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49話:平穏その3

誤字報告ありがとうございます

島左近清興だ、【ガルバ町】に金塊を見つけ出した犯罪組織【ガルバトロズ】の一味を密告し、1人を除き逮捕した事がガルバ町内に広まった。ワシらは【イザナミ】にいて、アリーナとウルザと一緒に【ガルバトロズ】の話をしていた


「サコンの旦那、聞きましたか、【ガルバトロズ】の話?」


「あぁ、聞いた。」


「誰かの密告で捕まったらしいですけど、誰なんですかね?」


「【ガルバトロズ】は敵が多くいたらしいからな。」


本当はワシらが密告したのだが、まぁ、そんなことはどうでもいいが。するとアリーナがユカリの事を話し始めた


「そういえば最近、ユカリの様子が変なんですよ。」


「ユカリ殿の?」


「えぇ、何か思い詰めた感じで何があったのか話をしようとしたんですが、体よく断られて・・・・」


恐らくだが、この間、例の旅装束【ガルバトロズ】の男の1人を見たとき、僅かだが驚きの表情を見せていた。あの中にユカリの知り合いがいたのではないかと推測する


「こればかりはワシの口からは何とか言えん。まぁ、本人の口から言い出さなければ話が始まらんしな。とりあえずは様子を見ることだな。」


「やっぱり、そうなりますよね。」


それからの【ガルバ町】内は、【ガルバトロズ】の一件以来、警戒が厳しくなり、ガルバ町に用があって入る旅人も警戒の厳しさに溜め息や愚痴をこぼす者もいた。改めて【ガルバトロズ】の影響の大きさが伺える


「左近様、【ガルバトロズ】の一件がよほど響いたのでしょうな。」


「ああ、慈善事業を行っているから、余計タチが悪いがな。」


ワシらは正門前で手荷物検査を念入りにやる警備隊の熱心さに感心しつつ、それに付き合わされる旅人に同情した。その中にはベーカリーの姿もあった


「はあ~、任務から帰ったのに、待ちぼうけ食らうなんてよ。」


「ご苦労だったな、ベーカリー。」


「んあ、サコンとヨイチか。」


ベーカリーは任務帰りで【ガルバ町】で起こった事件について説明すると、ベーカリーは舌打ちし激高した


「全く、あの連中が麻薬の製造や売買なんてするから、こうなったんだ!」


「こんだけの事件が起きれば、【ガルバトロズ】の悪評がどんどんと広がるな。」


「当り前よ、最近では世間の目が厳しくなってるからな、各国でも奴らの締め付けが一層、厳しくなるだろうからな。」


「締め付けるだけで壊滅させないとか、奴らに遠慮する事でもあるのか。」


「あの連中は犯罪を行っていると同時に、貧民を相手に慈善事業を熱心に行ってるだろ、それで助かっている奴も存在する。民衆に人気があるから潰しにくいんだよ。」


「いつの世も矛盾だらけじゃのう。」


ワシらは世間話をした後、ベーカリーと別れ、昼餉にしようと食堂に寄ると、偶然にもユカリとバッタリ会った


「あ、サコン殿、ヨイチ殿。」


「ユカリ殿は昼か?」


「そうだ、ならば一緒にどうですか?」


「それは宜しいですな、左近様。」


「ああ、そうしよう。」


ワシらは食堂に入ると、中は混んでいたが、運よく空いている席に案内された。ワシらは席に着き、御品書きを見て、何を食べるか考え、決まった後、店員を呼んで注文した


「いらっしゃい、何にしますか?」


「ああ、ワシは五目炒飯を頼む。」


「某は海老炒飯。」


「私は海鮮炒飯を。」


「畏まりました。五目炒飯と海老炒飯と海鮮炒飯の3つですね。オーダー、五目炒飯と海老炒飯と海鮮炒飯!」


「はいよ!」


店員は大声でそう言うと、厨房へ向かった。料理が来るまでワシらは世間話をした


「サコン殿らは最近はどうなのですか。」


「まあ、ワシらはいつも通りだな。」


「ユカリ殿はいつも通り、悪い客相手に無双しているのか?」


「ははは、まあそんなところだ。」


「お待ちどうさま、五目炒飯、海老炒飯、海鮮炒飯です!」


そんなこんなで五目炒飯、海老炒飯、海鮮炒飯が運ばれ、ワシらの座っている席に置かれた。ネギと卵と豚肉と人参と椎茸とキクラゲ等、色とりどりの具材が米に混ざった五目炒飯、むき海老を中心に焼豚、玉葱、人参、椎茸等を米に混ぜた海老炒飯、海老と蟹、烏賊と蛸を米に混ぜた海鮮炒飯がワシらの食欲をそそった


「「「いただきます。」」」


ワシらは食事の挨拶を済ませた後、レンゲを持って炒飯をすくって口に運んだ。うん、美味い。ワシらは黙々とそれぞれの炒飯を味わった。食事の間は会話はなく、ひたすら炒飯を食べ続け、最後の一口を口に入れ、噛み続け、飲み込んだ


「「「ご馳走さま。」」」


炒飯を食べ終わり、立ち上がり、勘定を済ませた後、食堂を出た


「サコン殿、ヨイチ殿、私はこれで。」


「「さらばだ(ござる)。」」


ユカリはそのまま娼館【イザナミ】へと帰っていった


「普段と変わりませんな。」


「ワシらに気を使っての事だろう。」


食堂を後にし、ワシらはギルドへ向かった。ギルドへ向かう道中、警備隊が巡回しており、物々しい雰囲気だった


「仕事熱心ですな。」


「それはそうだろ、一味を知らずに引き入れてしまったからな。」


仕事熱心な警備隊を見送りつつ、ギルドに到着し、中へ入ると、ギルドの中にも警備隊がおり、受付をしているビルデと話をしていた


「ここにもおりましたな、警備隊。」


「ワシらは掲示板の方を見よう。」


ワシらは掲示板の方へと向かい、何か仕事がないか確認した。うむ、献上品【瑪瑙めのう】の護衛か、報酬も悪くないな


「与一、献上品の護衛があるぞ。」


「献上品の護衛にござるか、鉄鉱石の件を思い出しますな。」


「鉄鉱石か、3人は元気にしているだろうか。」


「ドレイク、レイナ、ドットの3人にござるか?」


「あぁ、献上品の護衛と聞くとあの3人を思い出してな。」


ワシらはあの3人を思い出しつつ、この任務を受けることにした。ワシらは受付に行くと、警備隊は既に帰っており、ビルデでワシらを気付いた


「これはサコンさん、ヨイチさん。」


「おお、この仕事を受けたいのだが。」


ワシらは例の献上品の護衛の仕事の張り紙を持ってきて、ビルデに渡した。ビルデは張り紙を拝読した後、ワシらに顔を向け、笑顔で答えた


「献上品の警護のお仕事ですね、分かりました。先方にお伝えいたしますね。先方からご返事が来たら、お伝えしますね。」


「心得た。」


「相分かり申した。」


その後、ワシらはギルドを出て、宿へ戻ることにした。その道中で風呂桶と手拭いを持った男女を見かけた。これから風呂屋へ行くのだろう


「宿に戻ったら風呂屋に行くか。」


「宜しいですな、宿の戻り次第、行きましょう。」


ワシらは足早に宿へ戻ることにした。宿へ到着した後、レイクから鍵を受け取り、ワシらの部屋に入り、早速、着替えと風呂桶と手拭いを持った。鍵を再びレイクに預け、ワシらは風呂屋に向けて歩いた。ワシらと同じように風呂屋に向かう男女、子連れ、老人等が風呂桶を持って、同じ場所を目指していた


「左近様、今日は混みそうですな。」


「ああ、そうだな。」


案の定、風呂屋は盛況で、ワシらも人混みに紛れながらも入ることができた。料金を払い、男風呂の脱衣所は人が多くおり、開いている私物箱ロッカーを見つけ、着物を脱ぎ、鍵をかけた後、大浴場へ向かった


「混んでおりますな。」


「ああ。」


大浴場は人がいっぱいおり、ワシらは体を洗うために数少ない洗い場を確保し、シャボン(石鹸)を使って、体を洗った。体を洗っている間も、待っている他の客もいて、続々と入れ替わり、体を洗っていた


「これじゃあ、ゆっくりもできんな。」


ワシらも体を洗い終えて、やっと風呂に浸かることができた。肩まで浸かり、体を温めた。ワシらの他にも子供や男親、老人が風呂に入り、子供同士がバシャバシャと遊び、男親に怒られているのが目についた


「次からは空いた時に入りたいものですね。」


「そうだな。これじゃあ落ち着いて湯に浸かれぬな。」


ワシらは風呂に浸かった後、蒸し風呂サウナに入らず、そのまま脱衣所へと向かった。脱衣所には他に客がいっぱいおり、ワシらはすぐに着替え、鍵を番頭に渡し、風呂屋に出た。外はすっかり夕焼けになっており、そよ風が心地よかった


「はあ~。風が心地よい。」


「左様ですな。」


「さて宿へ戻るか。」


「御意。」




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