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42話:自棄酒

島左近清興だ、シュバルツ王国を騒がせた人食い虎を仕留めることができた。虎が2頭いたことが予想外だったが・・・・


「後はギルドに戻って報告だな。」


ワシら3人は馬車に乗り、真っ直ぐガルバ町のギルドへ向かった


「サコン、俺も活躍したんだから、ちゃんと報告してくれよな!」


「分かっておる、主の働きもあるからな。だが褒美を与えるのは王国だからな。」


「頼むよ!本当マジで!」


そんなこんなでワシらは特に問題もなくガルバ町に到着した。ワシら3人はギルドへ向かった。途中で知り合いたちと会いつつ、ようやくギルドに到着した。中へ入り、受付に向かうとビルデが出迎えた


「サコンさん、ヨイチさん、ベーカリーさん!」


「オークラ殿はいるか?」


「はい、少々お待ちください!」


ビルデは奥の部屋へ入り、ワシらは待っていると、ギルド長のオークラ・ホールドが足早に駆け付けてくれた


「サコンさん!」


「オークラ殿、虎退治の任務を遂行致した。」


「おお!」


「ワシと与一、そしてベーカリーの3人が2頭の人食い虎を退治した事をシュバルツ王国にご報告願いたい。」


「分かりました。では早速、御三方の事をご報告いたします。」


「頼むぜ、俺は1頭の虎を仕留めたんだからよ♪」


早速、シュバルツ王国王宮行きの早馬がギルドから出発した。ワシらは報告をし終わった後、腹が減ったので食堂で早めの昼餉にした。早く来たせいか、店内は空いており、ワシら3人は一緒のテーブルに座った


「空いていて良かったですな、左近様。」


「そうだな。」


「腹が減ったな、俺はカツ丼大盛り一つだ!」


「早速、頼みおったな、ベーカリー。まあいい、今日はカツカレーにするか。」


「奢ってもらえると思っているからって調子に乗りおって・・・・」


ベーカリーの懐は馬車代で寂しくなっており、まあ、虎退治に貢献したから飯代を奢ってあげることにした。まあ、ワシはそれで構わぬが・・・・


「はい、カツドン大盛り、カツカレー、カレーライスお待ちどう!」


店員はワシらの座っている席に料理に置いていった。久しぶりに食堂の飯にワシらはそれぞれ食器を手に持ち・・・・


「「「いただきます。」」」


挨拶を済ませた後、昼餉に突入した。ベーカリーの男らしく豪快な食べっぷりを見せ、ワシと与一は静かに丁寧に食べ始めた。それを見たベーカリーはワシらの食い方にケチをつけ始めた


「なんだよ、お前ら、男らしく豪快に食えや!」


「放っておいてくれ、勝手であろう。」


「文句をつけるなら飯代、なしにするぞ。」


「わ、分かったよ。」


飯代なしにするという言葉にベーカリーはそれ以上、何も言えなかった。懐が寒くなったベーカリーは飯代なしは痛すぎる。それからは昼辺りになってから客が続々と集まり、店内が騒がしくなった。ワシらは昼餉を食べ終わった後、席を立ち、飯代を払い、食堂を出た


「さて俺は【イザナミ】に行くぞ!」


「おいおい懐が寒くなっているのに、余裕がないだろう。」


「まさか我等から集ろうとなんて考えてないだろうな。」


「違う違う。ロゼットに挨拶に行くだけだよ、流石に飯代以外で集ろうなんて考えてねえよ。」


「そうか、その前に身嗜みは整えておけ。まずは風呂で旅の垢を落としてからにしろ。ほれ、風呂代だ。」


「そうか、んじゃ遠慮なく!」


「現金な奴。」


「それじゃあな!」


「はぁ~、与一、我等は宿へ戻るか。」


「左様ですな。」


ワシらから風呂代を頂いた後、ベーカリーは真っ直ぐ風呂屋へと向かった。ワシらは宿へ戻ることにした。長旅もあって疲れたからな。ワシらはそのまま宿へ戻った。その道中でアリーナとウルザとロゼットとバッタリ会った


「旦那たち!久し振りじゃない!」


「あぁ。」


「サコンの旦那も、ヨイチの旦那も、任務からの帰り?」


「まぁ、そういうところだ。」


「サコンの旦那は今日も来てくれるの?」


「うむ、今日は長旅の疲れもあるから辞めておく、明日には伺おう。」


「そう、明日待ってるからね。」


そのまま3人と別れた。そういえばベーカリーが【イザナミ】に行っていたが、会えずじまいか・・・・


「とことん運のない奴だ。」


「はぁ?」


「ベーカリーの事だ。」


「あぁ~。」


宿屋に到着し、ワシらはレイク・ヒールがいた。レイクはワシらの姿を見かけ、出迎えた


「サコンさん、ヨイチさん、お帰んなさい。」


「あぁ。」


「はい、部屋の鍵です。」


「忝ない。」


ワシらはレイクから鍵を受け取り、そのまま自分達の部屋へ直行した。鍵を開け、中に入ると小綺麗に清掃されている部屋がワシらを出迎えた。ワシと与一は鍵をかけた後、それぞれベッドに座り、そのまま寝転がった


「はぁ~、疲れた。」


「同感です。」


「与一、お休み。」


「お休みなさい。」


ワシらはそのまま昼寝した。疲れが溜まってたから、そのままぐっすりである。どれくらい時が経ったのかいつの間にか、夕方になっており、同時刻に与一も目を覚ました


「随分、寝ていたな。」


「よほど疲れが溜まっていたのでしょうな。」


するとワシと与一の腹の虫が鳴った。ワシと与一は互いに顔を見合わせ、苦笑いを浮かべながら、夕餉を取ることにした。とりあえずワシと与一は鍵をレイクに渡し、そのまま食堂へ向かった。すると道中でベーカリーを見かけた。様子の方は誰が見ても分かるほど焦燥しきっていた。ワシと与一は正直、声をかけようか迷っていると向こうがワシらに気付いた


「よ、よお。」


「お、おう。」


「どうした?」


「ははは、実はな・・・・」


ワシらは試しに何があったか聞いてみた。ベーカリーは力なく笑い、理由を話し始めた。案の定、ロゼットの事だった。風呂に入り、身嗜みを整え、娼館【イザナミ】に行ったのだが、ロゼットは留守だったらしく、ベーカリーは引き返す事になった。ロゼットが戻る前にあちらこちら散策していると、道中でアリーナ、ウルザ、ロゼットの3人を見かけた。ベーカリーは3人の跡を追って、近づいたら、3人の会話が聞こえた


「ロゼット、そういえばベーカリーの旦那とはどうなの?」


「なんでベーカリーの旦那が出てくるのよ。」


「だってアンタにぞっこんじゃない。」


「ううん、でも・・・・」


「やっぱり好みのタイプじゃないのね?」


「うん、正直タイプじゃない。ワタシ、ああいう粗野なのはちょっと・・・」


それを聞いたベーカリーはショックを受けた。自分が好みのタイプじゃない、むしろ嫌われていた。それを聞いたベーカリーは3人から離れ、トボトボと去っていき、そして現在に至った。それを聞いたワシと与一は何て声をかければいいか迷った


「ははは、笑ってくれよ。俺の一方的な片思いによ。」


完全に心ここにあらずといった状態のベーカリーにワシと与一は目配せしつつ、左近はベーカリーを飲みに誘った


「ベーカリー、今日は飲もう。」


「飲む?」


「そうだ、今日は我等の奢りだ。とことん飲もう!」


「あ、ああ。」


ワシと与一はベーカリーを酒場バーへ向かった。そこで夕餉と一緒に酒も提供でき、ベーカリーを慰めるにはうってつけだった。ワシらが酒場に到着した後、酒と焼き鳥等を注文した


「女なんて、所詮は金でしか動かねえんだ!」


ベーカリーは早速、出来上がっていて自棄酒やけざけをあおっていた。ワシと与一はこの酔っぱらいの世話をするために酒は少量のみしていた


「ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!」


ベーカリーは泣き上戸なのかワンワン泣いていた。周囲の視線が痛い・・・・


「おい、ベーカリー、その辺にしておけ。」


「何だよ!お前らはアリーナとウルザと恋仲だから、俺の事を影で笑ってるんだろ!」


「誰もそんな事言ってないだろうが・・・・」


「いいよ、どうせ俺は粗野で汗臭い大馬鹿野郎だ!ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・ぐう~。」


「「はあ~。」」


泣きつかれてそのまま、眠りについたベーカリーをワシと与一が担ぎ上げて酒場を後にした。とりあえずベーカリーの泊まっている宿へと行き、鍵を貰い、奴の泊まっている部屋へ運び、そのまま寝かせた、左近と与一はベーカリーをベッドに寝かせた後、夜遅いのでベーカリーの部屋で一夜を過ごすことにした


「左近様、今日は一段と疲れました。」


「そうだな、酔っぱらいの世話は苦労するわ。」








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