ジャンガルである。
ジャンガルは性急にマジョリーの身体に押し入ってきた。
これは、常にない事である。
ジャンガルは激しく腰を打ち付けてきた。
マジョリーは嬌声をあげ、ジャンガルに抱き付いた。
「あんっ、あんっ、あんっ」
何度いっても、ジャンガルは許してくれなかった。
力任せに腰を振り、マジョリーをかき抱く。
明らかに異常であったが、マジョリーは揺さぶられ続けた。
終わりは、唐突に訪れた。
「リムジン家のジャンガル! 陛下の要請の元、ここに討伐する! 神妙に沙汰を待て!」
どやどやと踏み入って来たのは、聖騎士達だ。
皆、つるりとした銀色の鎧を身に付けている。
ジャンガルは入っていたものをずるりと引き抜き、ベッドの横にあった剣を手に取った。
「反抗するならやもえん! 皆、かかれ!」
五人もいる聖騎士を迎え撃ちながら、ジャンガルは一太刀も受ける事なくかわしきっていた。
するりとジャンガルが逃げようとする。
しかしそこへ、ヨナルドが踏み込んだ。
「隊長!」
「おのれ、女のところにいたか! 冥土の土産に、女も一緒に送ってやる! 覚悟!」
六人の聖騎士に囲まれながらも、ジャンガルは善戦した。
不意に、マジョリーのもとへふらふらと近付いていく。
「マジョリー……、君と一緒なら……ば……」
ジャンガルはヨナルドに首を切られて絶命した。
「終わった……の?」
「君は……マジョリーじゃないか。別邸にいないと思ったら、こんな所にいたのか!」
ヨナルドは、まだ情交の跡が深く残るマジョリーを見て、痛々しげに目を伏せた。
「マジョリー、良くやってくれた。巨大マーケットも一網打尽に出来たし、ジャンガルも討伐出来た。ここで頑張ってくれた君のおかげだ」
ヨナルドはマジョリーに敬礼すると、部下に指示を飛ばした。
「被害者一名確保だ。これで全員だな。メイドに支度を急がせろ」
「はっ」
16日間にも及ぶ大捜索網は、それで終わりを告げた。
マジョリー改め、ジュネはやっと家に帰り、ゆっくりと眠る事が出来た。
三日後、つやつやと元気なジュネの姿が、アスティ家にあった。
理由は、ヨナルドに呼ばれたからである。
ちなみに、事件に協力した報酬は、銀貨50枚。
きっちり頂いている。
「やあ、ジュネ。よく眠れたようだね。何よりだ。君の好きそうなケーキを買ってきたんだ。良ければ、一緒に食べよう」
「……うん」
「それで、観劇に行かないか。早朝にやっている面白い劇があるんだ」
ジュネはケーキを食べながら頷いた。
「うん、見てみたい! 楽しみだなぁ」
「そ、そうか。じゃあ、明日は家まで迎えに行ってもいいか?」
「うん、いいよ! 父さんと兄さんが挨拶を強請るかもしれないけど、それで良ければ……」
「勿論だとも。手土産を持って伺おう」
ヨナルドは短髪の精悍な男である。
聖騎士の隊長を勤めていることから、将来有望な事も伺える。
短い夢を見せてやることに、タゥ達も異存はなかった。
「ベッドインまで、何日かかると思う? 俺は三日」
「俺は七日だな」
ジャックの問いかけに、タゥが答える。
正解者は、タゥ。
ジュネは大事にされているらしい。




