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66話:勇者、孤島に行く

島左近清興だ、ワシは今、ある事業に取り組んでいる、それは特産品作りである。かつてワシは主である石田治部の命を受けて、会津に赴き、大老の一角である会津中納言上杉景勝あいづちゅうなごんうえすぎかげかつ公と石田治部の盟友である直江山城守兼続なおえやましろのかみかねつぐ殿と対面した。二人も徳川家康の台頭を恐れ、共に打倒を誓った。特に直江山城守殿は誰よりも家康を危険視しており、上杉が会津で火の手を上げ、家康を誘き出し、東西より挟み撃ちにする計画だったが、失敗に終わった。まあそれは置いといて、直江山城守殿はこの会津にて城の建築や城下町の整備の他に、特産品作りに着手しようとしていた。かつて上杉謙信公が青芋を使い、麻布を作り、それを売って莫大な軍資金を成したという。直江山城守殿は謙信公の特産品の奨励にあやかり、この会津にて行おうとしたのこと・・・・


「さて、特産品だが・・・・」


ワシが治めている土地で産出されるのは【サコン湖】から取れる湖塩【サコン湖塩】がある。だがそれだけでは物足りない、そこでワシはこの湖塩を使って、味噌と溜まり(醤油のルーツ)の生産及び菓子作り、また米とサツマイモと葡萄を使った酒造り、職人を集めて工芸品作りに着手、そして偶然見かけた青芋、直江山城守殿に一度見せてもらったが、間違いない・・・・


「よし、特産品作りの開始だ。」


島左近が始めた特産品作りを着手し、後に【サコン湖塩】の他に【塩味饅頭】【塩味餡大福】【塩味クリーム餡大福】【沢庵漬け】【川魚料理】【天ぷら】【味噌】【たまり醤油】【清酒】【芋焼酎】【葡萄酒】【各種工芸品】【青芋織物】【乾パン】【金平糖】【兵糧丸ひょうろうがん】【飢渇丸きかつがん】【水渇丸すいかつがん】等が生産され、名物となったのは先の話である


「左近様。」


「如何した、与一。」


「はっ!【ガルバトロズ】本部の信者たちが、【ガルバトロズ】支部を焼き討ちしたと知らせが入りました。」


「何!仲間割れか!」


「はっ、詳しくは存じませぬが、どうやらそのようで・・・・」


【ガルバトロズ】本部の信者が支部を焼き討ちにした。一体どういう事だ・・・・


「奴らの動きがどうも解せん。」


「恐らく本部の方で何かしら動きがあったのやもしれませぬ。」


「うむ、領内の監視を怠るな。【ガルバトロズ】の者を見つけ次第、捕らえるのだ!」


「ははっ!」


我が領内の監視を怠らず厳重に監視した。特に人気のない場所は与一の追跡動物を使い、くまなく探すと、【ガルバトロズ】ではないが、ゴロツキやスリや詐欺師等が捕まった。奴らはなぜ、悪事がばれたのか困惑していたが、人ではなく動物なのだからな。【サコン町】に駐在する警備隊は良い仕事をしたな


「左近様、また罪人を捕らえ申した。」


「左様か。」


まあ治安が良ければそれで良しとするか。【サコン町】の治安の良さが評判となり、次々と移住者が増加し、町が拡張していった。その分、新たに田畑の拡張も行った。例のため池のおかげで、氾濫も起きず水量も変わらず、水場争いといった問題は起きなかった


「左近様。」


「ん、如何した?」


「この屋敷に向かって、旅の者が近づいております。」


「何?」


知らせによると、追跡動物がワシらのいる屋敷に向かう旅の者を見かけたという。何者かは知らぬが監視を続けた。旅の者は真っ直ぐ、我が屋敷へ向かい、そして屋敷の前に到着した


「来たな。」


「御意。」


我が屋敷の使用人の一人が旅の者と応対した後、使用人は屋敷へ入った。使用人は真っ直ぐワシらのいる部屋の前に到着し、ノックをした。ワシらが許可を出すと使用人が入ってきた


「失礼します。」


「如何した?」


「はい、旦那様にお会いしたいという者が尋ねて参りましたが・・・・」


「誰だ?」


「名は名乗りませんでしたが、旦那様が地主になる前に、一度、【ガルバ町】でお会いしたと申しておりました。」


ワシが地主になる前というと、ワシらが武人として活動していたころか、一体誰だ?と思いつつ、名を名乗らぬということは・・・・


「その者にこう申せ。ワシらは今、大事な客人と会談している。尋ねるのであれば別の日にしてもらいたいとな。」


「承知しました。ではそのように・・・・」


使用人が出ていった後、使用人が例の旅人にワシらの言った事をそのまま伝えると、旅の者は「また尋ねる」と言い残し、そのまま去っていたのである。追跡動物はその旅人の後を追っていくと、旅人は宿の中へ入っていった


「あの宿へ泊まったようだな。」


「左近様、このまま監視をいたします。」






その頃、【ガルバトロズ】支部の者たちは突然、本部の者が神兵を連れてやってきたことに驚いた


「こ、これは何の真似だ!」


「貴様らが麻薬を栽培しているのは明白だ!」


「な、何の証拠があって・・・・」


「これから調べる、そこをどけ!どかぬとこうだ!」


そう言うと神兵の一人が剣を抜き、支部の者を切り捨て、そのまま突入した。神兵たちの突然の襲来に支部の信者たちは抵抗もできずにいた


「あったぞ!」


一人の神兵が麻薬の入った箱と麻薬栽培の畑を見つけた。更に麻薬中毒者たちを発見した


「薬をくれえええええ!」


「早く、早く薬をくれええええ!」


誰の目から見ても麻薬中毒に陥っている者たちを見た本部の者は激昂した


「全員、皆殺しにしろ!」


そして神兵たちは支部の者たちを1人残らず血祭りにあげた。中には老人や女子供もいたが、容赦なく首を跳ねた。支部長はもう二度と麻薬は作らないと命乞いをしたが聞き入れられず首を跳ねた。麻薬中毒者たちは保護された


「火をかけろ!」


その後、神兵たちによって火がかけられ、支部は紅蓮の業火につつまれたのである。その頃、麻薬中毒に陥っていたチャブムとコバヤシを幽閉している【ガルバトロズ】支部は本部が他の支部を焼き討ちをしたという知らせが届き、戦々恐々としていた


「おい、このままだと我等も他の支部の二の舞だぞ!」


「どうする!」


「逃げるしかねえだろ!」


「おい、あの二人はどうする!」


「ほっとけ、今は逃げる方が先だ。」


支部の者たちは麻薬などを箱に入れ、そのまま逃亡した。それから数日後、本部の神兵が駆けつけた時には屋敷は既にもぬけの殻になっていた


「念のために調べよ!」


神兵たちは、くまなく探すと、身体は衰弱し、麻薬中毒に陥っていたチャブムとコバヤシを発見した


「薬~~~~、薬~~~~。」


「ヒイイイイ!こっちへ来るな!来るな!」


「この二人を捕らえよ。」


チャブムとコバヤシは神兵によって保護されたのである。その後にチャブムとコバヤシは【ガルバトロズ】本部の預かりとなったが・・・・


「おい、こいつら指名手配されている脱獄犯のチャブム・ブレスとコバヤシじゃないか!」


「あぁ、間違いない!」


「どうする、こいつら。」


「とりあえず警備局へ明け渡すか。」


チャブムとコバヤシは【ガルバトロズ】本部と懇意している警備局に明け渡し、チャブムとコバヤシは再び逮捕されたのである


「「薬~、薬をくれええええ~!」」


「とことん、堕ちたもんだな。」


「コイツら、どうします?」


「島流しにしてやるか。」


警備局は刑務所へ移送せず、鳥も住まない絶海の孤島へと移送されたのである。船で運ばれる中、チャブムとコバヤシはひたすら麻薬を求めていた


「「薬~、薬~、薬を寄越せ!!」」


「隊長、コイツら海に放り投げましょう。」


「まて、島まで後少しだ。」


警備隊の1人が檻の中で暴れる二人を荒れ狂う海に放り投げようかと考えたが、上司に止められ未遂に終わった。そして孤島に到着した途端、檻から二人を連れ出し、そのまま捨て去った


「薬、薬を!」


「うるさい!」


「ブヒっ!」


「ぎゃ!」


二人は絶海の孤島に捨てられ、船はそのまま去っていった。かつて勇者として野望と欲望を秘め、ガルバ町に訪れたが、二人は野望と欲望に忠実すぎて、逮捕され刑務所に入れられた。二人は脱獄し、野望と欲望の旅に出たが、運悪く麻薬中毒に陥り、絶海の孤島に放り込まれたのである


「「薬、薬を寄越せえええええ!!」」











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