三月に散る花心
本作は、仙道アリマサ氏主催の『仙道企画その5(ボカロ企画その2)』参加作品です。
道端で啼いてた 子猫を抱き上げた
その人の笑顔 私の胸が鳴る
先輩と呼びたい 同じ高校へ入った
タオルとスポドリ 毎日渡していた
明日 もう 卒業
言えなかった気持ちは
蕾のまま 心の奥に
しまっておくの 赤い鍵をかけて
いつか春の風に 花が開く時
そこには先輩 あなたにいて欲しい
だけど先輩の横には 髪の長い彼女
散りゆく花が ひらり
***
みちばたでないてた こねこをだきあげた
そのひとのえがお わたしのむねがなる
せんぱいとよびたい おなじこうこうへはいった
たおるとすぽどり まいにちわたしていた
あした もう そつぎょう
いえなかったきもちは
つぼみのまま こころのおくに
しまっておくの あかいかぎをかけて
いつかはるのかぜに はながひらくとき
そこにはせんぱい あなたにいてほしい
だけどせんぱいのよこには かみのながいひと
ちりゆくはなが ひらり
もっと良い相手がいるよ、とか言われても、好きなんだから、仕方ない。
でも泣かないで欲しい。
いつか、きっと……。