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64話:嵐の前の静けさ

誤字報告ありがとうございます

島左近清興だ、シュバルツ王国より【準男爵】という爵位を与えられた。貴族には属さないが名誉ある称号であり、子々孫々まで受け継ぐ爵位として平民の中で上位互換の地位である


「ふぅ~、とりあえず問題は解決したな。」


「ははっ!」


「そういえば祭りが開催されるようだな。」


「はっ!町の誕生を記念しての祭りだとか。」


「なぜか知らぬが、ワシが準男爵になった事を知って、町の誕生とともに祭りも行われるらしいな。」


「まあ、町の誕生のついでの記念でしょう。」


「まあ、良い。ところで不届きものの始末はつけたか。」


「勿論。」


ワシの所領を取り上げるよう讒言をした公家【貴族】たちは事故死・病死に見せかけて密かに暗殺したのである。例の【準男爵】の件で沈静化したが、また噴き出す可能性があるためやむを得ず行ったという事情もあった。王都では立て続けに貴族が死んだことで国王ロバート・シュバルツは突然、綱紀粛正を行った。どうやら国王は不正や汚職をしている公家【貴族】の粛清を前々から計画しており、今回の死亡案件を機に乗り出したのである。その結果、不正や汚職をした公家【貴族】を粛清することに成功したのである


「まあ結果、万々歳だな。」


「御意。」


ようやく町ができあがり、【サコン町】と名付けられ、島左近清興は初代町長に就任した。【ガルバ町】と違って【サコン町】は比較的小さい町であるが、徐々に限界まで規模を増やしていく所存だ。それと同時に【準男爵】襲名記念のお祭りが行われた。ワシも祭りに援助した事で祭りは盛大に行われた。祭りの噂を聞きつけ、【ガルバ町】から続々と人が訪れ、大賑わいになった。その中には知った顔も混じっていた


「【サコン町】の誕生と【準男爵】の誕生を記念して乾杯!」


「「「「「乾杯!」」」」」


互いに洋杯コップをコツンと軽く当てながら、互いに飲みあう移住者にワシはその祭りを特等席にて眺めていた。この世界に来て約10年、そんなワシが地主・町長・そして【準男爵】の爵位をいただくとはな・・・・


「旦那様。」


「うん?どうしたアリーナ。」


「いや、先程から物思いにふけっておられて・・・・」


「ああ、我ながら、ここまで来るとは思わんだと思ってな。」


「人生何があるか分かりませんものね。」


アリーナの言う通り、何が起こるか分からないものだ。ワシはこの平和な一時を噛み締めつつ洋杯コップを傾けた。祭りの方は見たことがない不思議な舞や楽器演奏、また手品という摩訶不思議な奇術を披露しワシもアリーナと一緒になって楽しんでいた


「これほど珍しい物が見れるとはな。」


「えぇ、私も見るのは初めて。」


祭りが終盤に差し掛かった時、締めの花火が真っ暗な上空に華開いた。花火は様々な形を変えて、色鮮やかに輝いた


「綺麗ですわね。」


「そなたもな。」


「もう~、旦那様ったら(照)」


花火も終わり、祭りに参加した者たちは家路へと帰り、祭りを企画した者たちは後片づけをしていた。ワシも与一、アリーナ、ウルザ、使用人たちと共に屋敷へ帰った


「旦那様、祭りに参加して良かったですわ。」


「ああ、皆も楽しんで居ったしな。」


「左近様、祭りも娯楽の一つ、息抜きには良いでしょうな。」


「そうですわ主様、そういたしましょう!」


「そうだな、祭りもいいものだ。」


屋敷へ帰った後、与一らの勧めで先に風呂に入った。湯船で疲れを癒すと、背後から気配を感じた。振り返ると、生まれたままの姿のアリーナが入ってきた


「旦那様、御一緒してもよろしいですか?」


「あ、ああ。」


アリーナは風呂に入り、ワシの隣に座った。ワシはあまりの事に少々、戸惑っており、何を話そうか考えていると・・・・


「旦那様。」


「あ、ああ、如何した?」


「実は今日、子供ができやすい日なのです。」


「そ、それは誠か!」


「ええ、だから今日は旦那様の子種を私に・・・・」


アリーナは顔を赤らめながら、子種を催促してきた。それを聞いたワシの刀は怒張した。ワシはアリーナを抱きしめつつ、口吸い(キス)をした。アリーナも突然の事に戸惑いつつも、受け入れ、口吸いし直した


「アリーナ、今日は寝かせぬぞ。」


「はい♡」


その後、ワシとアリーナは風呂とベッドの上で朝まで子作りに励んだ。それが効いたのか懐妊したのであった


「貴方、主様と奥様に負けずに私たちも子供を作りましょう!」


「あ、ああ(明日は寝不足だな・・・・・)」


別件だがワシとアリーナの行為に触発されてか、与一とウルザも子作りに励み、こちらも懐妊したのはゆうまでもなかった





その頃、王宮では不正・汚職をしていた貴族の家々の粛清を終えた後に驚くべき情報がもたらされた


「何!【ガルバトロズ】を支援していた家があっただと!」


「ははっ!どうやら粛清した貴族の中から【ガルバトロズ】と密かに通じていた家々を突き止めましてございます!」


「おのれええ、【ガルバトロズ】めが!」


ロバートは怒りに震えていた。新興宗教団体【ガルバトロズ】、表向きは人民救済を謳い、貧民を中心に評判が高いが裏では麻薬を栽培及び売買をして、社会問題にもなっている等、犯罪組織の一面もある。現在は各国が協力し、一層の締め付けを行っているが、まさか我が国の貴族たちが奴らと通じていたとは、流石のロバートも見抜けなかったようである


「他にもおるはずだ、隠密を使ってでも焙り出せ!」


「ははっ!」


その後、【ガルバトロズ】を援助していた貴族らが続出し、新たに粛清されたのである。【ガルバトロズ】を支援していた貴族は公爵が2名、侯爵が2名、伯爵が4名、子爵が5人、男爵が12人と計25人にのぼった。全員、身分剥奪の上、衆人環視の下で絞首刑に処された


「上意!その方共は、徒党を組み、犯罪組織【ガルバトロズ】に支援した罪により、絞首刑に処する!」


それを聞いた元貴族たちは顔が青褪めたり、泣きべそをかきながら命乞いをしたり、完全に戦意喪失状態であった。その後、元貴族たちは兵士たちに力尽くで連れ出され、首に縄がつけられた


「早く処刑しろ!」


「そうだそうだ!」


「みっともねえぞ!」


貴族の処刑を今か今かと待ち望んでいた国民たちはやいのやいの催促された。もはや国民たちが今にも暴動が起きそうなので、すぐに処刑を開始した


「これより処刑を開始する!」


「「「「「オオオオオオオオオオ!」」」」」


待ってましたと拍手喝采を送る民衆を鎮めつつ、兵士たちはスネアドラムを叩き続け、叩き終わるのと同時に元貴族の背後にいた兵士が椅子を蹴り上げた


「ぐふ!」


まず一人目の元貴族が首は縄によって首が絞めつけられ、時が経ち、絶命した


「い、嫌だ!死にたくない!」


「だ、誰か離してくれ!」


「暴れるな!」


一人目の元貴族の処刑を目の当たりにし、残りの元貴族たちは暴れ始めた。暴れた拍子に椅子を蹴ってしまい、そのまま首を吊ってしまう。もはやグダグダな処刑に兵士たちは、合図を待たずに椅子を蹴って残りの元貴族たちが首を吊った。それを見ていた民衆はあまりの滑稽な有様に呆れと嘲笑を浮かべた


「みっともねえな。」


「今まで偉ぶっていたくせによ。」


「散々、贅沢してきたんだ。いい気味だぜ。」


シュバルツ王国の歴史に残るほど、醜く滑稽な処刑はこうして幕を下ろしたのである。その処刑は人から人へ噂が流れ、島左近の下にも届いた


「それは誠か。」


「ははっ!どうやら他にも【ガルバトロズ】に通じていた者がおり、衆人環視の上で絞首刑に処されました。その処刑はあまりにも見苦しかったもので民衆からは呆れと嘲笑を占めておりました。」


知らせを聞いたワシは呆れつつも、改めて【ガルバトロズ】の脅威が根付いていることに危機感を抱いた


「与一、領内の監視は怠りなくせよ!」


「ははっ!」


「我が領内も王宮の二の舞は御免だからな。」


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